南海電気鉄道は28日、鉄道線旅客運賃の変更認可申請を行ったと発表した。あわせて今後の取組みについても説明。利用者サービス向上策の一環で、2000系をワンマン改造し、支線で運用しているワンマン車両を2200系から置き換えることを明らかにした。

  • 「ズームカー」の愛称を持つ南海電鉄2000系。現在は高野線に加え、南海線で運用される編成もある

同社の2000系は、1990(平成2)年から順次導入した軽量ステンレス製、片側2ドアの車両。高野線の急勾配曲線区間を走行するため、すべての車両にモーターを取り付けた。平坦区間を最高速度100km/hで走行し、かつ50パーミルの急勾配でも十分なトルクを発生させることから、カメラのズームレンズに例えた「ズームカー」の愛称で呼ばれているという。現在は高野線だけでなく、南海線でも運用されている。

一方、2200系はかつて高野線の山岳区間を走った22000系を改造した車両。ワンマン運転などに対応した機器を設置する改造工事を行い、高野線の支線である汐見橋~岸里玉出間、高師浜線羽衣~高師浜間(現在は運休中)、多奈川線みさき公園~多奈川間などに導入されたほか、2009年には2200系を改造した高野線(橋本~極楽橋間)の観光列車「天空」も登場した。

南海電鉄によれば、同社の支線で現在使用されている2200系は、1960年代後半から1970年代前半にかけて製造された車両だという。老朽化が進んでいることもあり、2000系をワンマン改造した上で、2200系から置換えを進めるとしている。