JR西日本は12日、地域共生企業として鉄道の強みを生かしたにぎわい創出をさらに推進するため、新たな観光列車を導入すると発表した。キハ189系を改造し、2024年秋の「北陸デスティネーションキャンペーン」に合わせて運行開始する。

  • キハ189系を改造した新たな観光列車のエクステリアデザイン

新たに導入する観光列車のコンセプトは「地域の華(はな)を列車に集めて、お客様と地域の縁を結ぶ列車」。季節ごとに線区を変えて運行することで、「お客様と各地域を結び、地域のとっておきを発信する」列車になるという。車両は特急形気動車キハ189系(3両編成)の改造とし、イチバンセン代表取締役の川西康之氏がデザインを手がける。

エクステリアは、紋付き染めで最高級とされる「檳榔子染め(びんろうじぞめ)」の色を車体カラーのベースとし、どこを走っても沿線や駅舎に映えるデザインに。インテリアはハイグレードな仕様でゆったり過ごせる空間とし、乗客同士の歓談や地域の人々によるイベントを楽しめるフリースペースも設置する。定員は54席とされ、グリーン車以上の価格帯を予定している。

  • 新たな観光列車の座席イメージ

  • ハイグレードな仕様でゆったり過ごせる空間に

  • フリースペースでは地域の人々によるイベントも行われる予定

新たな観光列車は2024年秋の「北陸デスティネーションキャンペーン」に合わせて運行開始。第1弾として、敦賀駅から若狭・京都府北部を通り、小浜線や京都丹後鉄道の路線など経由して城崎温泉駅まで結ぶ旅を提供する。第2弾以降も、季節ごとに西日本各地の「とっておき」に出会う旅を提供予定。「この観光列車の特別な旅をきっかけに、お客様がリピーターとなって、その地域を訪問していただくことで、各地でにぎわい創出の好循環を作ってまいります」としている。列車名や運行の詳細などは決まり次第、改めて発表される。