「越乃寒梅」を展開する明治40年創業の酒蔵「石本酒造」は、令和の時代にふさわしい日本酒として、「純米吟醸"浹(amane)"」を11月7日より発売する。これに先駆け、10月20日に発表会が実施され、俳優の小泉孝太郎さんとソムリエの田崎真也さんが登壇。小泉さんは田崎さんが考案した料理と「浹」のマリアージュを堪能した。

  • 「純米吟醸"浹(amane)"」発表会に登壇した(左から)ソムリエの田崎真也さん、、石本酒造・石本龍則社長、俳優の小泉孝太郎さん

日本酒に苦手意識を持つ女性へ向けた新たな純米吟醸酒

越乃寒梅のラインナップに今回新たに加わる「浹」は、しっとりとやわらかで素直な飲み口と、上品で穏やかな香りを特徴とする純米吟醸酒だ。

「浹(あまね)」は「広く行き渡る」「めぐる・一周する」「うるおす」を意味する言葉で、その商品名には「誰もが等しく日本酒を通じて、豊かな時代を過ごしてほしい」といった想いが込められているという。

「令和の元号には『人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ』という意味が込められております。酒造りを通して、人と人が心を寄せ合いながら豊かな時間を過ごしていただき、明るい未来を描く、その一助になりたいと強く思います。いち酒蔵の小さな取り組みですが、今回の新商品で地元・新潟や業界に貢献し、根底にあるそんな蔵元としての思いを皆様に感じていただけましたら幸いです」(石本酒造・石本龍則社長)

  • 石本酒造・石本龍則社長「酒造りを通して、人と人が心を寄せ合いながら豊かな時間を過ごしていただき、明るい未来を描く、その一助になりたい」

石本酒造の常務取締役・竹内佑介氏は直近の業績について、「コロナ禍の影響は当社にも厳しいものでしたが、家飲み需要や輸出の機会をうまく掴み、なんとか前年対比99%を毎年維持してきました。2016年前に発表した「灑(さい)」は4年前、約3億円の規模でしたが、直近では約4億円に。年平均110%ペースで成長できており、今回の新商品と「灑」に関してもより多くのお客様に取っていただけるよう取り組んで参ります」と紹介。越乃寒梅「浹」の販売方針を説明した。

「日本酒がもたらす豊かな時間を1人でも多くの方にお届けし、日本酒ファンの拡大への貢献と、豊かな恵みで私たちを育んでくれた地元・新潟に恩返しすることを使命に掲げ、弊社は事業を進めています。そんな中でも『浹』は、『日本酒を愛してくださるファンの拡大に貢献をする』という目的の達成を主眼に準備させていただきました」

  • 「純米吟醸"浹(amane)"」(720ml1,760円、1800ml3,520円)

「浹」の原料米は五百万石他、全量酒造好適米。希望小売価格は720mlが1,760円、1800mlが3,520円となり、30代〜50代男性を中心とする既存の日本酒ファンから認知を広げ、日本酒に苦手意識を持つ働く女性へ訴求したいとした。

「『日本酒っておいしい』『他の日本酒も飲んでみよう』と言っていただける機会を提供することで、日本酒ファンの拡大に取り組みたいと思っています。1年目の目標としては2.5億円程度のボリュームでお客様に認めていただければ幸いです」

小泉親子の晩酌の原風景にも越乃寒梅が?

越乃寒梅の世界に新たな広がりをもたらすお酒として、日本酒をこよなく愛する人から、あまり馴染みのない人まで、幅広い層の人々の心をホッと和ませる一杯に仕上げたという「浹」。

石本酒造のプレゼン後に登場した小泉孝太郎さんは、自らの日本酒愛を次のように語っていた。

「日本酒はほぼ毎日と言っていいほど日頃から飲んでいるので、今日は楽しみにしてきました。正直、僕は日本酒に限らずお酒が大好きですが、もしこの先の人生で1種類しか飲めないとなったら僕は間違いなく日本酒を選びます。冷やしても常温でも、ぬる燗、熱燗、全ての温度でこんな美味しい飲み物って日本酒しかないと思っているので」

