2023年2月5日(日)からスタートとなるTVアニメ『ひろがるスカイ!プリキュア』のお披露目オンライン記者会見が行われ、メインキャストより関根明良・加隈亜衣・古賀葵が公の場で初めて顔をそろえ、今作に抜擢された時の心境や、プリキュアへの熱い思い、演じるキャラクターの魅力などをアピールした。

2004年2月にテレビ放送が始まって以来、広く愛され続けている「プリキュア」シリーズは今年で20周年。この度の会見では、20年の感謝を表すとともに、これまで積み上げてきた歴史に、新たなチャレンジを試みる新シリーズで繰り広げられるプリキュアの世界観が披露された。

会見には、今作を手がけるABCアニメーションプロデューサーの田中昂や、プリキュアの“生みの親”として知られ、今作にも直接関わる東映アニメーションエグゼクティブプロデューサー鷲尾天も登壇。第1作の『ふたりはプリキュア』から『ひろがるスカイ!プリキュア』まで変わらない思いなどを明かすとともに、これまで詳細が伏せられてきた新たに登場する2人のプリキュアキャストが発表された。

●★困難な時期を乗り越え、新たなチャレンジが詰まった20周年記念作品がスタート

会見にはまず『ひろがるスカイ!プリキュア』のプロデューサーを務めるABCアニメーション・田中昂が登壇。「プリキュアの20周年企画が今週から始まり、色んな所でプリキュアを目にして頂く機会が多くなると思います」と最新の状況を報告しつつ、「2018年の15周年の際にも沢山の所で取り上げて頂いたんですが、それ以降の4年間はコロナ禍でプリキュアに会って頂く機会が減ったり、プリキュア映画の延期、また不正アクセスによって放送が延期され、毎週の放送を楽しみにして下さっている皆様をお待たせする時期もありました」と振り返った。

その上で「そうした中ではありましたが、先週『プレシャスパーティ♡プリキュア』は無事最終回を迎え、コロナ前と同じように沢山の方に楽しんで頂ける状況になってきました」と感謝を述べ、「プリキュアは困難な状況に立ち向かうという姿をずっと描いてきましたが、現実の中での困難な状況も乗り越え、本当に沢山の方々にご期待頂ける状況で20周年記念作品をスタートすることが出来ます。沢山の子どもたちに見て頂きたいですし、20年前に見て頂いていた元子どもの方にも見て頂きたい」と力を込めた。

●関根明良・加隈亜衣・古賀葵が“名乗り”とともに初お披露目

続いてはメインキャストの声優を務める関根明良・加隈亜衣・古賀葵の3人が登壇。一緒に登場したキャラクターたちと、息を合わせながらの“名乗り”を披露した後、本作への出演が決まった時の感想を述べた。

【キュアスカイ/ソラ・ハレワタール】を演じる関根明良は、「マネージャーさんからキュアスカイに決まりましたと聞いた時は、あまりの衝撃に頭が真っ白になってしまって、『えっ!』としか反応が返せなかったぐらい、本当に光栄な作品に関われたんだという思いが実感できるまで時間がかかりました」と振り返りつつ、「今もまだ緊張していますが、頂いたバトンをまた次につなげられるように頑張りたいと心から思っています」と抱負を語った。

【キュアプリズム/虹ヶ丘(にじがおか)ましろ】を演じる加隈亜衣は、「事務所でサプライズの形で報告を頂いたんですけど、全員の方が『心からおめでとう!』って声をかけて下さったのが嬉しすぎて、涙があふれて。皆さんの顔を確認して一人一人にありがとうって伝えたいのに、涙がにじんで伝えられませんでした」と当時の心境を。「というのも私は(17作目の)『ヒーリングっど♥プリキュア』で、パートナー妖精ラビリンの声を1年間担当し、一緒に戦いながらプリキュアの背中を見続けてきました。今回は自分がプリキュアになって戦うことになり、またひとつ特別な思いが生まれました。憧れがさらに強くなったプリキュアにどう向き合っていくかは、キュアプリズムと一緒に見つけていきたいです」と思いもひとしおの様子。

【プリンセス/エル】を演じる古賀葵は、「プリキュアシリーズに出演するのは、声優になる前からずっと憧れであり夢であり目標でしたので、マネージャーさんから『決まったよ』という言葉を聞いた時はホントに信じられないくらい嬉しくて、事務所にいた皆がおめでとうって言ってくれました」と回想。さらに「エルちゃんはプリンセスなので、おもちゃのティアラを頂いて、ものすごく嬉しくて、今日もそのティアラを持ってきて一緒にこの場に挑んでいます(笑)」と打ち明けつつ、「小さい頃から憧れていたプリキュアシリーズに出演させて頂けるのはすごく幸せで、まだまだ夢見心地でフワフワしているんですけど、こうして皆さんと一緒にお披露目に参加することができて嬉しいです!」と喜びを爆発させた。

