アウディの電気自動車(EV)「Q4 e-tron」が受注2,000台、「e-tron GT」は1年待ち――。アウディジャパンの年頭記者会見でブランドディレクターのマティアス・シェーパースさんがEV販売の好調ぶりを明らかにした。2023年はEV販売比率で前年比3倍を目指すという。

  • アウディ「Q4 e-tron スポーツバック」

    アウディのEVが日本で売れている?

日本でもEVが売れると本社が確信?

アウディジャパンの2022年における登録台数は2万750台で前年比92.1%に減少。半導体不足などで思うようにクルマが生産できず、前年に比べ台数を減らす結果となった。そんな中、顕著な伸びを示したのがEV販売だ。アウディのEV「e-tron」シリーズは2022年の登録台数が808台で、販売比率は全体の約3.9%に。2021年は約1.5%だったそうだから、比率でいうと2倍超の伸長だったということになる。

2022年には日本市場に4車種の「e-tron」を投入したアウディだが、中でも「Q4 e-tron」が好成績を収めたそう。日本での正式発売発表は2022年11月だったが、すでに2,000台を超える受注が入っているという。高性能な「e-tron GT」については納車まで1年待ちの状況が続いていた。

  • アウディ「Q4 e-tron スポーツバック」

    アウディの「Q4 e-tron」は599万円からという国産車に引けを取らない価格設定で日本にデビューした(現在は620万円から)。写真は「Q4 e-tron スポーツバック」だ

2023年はe-tronの販売強化に努めるとシェーパースさん。2022年の販売状況を受けて「日本でもEVが売れると本社も理解した」そうだから、e-tronシリーズの供給台数増加にも期待が持てそうだ。実際、e-tron GTについては供給量を増やすとシェーパースさんは明言していた。今年の目標としてはEV販売比率12%を掲げる。販売台数が全体で2万台レベルだとすればEVだけで2,400台を日本で売る計算になるが、「供給の問題さへ解決すれば」とシェーパースさんは自信を示した。

  • アウディのEV「S1 Hoonitron」
  • アウディのEV「S1 Hoonitron」
  • 八芳園(東京都港区白金台)で年頭記者会見を開いたアウディジャパン。会場では世界に1台というアウディのEV「S1 Hoonitron」が異彩を放っていた。スペックはバッテリー容量57.6kWh、最高出力500kW、最大トルク640Nm、重量配分52:48、ギア比約12:1。駆動方式は4輪駆動。これから日本で特別展示イベントを実施するそうだ

EV普及に向け重要になるのは急速充電ネットワークの拡大だというのがアウディジャパンの考え。2022年末の時点では全国52カ所のディーラーに150kWの急速充電設備を設置したそうだが、残りのディーラーでも同様の設備の設置を進め、2023年末には合計102店舗で150kW充電の体制を整えたい意向だ。