東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『三千円の使いかた』(毎週土曜23:40〜)にて、葵わかな演じる主人公・美帆の母・智子役を演じる森尾由美が、ドラマ現場の雰囲気や、自身のお金との付き合い方について語った。

  • 森尾由美 =東海テレビ提供

――智子は「自分にそっくり」だそうですね。

そうですね、まず家族構成が私も娘が二人いて、長女は結婚して昨年孫が生まれましたし、次女は24歳で就職後に一旦家を出たのですが最近戻ってきました。だから「我が家の話?」と思うくらい状況は似ていますね。ドラマを観た長女からは「本人のままでドラマに出ていたね」と言われました。ただ自分とオーバーラップするところもあるけれど、撮影が進むにつれて“森尾由美と近いようで違う”御厨智子というキャラクター作りが、逆に難しいなと感じるようになったんです。

――ご自身と異なる部分は?

私と同年代の智子ですが、私自身は智子のように夫に敬語を使ったりすることはないかなあ……。そんな細かな部分についても、監督と相談しながら演技を組み立てている最中です。和彦さんは亭主関白ではないけれど無口なタイプなので、これまで智子はどんな風にコミュニケーションを取ってきたんだろうと思ったり。また私は智子より感情のスイッチの入るタイミングが少し早いので、智子ならどの辺りまで怒りを抑えるのだろうとか……。少し「古風」な女性という印象があったので、監督に「智子さんと和彦さんは、お見合い結婚ですか?」なんて質問もぶつけてみました。ちなみに答えは、「恋愛結婚(という体)」だそうです(笑)。

――撮影現場はどんな雰囲気ですか?

出演者に女性が多いので、文字通り和気あいあい! 撮影の合間に話題になるのは、ほぼ「食べ物」の話ですね(笑)。朝が早いので皆でおにぎりを持ってきて現場で食べているのですが、いつの間にか女性スタッフもその輪に加わるようになりました。ホームドラマということもあって食事のシーンも多く、現場にはいわゆる「消えもの」がたくさん出てきます。そのどれもがおいしくて……。毎回フードコーディネーターの方からレシピを聞き出したりして、即席の料理教室のような状況になっていますね。

――共演者の皆さんの印象は?

わかなちゃんとは何度かお仕事でご一緒させていただいていますが、親子役は初めて。昔からとてもしっかりとされていて、こちらが勉強になります。忙しいはずなのに台本をしっかりと読み込んでいるし、理解力も早いんですね。監督からのリクエストに対しても自分で咀嚼して、インプットしたらすぐにアウトプットができるのはすごいなあと、ただただ感心しております。また中尾(ミエ)さんはバラエティなどで何度かお目にかかっていましたが、現場でも皆をまとめて下さって頼もしいですね。何より、とてもタフということに驚かされます。

――今回はホームドラマですが、ご自身が考える「家族にとって大切なこと」は?

御厨家は今まで話し合いをしてこなかった事もあり、少し歪みが出てきたんだと思うんですね。2話まで観ていても和彦さんってほとんど言葉を発しないし、智子も思っていることを和彦さんに伝えていないじゃないですか。「言わなくても分かる」とか「こちらの気持ちを察してほしい」ではなく、やっぱり言葉にすることが大事。といってもそんな深刻になることではなく、朝昼晩の食事の中で一回くらいは家族で食卓を囲むとか、そんなことから始めればいいと思いますね。

――森尾さんご自身は、お金とどのように付き合っていますか?

先日、東海テレビの『スイッチ!』(地元情報番組)で手相を見てもらったんです。そうしたら「お金持ちになるけれど、お金は貯まらない」と言われました……。それ以来、有意義に使えるのであればお金は残らなくてもいいと思うようにしています。それと、ちょうど撮影が始まる頃に主人から勧められ始めたのが、「レコーディング・ダイエット」ならぬ「レコーディング・レシート」。レシートを保管して見返すことで、何にどれくらい出費したのかをざっくりと把握するんです。それ以来、自然と「来月は食費を少し抑えよう」などと考えられるようになりました。

――21日放送の第3話の見どころ、そして視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。

第3話の辺りから、それまで抑えていた智子の感情というか、「地」が出てくるんですね。抑えていた感情を吐き出しながら新しい一歩を踏み出そうとする智子が第3話では描かれています。そんなところにぜひ注目して頂きたいですね。そして御厨家は、本当にどこにでもある「普通の家族」 です。そこで描かれる日常には、「あ! これってウチと一緒だ」と思えるような、「家族のあるある」がたくさん含まれていると思います。ドラマをご覧いただきながら、皆さんのお宅にもある「あるある」を見つけてほしいです。