10月3日にスタートする連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか)で、ヒロインを務める福原遥。子役出身で、愛くるしい笑顔が魅力の福原は、朝ドラに対して並々ならぬ情熱を持っていたようだ。福原を直撃し、重責のヒロインを務める心境や、東大阪や五島列島での撮影裏話などについて話を聞いた。

  • 『舞いあがれ!』でヒロイン・岩倉舞を演じる福原遥

1990年代から現在までを描く本作は、福原演じるヒロイン・岩倉舞が大空に舞いあがる夢に向かっていく挫折と再生のドラマ。ものづくりの町・東大阪で町工場を営む父の浩太(高橋克典)、母・めぐみ(永作博美)、兄・悠人(横山裕)と4人暮らしをしていた舞はある日、自然豊かな長崎の五島列島にいる祖母・祥子の元を訪れる。そこで広い空に舞いあがる「ばらもん凧(だこ)」に魅入られ、大空への憧れを抱いていく。

2,545人の中からオーディションでヒロインの座を勝ち取った福原。決定したときの心境を「びっくりしました。実感が湧かないけど、なんだか涙が出るような不思議な気持ちでした。ずっと夢に見ていた朝ドラのヒロインだったので、とにかくうれしかったです。発表された時は携帯が鳴り止まず、ほかのお仕事でご一緒していた方や、『クッキンアイドル アイ! マイ! まいん!』(福原の出世作である子供向け料理番組)のスタッフの皆さんも、自分のことのように喜んでくれました」と笑顔で話す。

もともと福原が朝ドラのヒロインを目指したのは、2011年に放送された井上真央主演の『おひさま』(11)を観て感銘を受けたからだという。

「私が『おひさま』を観たのは、中学生くらいの時で、学校や仕事のことで少し悩んでいた頃でしたが、『おひさま』のヒロインがどんな困難に遭っても、いつも太陽のような笑顔で前向きに進んでいく姿を見て、すごく勇気をもらいました。自分の捉え方1つでこんなにも人生を変えられるのかと思えたことがとても大きくて、私も何があっても前向きでいたいと思いました。だから自分もいつか朝ドラに出て、同じようにドラマを観ている方に少しでも元気を届けられたり、背中を押したりできる存在になりたいと思いました」

子役の浅田芭路が舞を演じる第1週の試写を観たばかりだった福原は「本当に感動しました。早く作品を観たいと思いながら撮影をしていたので、素直にすごくうれしい気持ちになりました。また、優しく包み込んでくれるような温かい作品になっていたので、見ていてほっとできたし、そっと背中を押してくれるような作品になっているのではないかと。私自身も、今後の展開が楽しみになりました」と声を弾ませた。

舞としての役作りについては「小さい頃の舞ちゃんはいつも人の気持ちを考えすぎて、なかなか自分の意見が言えなかったり、すぐに熱を出したりと、強くなれない女の子。そこからの成長過程を細かく表現したいと思い、小さい頃の舞ちゃんのパートを読み込んだり、現場に行ったりしました」と明かす。

そんな舞と自身はとても共通点が多いという。「私もそんなに意見を言えるほうではないし、自分に自信がなかったりするので、舞ちゃんと一緒に自分が成長している感覚があり、そこが楽しいです。だから舞ちゃんを演じていてとても頼もしくなり、自分自身も勇気をもらえるという不思議な感覚です」

父親役の高橋克典、母親役の永作博美、兄役の横山裕、祖母役の高畑淳子をはじめ、豪華な共演陣と共に撮影しているが、福原は「本当に贅沢というか、こんな環境でお芝居をさせていただけて、日々幸せだなと思っています。本当に第二の家族のような感覚で、現場ではいろいろ相談させてもらいますし、緊張感もありつつ、とても温かい環境で撮影させてもらっています」と感謝する。