モデル・タレントの佐藤栞里が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に初めて挑んだ。担当したのは、11日に放送される『話を聞いてくれる人 ~空っぽの僕が生きる意味~』。夜の名古屋駅前で、ただ人の話を聞く「聞き屋」の男性・水野怜恩さんを追った作品だ。

念願だったという『ザ・ノンフィクション』のナレーションなだけに、事前に入念な準備を重ねてきたという佐藤。その姿勢はすべての仕事において一貫しており、「主役は私ではない」「番組を一生懸命作ってくれた熱量を伝えたい」という思いで臨んでいる――。

  • 『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した佐藤栞里

    『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した佐藤栞里

■「家族みんなの夢がかないました!」

小さい頃から『ザ・ノンフィクション』の大ファンだったという佐藤。「日曜日は家族それぞれの時間を過ごして、2時になったら“テレビの前集合!”みたいな日々だったので、芸能のお仕事を始めて、声のお仕事も何度かさせてもらえるようになったときに、両親が『栞里も『ザ・ノンフィクション』のナレーションできたらいいね』と言ってくれていたんです。私は『でもね、すごい人たちばかりだから、なかなか難しいかもね』と言いつつ、胸の中では『いつかできたらいいな』と思っていたので、家族みんなの夢がかないました! ありがとうございます」と感激を語る。

今回のオファーが来た際、家族のグループLINEに報告すると、「『やったねー!!』って、すごく盛り上がりました(笑)」というが、それだけに、特にプレッシャーのかかった仕事だったそう。収録開始前には、「心臓がバクバクです」と吐露するほど緊張感を見せていた。

■事前に映像を見ながら録音した自分の声を確認

このナレーション収録を迎えるにあたって、自宅や別番組の楽屋でも原稿を読み込んで練習。事前に渡された映像を見て、「水野さんとはもちろんお会いしたことはないですが、すごい勝手なんですけど、この時間だけは水野さんの一番の味方でありたいな、寄り添えたらいいなという気持ちになりました。だから、他人(ひと)事じゃないというか、私の身近な人っていう気持ちで練習していました」と明かす。

さらに、映像を見ながら録音した自分の声を聴いて、「ちょっと水野さんの気持ちと私の気持ちに差があるような気がするな…」など、自分なりに細かいトーンを確認していたという。

ナレーション台本には意識する点をメモ。「水野さんのユーモアあふれる部分が出て、かわいらしいなあと、気持ち的に明るく“ルン!”っていう感じで話したほうがいいと思ったところに、“音符(♫)”マークを入れました。『ここは強く』とか『ここは弱く』という書き方より、感情の乗せ方を記号で書き入れていることが多いですね」と、“栞里流”の手法で抑揚を作っていく。

  • ♫マークを書き込んだナレーション台本=本人提供

そして、本番当日は収録開始1時間前にスタジオ入りし、何度も下読みを繰り返すなど直前まで入念に準備を重ね、収録中も少し間が空けば読みの確認。最初のCMパートまでを読み終え、「だんだん心拍数がゆっくりになってきました(笑)」と、徐々に慣れながら進めていった。