アダストリアは、米国発のファッションカジュアルブランド「FOREVER21」の日本再上陸に当たり、2022年5月に設立した新子会社・Gate Win(ゲートウィン)が、マスターライセンスを保有する伊藤忠商事とサブライセンス契約を締結したことを発表した。

2023年春よりアダストリアグループ公式Webストア「.st(ドットエスティ)」での販売を再開、関東・関西の郊外ショッピングセンターを中心に出店を予定する。9月21日には「アダストリア FOREVER21再上陸発表会」が行われた。

  • 「アダストリア FOREVER21再上陸発表会」左からABG ケビン・サルター氏、アダストリア 代表取締役社長 木村 治氏、アダストリア クリエティブディレクター 野田 源太郎氏

アメリカ・ロサンゼルス発のファッションカジュアルブランド「FOREVER21」は、2009年に日本国内の単独1号店を出店、2010年代の外資系ファッションブームをリードしたものの、2019年をもって日本からは完全撤退している。2020年にはブランド管理会社であるオーセンティック・ブランズ・グループ(VBG)が取得してリブランディングを実施。現在は世界で570店舗を展開するブランドとして復活し、今回の再進出に至ったという。

グローバルワークなど30以上のブランドを手掛けるアダストリアの木村治代表取締役社長は、同社が「FOREVER21」を展開することについて、「FOREVER21の誰もが知る知名度と、アダストリアの店舗展開やオペレーション、商品開発力、そして1400万人の会員をもつ自社EC『.st』をかけ合わせることで、トレンドとハイクオリティが共存するブランドとしてファッションの楽しさを多くの人に届けられると確信しています」と語る。

発表会にはABG Vice President, Business Development, Asia-Pacific ケビン・サルター氏も登壇。「ABGがFOREVER21を取得した時点で、すでに日本は視野に入っていました。日本で高品質かつトレンド感覚の高いプロダクトを打ち出していくことにより、FOREVER21のイメージを活性化させていきたい」と期待を寄せた。

同ブランドのコミュニケーションテーマは「Wear No Filter」。アダストリア クリエティブディレクター 野田 源太郎氏は、「"インスタ映え"そしてカウンターである"インスタ萎え"を経て、これからは加工をせず現実をありのまま・そのままに伝える表現方法に向かっていくと考えています。このテーマは『多様性・公平性・透明性・等身大』様々な現代的な価値観へのリスペクトと共鳴を表現する言葉です」と同テーマについて紹介した。「BASIC、FEMININE、POP、MODE、STREET、VINTAGE」の6つのキーワードで展開していく。

2023年SSの展開は、サイズやデザイン、カラーなどをローカライズした日本オリジナルの商品が8割、本国からの仕入れは2割を想定している。アダストリアの自社サプライチェーンを活用することで、適量の生産管理を行い、適切なタイミングに、適切な価格で提供していくという。環境に配慮した素材の活用や、3DCG技術を活用してサンプル数を抑制するなどサステナブルなモノづくりにも取り組むことで、かつて「FOREVER21」が持っていた「大量生産・大量販売・大量廃棄」のイメージから脱却を図っていくという。

主要ターゲットはファッションが好きで流行に敏感な10代後半~30代前半の女性。想定の平均単価は4,000円、客単価は5,800円を想定している。今後は、12月初旬に展示会を実施、2023年2月21日に自社ECをオープン、2023年春には関東・関西の大型ショッピングセンターへ出店予定、1号店はららぽーとを予定している。