東京ドームシティGallery AaMo(ギャラリー アーモ)で2022年10月28日から30日まで開催されるリアルイベント「NARIKIRI WORLD(なりきりワールド)」のオープニングセレモニーに、28日よりAmazonプライム・ビデオで配信される連続ドラマ『仮面ライダーBLACK SUN』の白石和彌監督、そして主役の南光太郎を演じる西島秀俊がステージに登場し、「大人のための変身ベルト」=「CSM(COMPLETE SELECTION MODIFICATION)変身ベルト 世紀王サンドライバー」をはじめとする数々の「なりきり玩具」を見つつ、トークショーを行った。

  • 左から、主演の西島秀俊と白石和彌監督

「NARIKIRI WORLD(なりきりワールド)」とは、1971年に発売されて空前の大ヒットを飛ばした『仮面ライダー』関連商品「光る!回る!変身ベルト」(ポピー)から始まる、バンダイの「なりきり玩具」の歴史をふりかえると共に、最先端を行くハイクオリティな商品のデモンストレーションをも行う意欲的な展示イベントである。今年(2022年)で10周年を迎えた人気シリーズ「大人のための変身ベルト」=CSMの歴代商品がフロアにずらりと並べられ、進化を遂げた発光・点滅ギミックや本物志向のハードディテール、精密塗装を施された商品の数々をひとつひとつじっくりと楽しむことができる。

展示の目玉となるのは、10月28日から全10話を一挙配信するAmazonプライム・ビデオの連続ドラマ『仮面ライダーBLACK SUN』の変身ベルト「CSM変身ベルト 世紀王サンドライバー」。配信開始日と同じ28日より予約開始となるこの商品の「現物」を最速で目にすることができるのは、このイベントのみである

ステージに現れた南光太郎/仮面ライダーBLACK SUN役の西島秀俊は、配信開始の時が迫ってきたことについて「周りからの期待の声がすごい。元の『仮面ライダーBLACK』が傑作なので、リブート作である本作をどう見ていただけるのか、緊張しています」と、1987年放送の『仮面ライダーBLACK』を愛するファンからの反響が気になっていることを明かした。

白石和彌監督は仮面ライダー1号の変身ベルトをモチーフにしたキャップを被り、仮面ライダーBLACKの特徴的な胸のマークをワンポイントにあしらったTシャツ姿で登壇し「僕も、このプロジェクトを発表した瞬間から、今まで言われたことがないくらい『楽しみにしてます!』という声をいただきました。仮面ライダーというビッグタイトルの歴史の重さをまじまじと体感してきましたので、なんとかみなさんに楽しんでいただけるといいなと思います!」と、映画監督として着実にキャリアを積んできた中で、国民的特撮ヒーローのリブート作に挑戦する重みを感じながら、多くの人々に作品が受け入れられてほしいという願いを語った。

今や日本を代表する俳優として各方面で活躍している西島だが、今回自身の俳優キャリアの中で初めて「変身ヒーロー」を演じることになる。仮面ライダーBLACK SUNへの「変身」について尋ねられた西島は、「子どものころからの夢が、50歳で叶うんだな……あきらめないで頑張っていれば、夢は叶うと思いました」と、仮面ライダーへの変身を「夢が叶った」と表現し、喜びをあらわにした。変身シーンの撮影現場のことについては「これまで特撮ドラマを作ってきたスタッフたちの、ノウハウの蓄積が変身シーンに大きな力を与えている。仮面ライダーの歴史を感じながら変身しました」と、数々のスタッフが技術の粋を凝らし、西島を仮面ライダーへと「変身」させるテクニックに深い感銘を受けたと話した。