続いて3人は、自身が担当するキャラクターの「ココが好き!」という部分を発表。関根は、「ソラちゃんはスカイランドから来た女の子なんですけれども、憧れているヒーローに向かってずっと全力でひた走っている、ホントに努力家の女の子です。コツコツ努力を積み重ねるのが好きな子で、台本を読んだ瞬間からこの子はすごいって思いました」とその魅力を語り、「私も小さい頃からずっと声優に憧れて夢にひた走ってきましたので、何かちょっと重なるところがあって、今日もこうして会えて、泣きそうなくらい嬉しいです!」とコメント。さらに「私は鳥が大好きなんですが、スカイランドは鳥さんと一緒に暮らしている国。すごく幸せな場所だなと思いますし、夢に向かってずっと走っているところが、すごくリンクしていて、私もさらに努力して、一緒に走っていきたいなって思っています」と思いを語った。

加隈は、「ましろちゃんは、人の気持ちに寄り添える温かい心を持った、すごく優しい女の子で、全部好きです(笑)。女の子の憧れや、見た目だけじゃないかわいさ、内面から出る優しさと温かさが1話1話に詰まっていて。ワンシーンワンシーン語りたいぐらいすごくかわいい(笑)」と絶賛。さらに同席したキュアプリズムが後ろを向くと、「全身つつがなくかわいい」と喜びの声をあげながら、「できたら皆さんも髪を伸ばして、髪型とかをマネして欲しい。かわいらしさを手に入れることが出来ます(笑)」とアピールした。

古賀は、「エルちゃんはすごく不思議な力を持っている子。赤ちゃんなので見るものすべてが新鮮で、表情が毎回ホントにかわいらしくって、見てるだけでも愛おしく幸せになれます。今は赤ちゃんなので沢山しゃべることは出来ないんですけど、これからソラちゃんやましろちゃんたちと触れ合うことでどんな風に成長していくのか今からすごく楽しみです」と期待を寄せた。

続いては3人のキャラクターにちなんだ質問が。まずスカイやプリズムと出会うことでどんどん成長していくエルにちなみ、「自身が成長を実感する場面」を聞かれた古賀は、「あなたをずっと応援してたから今回涙が出るほど嬉しいと言ってくれる方がすぐそばにいてくれました。自分の活動が皆さんの元気になっているのかなと思う時に、自分も少しは成長できているのかなと思います」と回答。

第1話で異世界から来たソラと衝撃の出会いを果たす「ましろ」にちなみ、「印象に残っている衝撃の出会い」を聞かれた加隈は、「今回スタジオオーディションの時に初めて各キャラクターのイラストを見せて頂いたんですが、どれもかわいすぎてしばらくずっと見入ってしまいました。特に衝撃的だったのがエルちゃん。何これ、早くアニメで見たい!と思いました。推しポイントは眉毛の上の髪の毛、かわいすぎる!」と作品のキャラクターが衝撃だったことを明かした。

そしてヒーローにとって大切なことを欠かさず手帳に書いているソラにちなみ、「欠かさず続けている事」を尋ねられた関根は、「ほぼ毎日その日のお天気をTwitterに呟いています(笑)」と即答。「7年くらい前にTwitterを始めた時、何をつぶやいたらいいのか全然わからなかったんですが、その時、私よく空を見上げるなって気づいて、今日は夕方から雨が降るみたいですねって呟いたら、たまたまそれを見てくれた方が『折りたたみの傘を持っていったら助かりました』と返して下さって。その時、これはお役に立てるかも知れないと思ってから毎日続けるようになりました」とエピソードを明かした。空のことを呟いていたら、ソラ・ハレワタールという役を射止めた関根だが、「(連絡を貰った時は)まず、え、ウソ!嬉しいという感じだったので」、Twitterと今回の抜擢が空でつながっていたことには「後から気づいた」という。

このほか、本作のテーマである「ヒーロー」にちなみ、「皆さんにとっての“身近なヒーロー”と呼べる憧れの方、パワーをくれる方を教えてください」という質問には、関根が「いつも大丈夫だよと言ってくれるメイクさん、スタイリストさん、マネージャーさんなど自分を支えてくれる人たち」。加隈は「私は誰かが頑張ったり好きなことに打ち込んでいる姿を見て、気持ちを貰ったりしているので、キャスト、スタッフの皆さん、事務所の方、素敵な言葉をかけて下さるファンの方など勝手にヒーロー認定している方がいっぱいいます。世の中ヒーローだらけです(笑)」と回答。古賀も「一番身近に感じるのはそばで自分を支えてくれる事務所の皆さん、マネージャーさんたち、いつも見てるよと声をかけてくれる方、そして一番の味方でいてくれる家族、一緒にチームを作って戦ってくれるキャスト、スタッフの皆さん、皆がヒーローだなと思える瞬間がいっぱいあります」と同意しつつ、「皆がヒーローの素質を持っていて、私なんかという人なんて誰一人いないということを『ひろがるスカイ!プリキュア』を通して改めて感じています」と話した。

