東急と東急レクリエーションは11月2日、新宿歌舞伎町のシネシティ広場に隣接する新宿TOKYU MILANO跡地に建設中の「東急歌舞伎町タワー」に関する記者発表会を実施した。東急の新宿プロジェクト企画開発室室長・木村知郎氏から、2023年4月14日の開業と、世界的人気アニメ「エヴァンゲリオン」とのコラボレーション施策について発表された。

歌舞伎町のナイトシーンを盛り上げる複合エンタメ施設に

「東急歌舞伎町タワー」はホテルや映画館・劇場・ライブホールなどのエンターテインメント施設などからなる、約225mの超高層複合施設。“好きを極める”をコンセプトに掲げ、リアルとオンラインを通じて「好き」に出会う機会を創出し、世界へ向けた新たな都市観光の拠点となることを目指す。

まず、地下1階~地下4階のライブホール「Zepp Shinjuku (TOKYO)」の夜間時間帯における新たな空間活用として、「ZEROTOKYO」のオープンについて紹介。本施設は地下2階~地下4階の3フロア5エリアで構成される国内最大級のナイトエンターテインメント施設となり、国内のみならず海外アーティストの招聘も積極的に行っていく方針だという。

  • 新宿プロジェクト企画開発室室長・木村知郎氏

運営は木村氏が社長を務めるTSTエンタテイメント(東急、東急レクリエーション、ソニー・ミュージックエンタテインメントの三社からなる合弁会社)が担う。

「『ENTERTAINMENT JUNCTION』というコンセプトのもと、音楽、DJ、空間演出、パフォーマンスなどのコンテンツを集め、それらを交差させることで、さまざまな人の“好きを極める”場となることを目指しています。東急グループの施設運営、ソニー・ミュージックエンタテインメントのコンテンツ開発などのノウハウを活かしながら、世界有数の繁華街である歌舞伎町のナイトエンターテインメントシーンに貢献したい考えです」

“好きを極める”という本タワーのコンセプトを具現化する施策の第一弾として、国内外で人気を誇る「エヴァンゲリオン」を題材とする「EVANGELION KABUKICHO IMPACT」の実施を発表。東急歌舞伎町タワーの前身となった新宿TOKYU MILANO内のロードショー館「新宿ミラノ座」と、エヴァ作品のゆかりについて語られた。

1995年にテレビシリーズが放送された「新世紀エヴァンゲリオン」の劇場版「シト新生(DEATH&REBIRTH)」「Air/まごころを、君に」のメイン上映館だった新宿ミラノ座。シネシティ広場には当時、熱狂的なファンによる長蛇の列や徹夜組が現れるなどの盛り上がりを見せ、同作品の“聖地”とも謳われた。

1997年公開の「シト新生」を皮切りに、新宿ミラノ座では2007年に新シリーズとしてリビルドされた「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」「:破」「:Q」に到るまで、その営業終了までの全作品を上映。「:破」封切り日にはシネシティ広場で公式イベント「第3新歌舞伎町宣言」が開催されるなど、関連催事も数多く行われてきた。

高橋洋子初の「エヴァ」関連楽曲中心の単独有観客ライブも

2023年4月28日から順次開始予定の「EVANGELION KABUKICHO IMPACT」として、劇場、ホテル、映画館、ライブホールの4施設での展開が紹介された。

まず劇場 THEATER MILANO-Zaのこけら落とし演目として、東急グループのBunkamuraが企画・製作する「舞台・エヴァンゲリオン Beyond」(仮)を上演。初のエヴァンゲリオンの舞台演劇で、ローレンス・オリヴィエ賞など数々の受賞歴を持つ、世界的な演出家・振付家であるシディ・ラルビ・シェルカウイ氏が構成・演出・振付を手掛ける。同氏は2012年の「テ ヅカTeZukA」の構成・振付などでも知られる。

2023年5月19日に開業予定のホテル「HOTEL GROOVE SHINJUKU」では、期間限定で「LIFESTYLE HOTEL EVA」を実施。客室1フロアを「エヴァンゲリオン」の世界にアレンジし、客室では各パイロットをテーマとしたインテリア、スペシャル映像やオリジナルグッズを用意する。レストランではオリジナルコラボレーションドリンクやフードの限定メニューを提供する予定だ。

また、本タワー内の映画館「109シネマズプレミアム新宿」の開業記念特別企画としては、「エヴァンゲリオン」シリーズや、その関連作品などを一挙上映する「エヴァンゲリオン」関連映画祭」(仮)を開催。

さらに「Zepp Shinjuku (TOKYO)」では、2023年5月28日に「残酷な天使のテーゼ」「魂のルフラン」など、数々の「エヴァンゲリオン」シリーズの主題歌や関連楽曲を歌ってきた高橋洋子氏によるスペシャルライブを開催する。「エヴァンゲリオン」シリーズをテーマとした同氏初の単独有観客公演となる。

「本タワーだけではなく街の皆さんにもご協力いただきながら、あらゆる角度から『エヴァンゲリオン』の世界観に浸り、“好きを極める”場となることを目指してまいります。今回の発表はここまでとなりますが、さまざまな施策展開をまだまだ計画中です。今後の発表をぜひお楽しみにしていただければと思います」

本記者発表会に登壇した「エヴァンゲリオン」シリーズのキャラクターライセンス管理や企画監修をしてきたグラウンドワークス代表取締役・神村靖宏氏は、「国内最大級エンターテイメント施設である本施設の最初のコラボレーション施策に、『エヴァンゲリオン』という作品を選んでいただいたことを大変光栄に思っています」と挨拶。

「私自身、最初の新劇場版「序」の公開時は初日の始発でミラノ座にやってきまして、行列ができているのを見て、非常に感激した覚えがあります。エヴァという作品自体、魅力的なキャラクター、スタイリッシュな映像、音楽、ストーリーなどいろいろな楽しみ方ができる作品と感じています。そんな作品の魅力を本タワーのさまざまな施設で発見いただければ」と、期待を語った。

「東急歌舞伎町タワー」の開業は2023年4月14日、ホテルの開業は5月19日を予定。「EVANGELION KABUKICHO IMPACT」は4月28日からの順次開始を予定している。