変身シーンの演出について白石監督は「オリジナルの『仮面ライダーBLACK』を何度も見直す中で、倉田てつを(仮面ライダーBLACK/南光太郎役)さんの変身がとにかくカッコいいと感じていました。新しい変身ポーズを生み出すのは無理だと思い、ポーズ自体は倉田さんの変身を踏襲しています。それをベースにして、新しい光太郎と信彦のそれぞれのキャラクターを活かした変身ポーズになればいいなと思いました」と語り、仮面ライダーBLACKの変身ポーズの完成度の高さを認めた上で、そこに自分なりの新しい「変身」の意志を込めようと努力したことを打ち明けた。

ステージに現れたのは「CSM変身ベルト 世紀王サンドライバー」。これこそ、西島の演じる南光太郎が仮面ライダーBLACK SUNに変身する際に使用する変身ベルトである。CSMシリーズ名物となる音と光のギミックがふんだんに盛り込まれているほか、変身ベルト玩具史上初の試みとして、変身ポーズに連動し、ベルトの各部が「自動変形」する。平成や令和の「仮面ライダー」変身ベルト玩具が、ベルト本体に小型アイテムをセットすることで変身動作を行うのに対し「CSM世紀王サンドライバー」は変身ポーズの動きをセンサーで感知し、フルオートで変形・発光を行うのが大きな特徴となっている。

改めて商品を間近で見た西島は「これはカッコいいですね! この“汚し”の感じがものすごくいい」と、職人の手作業によるベルト本体の汚し塗装の巧みさに感心しながらコメントした。白石監督も同じ部分に着目し「すでに戦い抜いてきたような存在感がある」とベルトのリアリズムに太鼓判を押した。

本商品の目玉である「自動変形システム」がどのようなものなのか、実際に西島が南光太郎の変身ポーズを取りながら実演した。南光太郎はまず、闘志をみなぎらせながら両腕を握りしめる動きをするのだが、手袋を引き絞る「ギリギリギリ……」という効果音から始まる音声がいきなり流れ、登壇者も取材記者たちも驚くしかなかった。そして、仮面ライダー1号/本郷猛の「腕の回し」と仮面ライダー2号/一文字隼人の「両腕を水平にした構え」を組み合わせて考案されたと思われる仮面ライダーBLACKのポーズを踏襲した、仮面ライダーBLACK SUNの変身を見事に決めてみせた。

変身ポーズをカッコよく決めるコツを訪ねられた西島は「僕は倉田さんの変身ポーズをものすごく練習しましたので、まずはあのキレのある変身ポーズを練習してから、臨んでほしいですね。できれば変身の前に『許さん!』というセリフを言っていただいてから、怒りと悲しみを込めてポーズを取ってくれれば、変身できるんじゃないでしょうか」と、形も重要だがまず気持ちを込めてほしいと、変身のコツを伝授してくれた。

続いて、お2人に「なりきり玩具」の思い出を語っていただくコーナーに突入。ちなみに今回のMCを務めたしいはしジャスタウェイの思い出のなりきり玩具は、1995年放送の『重甲ビーファイター』の重甲(変身)アイテム「ビーコマンダー」だという。ビーコマンダーも今回の「NARIKIRI WORLD」会場内にて、最新商品「ビーコマンダー COMPLETE EDITION」として復活を遂げた姿が展示されているので、ぜひご覧いただきたい。

西島は「仮面ライダー1号のベルト(光る!回る!変身ベルト)が欲しかったのですが、買ってもらえなかったんです。さっき会場内で本物の商品を見て、興奮しました。ものすごく売れたと聞いて、たくさんの子どもが持っていたんだなあと思うと余計くやしい」と、大ヒット商品である仮面ライダー変身ベルトへの憧れを語った。白石監督は「僕はウルトラセブンのウルトラアイが思い出深いです。なんなら、ウルトラマンのベーターカプセルがなければシャーペンを掲げて変身のマネをして遊んでいました(笑)」と、なりきり商品がなくとも子どもながらに工夫して変身アイテムを遊びに取り入れていたことを明かした。

