結婚が決まって新婚生活をスタートさせるには、いろいろと準備が必要です。家を探したり、家具を新調したり、2人であれこれ相談して決めるのはとても楽しいことですが、一方で、いくらお金がかかるのか心配になるでしょう。そこで、新婚生活をスタートさせるために必要な費用を、エリアに分けてご紹介します。

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■新婚生活にかかる費用

新婚生活を始めるには、大きく次の3つの費用がかかります。

・新居の費用(賃貸物件を借りるための初期費用)
・引っ越し費用
・インテリア・家具、家電購入費用

新居の費用

まずは、新居の費用をみてみましょう。リクルートブライダル総研が行った「新婚生活実態調査2020」をみてみると、結婚を機に新居を購入した割合は17%となっています。残りの83%は購入していないということなので、ここでは賃貸物件に住むと想定して、新居の費用を出してみたいと思います。

新居の費用を出すにあたって、カップル向きである30㎡~50㎡以下の賃貸マンションの平均家賃(※アットホーム調べ)を参考にしました。初期費用は敷金、礼金、仲介手数料、火災保険料、鍵交換費用などで、家賃の5~6カ月分相当といわれています。

  • 【地域別の家賃費用】 あなたが住んでいるエリアはいくら?

    ※出所:アットホーム 「全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向(2022年2月)」をもとに筆者作成

新居の初期費用は、北海道札幌市が一番安くて29~34万円、一番高いのが東京23区で66~79万円となります。この金額は30㎡~50㎡以下の賃貸マンションを想定しているので、これより広いマンションを借りれば、当然金額は上がります。また、住居のタイプによっても金額は変わってくるのでひとつの目安としてみてください。

結婚を機に、新居を購入するカップルもいるでしょう。その場合は、頭金や住宅ローンの諸費用などが新居の初期費用になるので、物件価格をもとに準備しておきましょう。

引っ越し費用

引っ越しの費用は、引っ越し業者や引っ越す時期、距離、荷物の量によって変わってきます。3月~4月にかけての繁忙期は通常料金の1.5倍から2倍程度値上がりすることがあります。通常期の場合、単身で3万円~6万円、2人暮らしで6万円~10万円程度みておくといいでしょう。

新居への引っ越しは、2人が今住んでいる場所から新居に引っ越すことになると思うので、それぞれ引っ越し料金(単身×2)がかかります。引っ越し業者によっては、「立ち寄りプラン」というサービスがあります。これは、2カ所(それぞれの家)に立ち寄って荷物を積み、新居まで運んでくれるサービスです。別々に引っ越す場合は単身料金の2倍かかりますが、「立ち寄りプラン」だと1.5倍程度に料金を抑えられる場合があります。

業者によって、料金はまちまちなので、複数の業者から見積もりを取って比較検討して決めるとよいでしょう。

インテリア・家具、家電購入費用

住む家が決まったら、それに合わせて家具や家電を購入することになります。前出のリクルートブライダル総研による「新婚生活実態調査2020」から、購入金額の平均をみてみましょう。

結婚を機に、インテリア・家具、家電製品のいずれか、または両方を購入した人の割合は66.8%、購入金額の平均は59.0万円となっています。

インテリア・家具を購入した人の購入金額の平均は31.5万円、家電製品を購入した人の購入金額の平均は37.8万円となっています。インテリア・家具、家電を合わせて、50万円~60万円くらいみておくといいでしょう。

この調査では「どちらも購入していない」が33.2%となっていることも注目です。費用を抑えたい場合は、独身時代にお互いが使っていたものを利用すれば、新たに購入する必要がありません。

■新婚生活を始めるには100万円以上かかる

引っ越し費用を7万円、インテリア・家具、家電購入費用を59万円として、計66万円をエリア別の新居の初期費用に加えれば、新婚生活にかかる費用の総額が出ます。東京都下であれば、108万円~116万円になります。前出の「全国主要都市における賃貸マンションの平均家賃と初期費用」で他のエリアも確認してみてください。

なお、これらの金額は、平均から導き出したものなので、あくまでも目安として考えてください。工夫次第でこれよりもグンと費用を抑えられるかもしれませんし、新居にこだわり過ぎて、大幅に予算オーバーしてしまう場合もあります。

新婚の生活費

最後に新婚の生活費をみてみましょう。総務省の「家計調査/家計収支編/二人以上の世帯2021年」の消費支出を参考にします。

■新婚の生活費(住居費を省いた生活費)

  • ※総務省「家計調査/家計収支編/2021年/二人以上の世帯のうち勤労者世帯/夫婦のみの世帯または夫婦と未婚の子供のいる世帯のうち夫(30~34歳)が世帯主の世帯/住居費を除いた消費支出」をもとに筆者作成

この生活費内訳は住居費を除いた生活費となります。そのため、ここに家賃と管理費を加えたものが1カ月の生活費となります。例えば、家賃+管理費が8万5000円だった場合は、約31万5000円が1カ月の生活費となります。

■まとめ

新婚生活をスタートさせるには、初期費用としておよそ100万円以上、生活費は月30万円以上かかることを目安にしておくといいかもしれません。思った以上にかかると思った人は、家具や家電など、これまで使ってきたものを引き続き使うようにすれば、出費を抑えられます。

また、生活費は今後のライフプランによって変化するものです。今は賃貸でも、新居を購入する計画があれば、頭金を貯めるために貯蓄に精を出す必要があるでしょう。夫婦で将来のこと、お金のことについて積極的に話し合っていきましょう。