住宅ローン比較サイト『モゲチェック』を運営する株式会社MFSが、10月の金利情報についてお伝えします。解説は、堀江勇介チーフアナリストです。

■10月の住宅ローン金利の動き

2022年10月の住宅ローン金利の情報をお知らせします。

金利競争の主戦場となっている変動金利は、依然として低金利が続いています。PayPay銀行が借り換え用の金利を引き下げるなど、変動金利の低さを改めてアピールする動きも一部で見られます。

固定金利は、銀行・期間により上昇・下落が入り混じっていますが、全期間固定金利の代表ともいえるフラット35は低下しました。ベースになる「MBS利率」が大幅上昇したにも関わらず低下するという、異例の値動きとなりました。

変動金利と固定金利(フラット35)の金利差はわずかに縮小しましたが、依然として過去最大クラスの差であることに変わりはありません。変動・固定のどちらを選ぶかで毎月の返済額・総返済額に大きな差が生じるので、引き続き変動金利のご利用が優位な状況です。モゲチェックでは引き続き、安定的な低金利が続くと考えられる変動金利をおすすめします。

変動金利は「短プラ(短期プライムレート)」と呼ばれる金利指標に左右されますが、こちらは2009年頃から全く変動のない状況で、現在の安定した低金利の最大の要因となっています。

一方、固定金利は長期金利(10年国債利回り)の影響を大きく受けます。

金融の中心地・米国でインフレ沈静退治のため「政策金利の利上げ」が急スピードで行われている影響により、日本の長期金利(10年国債利回り)も2022年に入ってから急上昇し、日銀がコントロールする上限の0.25%付近で推移してきました。

モゲチェックとしては、現時点ではアメリカのインフレが収まっておらずまだ利上げが続く可能性が高いことから、日本の長期金利は高止まりし、結果として固定金利は高水準が続く可能性が高いと予想しています。

■住宅ローンインデックスの動きと変動・固定の金利差

下記のチャートは、主要なネット銀行、メガバンク、地方銀行の変動金利、メガバンクの10年固定金利、フラット35の金利をそれぞれ平均した、住宅ローン金利インデックスの動きを示したものです(住宅ローン金利インデックスは、複数の銀行の金利を平均化した指標です)。

変動金利が低下傾向であるのに対し、固定金利は高い水準が継続しています。

変動金利と固定金利の金利差は、引き続き過去最大クラスとなっています。

以下の図は、変動金利とフラット35の差を表したもので、金利差は過去最大クラスの1.04%となっています。これは毎月返済額で約1.7万円、総返済額で約700万円もの差が生じるほどの大きな金利差です(借入総額3,500万円、35年返済の場合)。

これほど多額の返済をプラスしてヘッジするほどの大きな金利上昇リスクはないとの見方から、モゲチェックでは固定金利よりも変動金利を利用する方が有利な状況と考えています。

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