――数話ごとに監督が替わるというのもシリーズならではですよね。

50話もありますから、言われてみたら確かにそうなんですけれど、二話ずつで替わるので本当にびっくりしました。監督によって、ツムリちゃんのテンションや、ほかのライダーたちの演技のつけ方が本当に違うので、そこはちゃんと自分の意思をもって監督の演出と向き合っていく必要があります。それが二話ごとなので、すごく大変な作業ですけど、そのぶんそれぞれの監督の色が出たエピソードになって、いい作品になるんじゃないかなと思います。

――ツムリはデザイアグランプリ以外で日常シーンにも登場するようですが、日常でもこの衣裳なんでしょうか。

そうなんですよ。これで普通に溶け込んでしまっています。日常のシーンではコスチュームチェンジがあるのかと思っていたんですけれど、食事をするにも何をするにもこの衣裳のままなんです。

――青島さんご自身は仮面ライダーシリーズの思い出はありますか?

思い出はあまりなくて、どちらかというとプリキュア派だったんです。当時はプリキュアの流れで見る感じでした。でも、仮面ライダーの中でも『電王』というワードは周りの子たちからすごくよく聞いていたのもあり、作品自体が異色だったことも手伝って、強く記憶に残っています。

――『仮面ライダーギーツ』が発表された際、「まったく新しい仮面ライダー」であることが強調されていたのが印象的でした。青島さんから見て、どんなところが「まったく新しい仮面ライダー」であると思われましたか?

「生き残り」の要素は過去の作品にもあったと思うんですけれども、そこに「恐怖感」が加わっていること。それに、近年流行している「生き残りゲーム」のゲーム性が取り入れられているところなのかなと思っています。出演者もいなくなるかどうかのハラハラ感がありますが、私自身はナビゲーターという立ち位置なので、ちょっと安心しました(笑)。

――撮影ではデザイアグランプリのサロンコンシェルジュ・ギロリ役の忍成修吾さんとの共演がやはり多いのでしょうか。

実は忍成さんとはまだ一度も撮影でご一緒していないんです。英寿とが一番多いですね。

――キャストのみなさんとは普段どのように接してらっしゃいますか?

レギュラーの5人でいるときは本当に楽しくて、一緒にワーっと盛り上がることもありますし、疲れているときはみんなロケバスの中で眠ってしまうこともあります。仕事ですけど、青春している感じです。

メンバーで女の子は二人だけというのもあり、祢音役の星乃夢奈ちゃんは一番話しやすいですし、一番年下なのに何かあったらすぐ助けてくれるんです。一度、長ゼリフが朝から夜まであった日があって、精神的にも追いつめられてきた時に、優しくぎゅって抱きしめてくれて、不安を取り除いてくれたんです。

仮面ライダーバッファに変身する吾妻道長役のもっちゃん(杢代和人)は演技の先生が一緒なんです。メソッドが同じなので、演技で考えることが共通していることもあり、演じることについての相談を一番しています。

仮面ライダータイクーンに変身する桜井景和役の佐藤瑠雅くんは気さくで、一番初めに話しかけてきてくれました。年齢が近いということもあり、最初に仲良くなれたメンバーです。二人だけが唯一20歳を超えているということもあり、わりと難しい話もできる間柄かなと思っています。

仮面ライダーギーツに変身する浮世英寿役の簡秀吉くんは、撮影現場でも英寿という感じ。しんどいシーンが終わった時は、英寿が片手ハイタッチの格好で待ってくれて、それで頑張ったなと思って終えることができるんです。

――最後に、青島さんから見た『仮面ライダーギーツ』の見どころを教えてください。

作品にはたくさんのライダーたちが登場しますが、彼らは同じゴールを目指しているものの、それぞれが抱える理由はさまざま。そこが本当におもしろいところだと思っています。私から提案したい楽しみ方としては、ぜひ「推し」のライダーを見つけて応援していただきたいですね。多人数ライダーだけあってみんな顔が全然違いますし、みんな本当にかっこいいので、自分の好みの「推し」が見つかるんじゃないでしょうか。

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