●プリキュアの生みの親・鷲尾Pが新たに登場するプリキュアのキャストを発表

続いては、“プリキュアの生みの親”である東映アニメーションエグゼクティブプロデューサーの鷲尾天がスペシャルゲストとして登場。記念すべき20作目のプリキュアをどんな方に楽しんで欲しいかを聞かれると、「まず20作ということが信じられなくて、たぶん一番疑っているのが私です。ただこれまでずっとやってきたことは、毎年新しい子が入ってきて、毎年楽しめるようにすること。それが一番重要で、それを続けていれば、今まで観てくれた人、ずっと昔に観てくれていた人も、きっと楽しんでくれるに違いないと考えて作品を作り続けてきました」と心境を語った。

第1作の『ふたりはプリキュア』を立ち上げ、今作の『ひろがるスカイ!プリキュア』にも直接関わるという鷲尾プロデューサー。『ふたりはプリキュア』放送直前の思い出、そして『ひろがるスカイ!プリキュア』放送直前の今の気持ちの違いについては、「一緒です。足が震えるんですよ、どの作品の時でも。いつも放送直前に、視聴率が悪くて局の方に呼ばれるような夢を明け方まで何度も見るんです(笑)。そのうち夢の中で、今度は大丈夫かなと思ってたりするんですよ」と告白。「それだけホントにプレッシャーがかかるし、しんどい。でも観て下さった方から良かったよとか嬉しかったとかいうコメントを貰うと、あ、良かったんだとこちらも嬉しくなる。それはいつも同じですね」と振り返りつつ、「全く何もないところからキャラクターを作る。最初はラフな線だけのところから、色がつき、そのうちにそれが商品として店頭に並んだりする。特に1年目の時にはものすごく驚くわけです。しかももしかしたら買ってくれる人がいるかも知れない。毎回第1話を観る時、途中から色んなものが出てくる時にジーンときますよね。それも変わらないです」と作品づくりへの思いを語った。

そして会見も終わりに近づいたところで、これまで詳細が明かされていなかった残り2人のプリキュアのキャストを鷲尾プロデューサーが発表。ソラやましろより少し年下の12歳の男子プリキュア、キュアウィングを演じるのは村瀬歩、ソラやましろより年上の18歳の新成人お姉さんプリキュア、キュアバタフライを演じるのは七瀬彩夏であることが明かされた。気になるキュアウィング、キュアバタフライの登場時期については、「まずはスカイとプリズムの2人が関係性をちゃんと築いていく。その後にウィング、バタフライが続きます。毎週観て頂くといつか出て来ますので、ぜひ毎週ご覧頂ければ…(笑)」と話した。

さらに、記者からの「今作はセンターが水色のプリキュアであったり、男の子のプリキュアの誕生など、新しいチャレンジが色々ありますが、こうした新しいチャレンジを通して今の子どもたちに伝えたいメッセージは?」との問いかけに、鷲尾プロデューサーは「そもそもプリキュアは第1作のセンターが黒と白で始まっていて、いわゆる女の子が好きとされているキャラクターカラーから始まった訳ではありませんでした。しかも当時は徒手空拳といって、自分で足を踏ん張って戦う姿も作品の中にある、チャレンジ精神の強い作品だったんです」と回顧。「プリキュアを続けていくことについては、毎年何かチャレンジをしていくことが絶対必要。以前、いずれ時代が過ぎれば、プリキュアは女性に限らなくていいというお話をした気がしますが、もしかしたらこのタイミングなのかなと。新しいイメージ、新しいキャラクターをどんどん入れていっていい。今年は20周年の節目でもあり、皆さんのご理解を仰ぎながら、男子のプリキュアを誕生させた」と述べた。

会見の最後には、キャスト陣が「『ひろがるスカイ!プリキュア』をご覧頂いて、何か皆さまの世界が広がるように、何か伝えられるように、憧れやキラキラが広がるように、精一杯がんばりたいと思っております。毎週日曜朝の30分間、ぜひ楽しんで頂けたらと思います」と視聴者へのメッセージを語り、和やかな雰囲気に包まれた会見は、お開きとなった。

TVアニメ『ひろがるスカイ!プリキュア』は、2023年2月5日(日)よりABCテレビ・テレビ朝日系列にて日曜朝8時30分~放送。

(C)ABC-A・東映アニメーション