『仮面ライダーギーツ』と『仮面ライダーリバイス』のコラボレーション映画『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』が12月23日から公開される。

映画公開記念・単独キャストインタビューの今回は『仮面ライダーリバイス』で五十嵐一輝/仮面ライダーリバイを演じる前田拳太郎が登場。映画では、消滅したはずの悪魔バイスが復活を果たし、リバイとバイスの名コンビがふたたび活躍するという。そして、一輝と仮面ライダーギーツ/浮世英寿(演:簡秀吉)との「ライダー共演」を筆頭に、映画ならではのゴージャスな仕掛けが随所に配置され、仮面ライダーファンからの熱い注目を集めている。テレビシリーズの1年間を通じて大きく成長を遂げた前田に、映画にかける意気込みを聞いた。

  • 前田拳太郎(まえだ・けんたろう) 1999年生まれ、埼玉県出身。劇団EXILEのメンバー。2021年4月、テレビドラマ『ラブコメの掟~こじらせ女子と年下男子~』で俳優デビュー。『仮面ライダーリバイス』(2021年)の主人公・仮面ライダーリバイ/五十嵐一輝役を演じ、人気を博す。2023年1月スタートフジテレビドラマ「女神の教室~リーガル青春白書~」に出演。 撮影:大門徹

――前田さんはつい先日まで『仮面ライダーリバイス ファイナルステージ&番組キャストトークショー』に出演されていました。『リバイス』テレビシリーズの撮影開始から、ファイナルステージまでを振り返り、どんな思いを抱かれていますか。

去年『仮面ライダーリバイス』に出演が決まってから「ファイナルステージ」がゴールだと思ってやってきましたから、ついにここまで来たのか……という達成感と寂しさがまずありましたし、これまでずっと応援してくださったファンのみなさんへの感謝を伝えたい、良い舞台をお届けしたいと強く思って各公演に臨んでいました。キャストのみんなで頑張ったおかげで、『リバイス』の集大成をお見せすることができたんじゃないかと思っています。最終日は、今まで毎日のように一緒にいたみんなと、もうこんな風に会うことがなくなるんだなと思って、涙・涙のステージになりましたけど、テレビ最終回でバイスが言っていたように、悲しいとき、寂しいときこそ「笑顔」で乗り切ろうと声をかけあっていました。

――少し時間をさかのぼりまして、テレビシリーズの最終回を撮影していたときの心境を聞かせてください。

戦いの代償として、一輝が家族のことを全て忘れてしまう展開には、自分でもショックを受けました。記憶がないまま五十嵐家と接するシーンを撮っていても、前田拳太郎としてみんなと過ごした1年の思いが強くあるものですから、いろいろな感情がこみ上げてきて、泣きそうになりながら演技をしていたんです。柴崎貴行監督からは「一輝、(家族のことを)忘れろ!」と何度も言われながらやっていました。でも、長いようであっという間の1年、毎日が充実していた1年、本当にいろいろな思い出があって、それをぜんぶ忘れなければいけない。あれは自分にとってすごく大変な撮影でした。

――最終回にはスペシャルゲストとして、一輝の憧れの人「キングカズ」こと三浦知良選手がご本人役で登場したのには驚かされました。三浦選手とご一緒されたときはどんなお気持ちでしたか。

すごい体験でした! カズさんが出演されるんだ……と、最初に聞いたときは驚きました。実際にお会いしたときは、その場にいらっしゃるだけでオーラが出ていて、それこそ「ヒーロー」の空気を周囲にかもし出していました。僕も緊張感を持って撮影に臨みましたが、カズさんはすごく優しくて、撮影のこと以外でも、いろいろと気さくにお話をしてくださいました。

劇中でカズさんのボールを僕がトラップするシーンがありましたけれど、最初のテストでは助監督さんがボールを投げてくれていたのが、途中から「俺が投げるよ」ってカズさんが直々に投げてくださったんです。カズさんのボールを受け止めるなんて、俳優をやっていてなかなか経験できるものではないですよ。

カズさんが一輝にかけた言葉「ここからが君の全盛期だよ」も、1年間『リバイス』をやってきた僕たちキャストに対して、脚本の木下半太さんと望月卓プロデューサーからのメッセージなんだと思いました。僕自身『リバイス』に出演したことによって、俳優としての一歩を踏み出せたわけですし、これからも常に自分の全盛期を更新できるような俳優になりたい……と決意を新たにしました。

――最終回の「その後」を描く今回の映画では「リバイス編」「ギーツ&リバイス編」と2つのストーリーが繰り広げられるそうですが、前田さんはその両方で大活躍されると聞いています。まずは「リバイス編」出演についてのご感想からお願いします。

『リバイス』最終回が見事な終わり方をしたので、その後の物語といってもどんな風になるのか、台本を読む前までは少し心配をしていました。でも、台本を読むとそんな心配はすぐ吹き飛んでいきました。やっぱりバイスが復活するというのは、一輝にとっても僕にとっても凄く嬉しいことでした。最終回で日常生活に戻った一輝ですが、バイスのことだけは記憶から消えていました。でも、覚えていなくとも自分の心に何か「足りないもの」があるということに、気づいていたんじゃないかと思ったんです。そこを埋めてくれるのは、バイスしかいません。あの最終回を受けて、ふたたび一輝とバイスのコンビがどんな風に復活するのか、楽しみにしてほしいです。

――『リバイス』最終回から映画まで、どれくらい期間があいていたのですか。

最終回からすぐ、スピンオフVシネクスト『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』があり、その後ファイナルステージで全国各地を巡りながら映画を撮っていました。ですから特に長いブランクなどはなく、一輝としての気持ちをつないだまま演技ができました。

――「リバイス編」で驚いたのは、なんと五十嵐家に新しい家族(幸四郎)が生まれていたことです。前田さんがこの設定を知ったときはどう思われましたか。

それはもう、すごくびっくりしました。映画の撮影前、望月さんたちと「次はどんな映画になるんですか」みたいな雑談をしていたとき「五十嵐兄妹に4人目ができるよ」と言われて、そのときは「またこの人は冗談言って……」って、ぜんぜん信じてなかったんです。その後、台本を読むと「五十嵐幸四郎」って書いてあって、あっ本当だった!と(笑)。でも、まったく想像もつかないような面白いストーリーを打ち出してきたな、と感心しました。