泉北高速鉄道は11日、南海電鉄の8300系をベースとした新型通勤車両9300系を導入し、2023年夏から営業運転を開始すると発表した。4両編成を2編成、計8両を導入予定。南海高野線へ直通し、和泉中央駅から難波駅までの区間で運行される。

  • 泉北高速鉄道の新型通勤車両9300系のイメージ

新型通勤車両9300系は、南海電鉄8300系をベースとすることで投資額を抑制しつつ、外装デザインに泉北高速鉄道のラインカラーとして定着しているブルー、既存の通勤車両の車体色であるアイボリーの2色を取り入れた。内装には木目柄を用い、落ち着きとやすらぎを感じさせる空間を演出。座席シートには既存の通勤車両に合わせたカラーを採用し、泉北高速鉄道らしさを表現している。

機能面では、エネルギー効率の高い機器とすべての灯具にLEDを採用することで、従来車両(3000系)と比較して消費電力を約50%低減。4カ国語に対応した車内案内表示器、ベビーカー・キャリーバッグ等の利用者に向けた多目的スペースを設置する。

客室内や出入口ドア窓に、保温・遮熱性を高める複層ガラスを採用。座席、吊り手、手すり、窓など車内全般において抗ウィルス・抗菌加工を行う。床面に優先座席や車いす・ベビーカースペースの表示も追加する。走行用モーターには、車内外の騒音を低減し、遮音性の高い全閉内扇型主電動機を搭載。環境に優しく、すべての人が安全で快適に使いやすい車両になるという。

  • 9300系の車内イメージ。木目柄を用い、落ち着きとやすらぎを感じさせる空間を演出

  • ピクトグラムを床面に表示した車いす・ベビーカースペースも設置。優先座席は他の座席と色を変え、ひと目でわかるようにした

  • 9300系の多目的スペース

なお、泉北高速鉄道は9300系の導入に合わせ、既存の通勤車両(5000系、7000系、7020系)で採用したラインカラーからライトブルーを廃し、ブルーのみに順次変更。同社の通勤車両においてラインカラー統一を図るとしている。