ステージに「CSM仮面ライダー変身ベルト・タイフーン」や『シン・ウルトラマン』の「ウルトラレプリカ・ベーターカプセル」、そして『仮面ライダークウガ』の武器を商品化した「CSG(COMPLETE STYLE GIGANTIC)タイタンソード」が運ばれると、2人は興味深そうに商品に触れてみたり、手に持ってみたりしてそのリアルな質感やボリューム感に驚きを見せた。 

『シン・ウルトラマン』にも出演経験のある西島はベーターカプセルを見て「俺も変身したかったなあ」と残念そうにつぶやいた後、商品を手に取り「あっ、ボタンを押してしまった。変身してしまうかもしれない! (斎藤)工くんに怒られる(笑)」と『シン・ウルトラマン』で「ウルトラマンになる男」神永新二を演じた斎藤工に配慮しながら変身効果音を楽しんでいた。ちなみに会場内には「シン・ウルトラマンなりきり体験」と題された、実際にベーターカプセルを起動してウルトラマンが出現するまでを疑似体験できるブースが作られている。

白石監督はタイタンソードを見て「僕らが子どものころの剣の玩具は小さい印象だったけれど、これは大きくて、まさに大人向け。テンション上がりますね!」と、童心に戻って興奮気味に語った。西島もタイタンソードを握り、剣を振ると効果音が鳴る粋なギミックにいたく感心した様子だった。

ここで『仮面ライダーBLACK SUN』のもう一人の主人公・秋月信彦/仮面ライダーSHADOWMOONを演じる中村倫也のビデオメッセージが流された。中村は会場の西島と白石監督に力強いエールを贈ると共に、「素敵なお知らせがあります」と告知を行った。なんと、「CSM変身ベルト 世紀王サンドライバー」に続き、SHADOWMOONの「CSM変身ベルト 世紀王ムーンドライバー」の商品化が決定したというのである。いち早く商品を見た中村は「撮影しているとき僕が着けているベルトよりクオリティが高い、うらやましくなるくらいカッコいいベルトになっています!」とコメントし、ファンの期待を最大限にあおっていた。

「CSM変身ベルト 世紀王ムーンドライバー」も「CSM変身ベルト 世紀王サンドライバー」と共に、会場内で展示されている。

ファンへのメッセージを求められた西島は「オリジナルの『仮面ライダーBLACK』を尊敬し、愛しているスタッフ・キャストが集まって作りました。『BLACK』のファンの方も楽しめますし、今まで仮面ライダーに触れてこなかった方も、白石監督作品らしい『深い人間ドラマ』として楽しめます! 作品を見ればきっとBLACK SUNやSHADOWMOONに変身したい! と思っていただけると信じています。ぜひこちらに来てくださって、ほんとに、ほんとによく出来ている商品を見に来てください!」と、作品の出来栄えに自信のほどを見せつつ、変身ベルト商品をも愛してもらいたいと熱意を語った。

白石監督は「企画がスタートしてから配信が始まる今日まで、長い旅でしたけれど、ようやくみなさんに観てもらえるときがやってきました。全10話なので、何度も変身シーンがない分、一回一回の変身で少しずつバリエーションをちょっとずつつけながら、魂を込めて作りましたし、西島さんも倫也くんも演じてくださいました。ストーリーは怪人たちの群像劇ですので、お気に入りの怪人を見つけてくださり、その怪人の行く末を見守りながら、物語を何度も何度も繰り返し観ていただけると、こんなに嬉しいことはありません!」と、『仮面ライダーBLACK SUN』を多くの方々に観てほしいと強くアピールした。

「NARIKIRI WORLD(なりきりワールド)」は10月28~30日の3日間、東京ドームシティGallery AaMo(ギャラリー アーモ)にて開催。会場内には先行発売商品やスペシャル商品をそろえた物販コーナーも充実している。『仮面ライダーBLACK SUN』はAmazonプライム・ビデオで10月28日から全10話を配信中。

(C)石森プロ・東映 (C)「仮面ライダーBLACK SUN」PROJECT