  • 日本酒愛に溢れる小泉孝太郎さん

仕事終わりに行きつけの店や家で嗜むことが多いらしく、地酒ブームの先駆け的存在である銘柄「越乃寒梅」にまつわるエピソードも明かした。

「父(小泉純一郎)ももう80歳になりましたが、おかげさまで元気なので、今もお酒を一緒に飲める時間があって。幼少期の頃、父が一升瓶からコップに注いでよく飲んでいて、もちろん僕はまだ飲めない年齢でしたが、越乃寒梅のラベルを鮮明に覚えています。なんておいしそうに飲むんだと、子どもながらに思った記憶がありますね(笑)。つい先日も一緒に飲んだんですが、いま父とお酒を介していろんな話ができるのは、とても幸せなことだなと思います」

  • 新商品「純米吟醸"浹(amane)"」のアンベール

ソムリエの田崎真也さんと石本社長とともに新商品「浹」のアンベールを行い、小泉さんは、2016年に発売された「灑」と「浹」を飲み比べることに。

まずは「灑」を口にし、「とてもおいしいです。僕も20数年楽しませてもらっている越乃寒梅さんの余韻ですね。とてもすっきりとした香りと味わいで、爽やか。でも、最後の口の中に広がるしっかりとした余韻が越乃寒梅さんらしいです」とコメント。

続いて「浹」については、「『灑』よりも『浹』のほうがやわらかでやさしい甘みがあります。余韻のお米の旨味や甘みがよりふくよかな印象です」と、感想を述べた。

  • 「浹は余韻のお米の旨味や甘みがよりふくよか」

田崎さんは「小泉さんが非常に的確なコメントをされていたんで、少しプロっぽくコメントしてみようかなと思います(笑)」と述べ、「最近、我々の間ではこうした透明に輝くような色調は"クリスタル"と表現したりします。香りの第一印象は越乃寒梅の全般に言えますが、穏やかさの中に上品さを感じますね」と、その見た目や香りをレポート。

  • 「穏やかさの中に上品さを感じる」

「越乃寒梅のお酒は飲みやすいと言っても、豊富な味わいのバランスが非常に良いために飲みやすく感じるタイプが多いんですが、小泉さんが言われたように『灑』などに比べると、さらにやわらかくやさしい印象です。アフターフレーバーにも少しクリームのようなまろやかさとなめらかさが感じられます。単に軽いのではなく、全体的にふんわりとしたクリーミーな印象が持続し、越乃寒梅の最大の特徴であるお米の風味が余韻に残りますね」と、ボキャブラリー豊かに味わいをレビューした。

「日本酒がグッと身近に感じるお酒」

「石本社長と田崎さんに挟まれてのコメント、手が震えるんじゃないかってくらい緊張しました(笑)。違いがわかんなかったらどうしようと。今日、お水しか飲んでこなくて良かったです(笑)」とも吐露した小泉さん。

「浹」は和洋中を問わず、さまざまな料理と一緒に楽しめるお酒とのことで、小泉さんは田崎さんが厳選した料理とのマリアージュを堪能した。

  • 料理は手前からウニを乗せた卵豆腐、モッツァレラチーズとフルーツトマトのカプレーゼ、マヨネーズで味つけしたカニのほぐし身にキャビアを添えた生春巻き

極上のペアリングをすっかり楽しみ、「不思議ですねぇ。生春巻きの後の「浹」が、ものすごく爽やかさを感じられて驚きました。最初の卵豆腐、カプレーゼそれぞれ別の表情で。和洋中それぞれの世界に全く違和感がないです」とトーク。

  • 「グッと身近に感じられるお酒」

最後は「フランスのソムリエたちもワインだと難しいとされてきた料理と日本酒の相性がいいということで、ワインの間に日本酒を挟み、ペアリングのコースを組むようなフランス料理店も少しずつ現れています。今回の3品もワインだと合わせるのが難しい料理なんですが、『浹』を通して、アジアの料理や洋風の料理と日本酒の相性の良さも理解していただければ」(田崎さん)、「今までにない新たな日本酒の楽しみ方があるんだなと感じました。『浹』はこれまで日本酒を飲む頻度が少なかった方も、グッと身近に感じられるお酒だと思います」(小泉さん)と、それぞれにメッセージを送っていた。