富士スピードウェイの隣接地にオープンした「富士モータースポーツミュージアム」には、国の垣根を越え、メーカーの垣根も越えて新旧の名車が集まっている。現地で実物を見て説明を聞いてきたので、印象に残った何台かのクルマをご紹介していきたい。今回は「スタッツ・ベアキャット シリーズF」というクルマだ。

  • スタッツ・ベアキャット シリーズF

    「スタッツ・ベアキャット シリーズF」(取材日は2022年12月16日。展示内容は変更の可能性あり)

インディ500の申し子

スタッツ社の創業者であるハリー・C・スタッツは、ベアキャットの試作第1号機で第1回の「インディアナポリス500マイルレース」(インディ500)に出場して11位となり、1913年に3位の好成績を収めると、翌1914年にはこのクルマの市販を開始した。アメリカンスポーツカーの草分け的な存在だ。

  • スタッツ・ベアキャット シリーズF
  • スタッツ・ベアキャット シリーズF
  • スタッツ・ベアキャット シリーズF
  • ボディサイズは全長4,189mm、全幅1,691mm、全高1,670mm、ホイールベースは3,048mm、重量は1,362kg。エンジンは水冷直列4気筒Tヘッド、排気量は6,394cc、最高出力は45kW(60PS)との説明だった

スタッツ・ベアキャット シリーズFは「インディ500マイルレースの申し子」と説明書きにあったのだが、そもそもなぜ、米国では丸いコースをクルマが周回するレースが人気なのだろうか。

ミュージアムの説明員によると、米国では収穫祭などの際に競馬を開催していたオーバルコース(地域の競馬場といった感じの施設)で草レースを楽しむようになったのがレースの原点となっているため、こうした周回レースの形態が多いそうだ。レースは賭け事の対象にもなったので、コース全体を見渡せる(=隠れていかさまができない)丸いコースが好まれた側面もあるという。

■Information
「富士モータースポーツミュージアム」
【場所】静岡県駿東郡小山町大御神645
【営業時間】10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
【休館日】2023年3月までは無休

■入館料

【大人(18歳以上)】平日:オンライン予約1,600円/窓口購入1,800円、休祝日:オンライン予約1,800円/窓口購入2,000円
【中高生】平日:予約800円/窓口900円、休祝日:予約900円/窓口1,000円 【小学生】平日:予約600円/窓口700円、休祝日:予約700円/窓口800円