お笑い芸人のピストジャム、お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が2日、都内にて行われた、エッセイ集『こんなにバイトして芸人つづけなあかんか』(1,430円 新潮社)刊行記念トークイベント「ピストジャム×又吉直樹『僕とシモキタ~バイト生活20年とこれから』」に登壇。ピストジャムが、『キングオブコント 2010』(TBS系)準優勝直後の又吉に遭遇した際のエピソードを明かした。

  • 左からピース・又吉直樹、ピストジャム

極貧生活を招いた時給90円の深夜バイト、笑いが止まらない超絶ラクな自治体仕事、金髪NGを突破する裏ワザ、二度と経験したくない飛び降りの後始末、宅配ピザチェーンをかけもちしたばかりにミスを連発した話など、同作では、ピストジャムが、やむにやまれず生業としてきた数多のアルバイト遍歴がつづられている。

「又吉さんとは街の中でもよくすれ違って、挨拶させてもらったりしてて。僕がすごい印象に残ってるのが……」と、ピースが準優勝を果たした『キングオブコント 2010』当日を振り返るピストジャム。「ピースさんの準優勝にすごく感動して、下北沢のヴィレッジヴァンガードの前でコーヒーを飲みながら、同期の芸人と『今日のピースさん、マジでヤバかったな』と語ってたんですよ。そしたら、打ち上げ終わりの又吉さんが帰ってこられて」と、大会の打ち上げから帰宅途中の又吉と遭遇し、自身の感動を伝えたそうだ。

すると、又吉は「おお、ありがとう。なんかジュースでも飲む?」と返答。ピストジャムが「いえ、コーヒー飲んでるんで」と遠慮すると、「そうかそうか。じゃあ、また」とそのまま帰っていったという。当時の又吉のリアクションを再現したピストジャムは「普通! 『えー!?』みたいな」とツッコミを入れつつ、「あんな大仕事をやってのけた日に『明日もあるから』っていうのを見て、『お笑いの仕事を続けていくのって、こういうことなんやろうな』と思いました。そこで終わりじゃなくて、そこからスタートなんで」としみじみと語った。

このエピソードを聞き、又吉は「いやいや。俺と綾部(祐二)が変なんやと思う」と訂正。「ある大会の決勝に進んだ時のコメント撮りでも、俺ら撮り直しになった。『もうちょっと喜んでください』って。そういう大きい場所に立たせてもらうってことは責任が生じるから、どっちかと言うと謹んで。綾部もそうやと思う。サッカーとかで言うと、あまりに喜んだら、相手への挑発行為になるから」と例え、笑いを誘っていた。