• 人間性を表す犬に関することわざ

    犬に関することわざはとても多いものです

今回は犬に関することわざを、人間性を映す言葉・人間関係を表す言葉・教訓になる言葉に分けてご紹介します。

犬と人間の歴史は非常に長く、昔から身近な存在でした。それだけに犬に関することわざは数多く存在しているので、要チェックです。

犬に関することわざ【人間性を映す言葉】

  • 人間性を表す犬に関することわざ

    人間性を表すことわざにもさまざまなものがあります

犬は人間にとって特に身近な動物です。古くから人間と一緒に暮らしてきた歴史もあり、さまざまなたとえやことわざなどにも登場しています。そんな犬に関することわざのでも多いのが人間性を表す、あるいはたとえたものです。

身近な動物だけに犬の習性や特徴などは広く知られており、人間の性格や行動のたとえとして使われています。ここでは犬に関することわざのなかでも人間性に関するものをピックアップしてご紹介します。

吠ゆる犬は打たるる

じゃれついてきたり懐いたりしてくる犬はかわいがられますが、一方で吠えてくる犬は嫌われ、叩かれることになります。ここから転じて、人間も攻撃的な人は嫌われる、場合によっては逆に攻撃を受ける場合があるたとえとして使われます。

態度によって相手の気持ちや行動が変化するものであることを表すことわざとして、日常会話はもちろんのこと、教訓として挨拶やスピーチなどでも使いやすいことわざの一つです。

噛み合う犬は呼び難し

ケンカして嚙み合っている犬に声をかけても反応せず、こちらに来ないという意味のことわざです。転じて、何かに夢中になっていると周囲の言葉などにも耳を貸さなくなることのたとえとして使われます。

何かに夢中になっていると人間もケンカしている犬と同じような状態になるという意味にも捉えられることわざで、自分の行動を振り返る意味合いで使われることわざでもあります。

米食った犬が叩かれずに糠(ぬか)食った犬が叩かれる

米と糠を食べた犬がおり、糠を食べた犬のみが叩かれる、罰を受けるという意味のことわざです。大きな悪事を働いたものではなく、小さな悪事を行ったものが罰せられることのたとえとして使われます。また、犯罪などにおいて主犯ではなく共犯者が罰せられるといった意味合いで使われることもあります。

このことわざはさまざまな捉え方ができる深みのあることわざです。罰する者の視点で考えると、小事に囚われて本当に重要なものを見逃してしまうことのたとえとしても受け取れます。一方、罰される者の視点で考えると、罪の大小を問わず罰を受けることがある、あるいは理不尽な罰を受けることのたとえとも考えられます。

捨て犬に握り飯

捨て犬や野良犬に握り飯(食事)を与えるという意味のことわざです。捨て犬や野良犬に餌を与えても、恩など忘れて急いで食べてすぐに逃げてしまいます。つまり、ムダなことのたとえとして使われます。

頼むと頼まれては犬も木へ登る

心から信頼されていれば、頼まれると犬も木に登るという意味のことわざです。通常、犬は木に登ることはありません。これを無理なことのたとえとして、心から信頼している人から頼まれると無理なことや通常できないことでもやろうという気になるという意味で使われます。

飼い犬に手を噛まれる

自分が飼っている犬に手を噛まれるという意味のことわざです。犬に関することわざのなかでも有名なものの一つで、目をかけていた部下や、世話をした人などに裏切られて攻撃されることのたとえで使われます。

特別に捻った意味を持つことわざではなく、絵的にもイメージしやすいので日常会話などでも使いやすいことわざの一つです。

旅の犬が尾をすぼめる

家や縄張りの外に出ると尻尾をすぼめて犬が大人しくなるという意味のことわざです。家の中では威張っている、あるいは態度が大きい人が外に出ると大人しくなることのたとえに使われます。

基本的にポジティブな意味ではなく、人を揶揄する、冷やかすといった意味合いで使われることが多いため会話などで使う際には注意が必要です。

殿の犬には喰われ損

殿などえらい人が飼う犬から噛まれても文句をいえないので、損をするだけであるという意味のことわざです。大きな力や権力を持っている人や、勢いのある人が行った悪事であったり、道理を外れたりしたことであっても、被害者は泣き寝入りするしかないことのたとえとして使われます。

犬の糞で敵を討つ

犬の糞を使って敵に対して攻撃をするという意味のことわざです。卑劣な手段を使ってでも相手に対して仕返しをするという意味合いで使われ、仕返しのためには手段を選ばないといったニュアンスで使われることもあります。一方的な攻撃ではなく、相手に対しての仕返しの場合にのみ用いる表現なので注意してください。

暗がりの犬の糞

暗いところにある犬の糞という意味のことわざです。暗い場所では犬の糞などは見えないため人に気付かれないことから、見えない失敗などは無視して知らないふりをしてしまうことのたとえとして使われます。

犬に関することわざ【人間関係を表す言葉】

  • 人間関係を表す犬に関することわざ

    人間関係も犬でたとえられることが多いです

犬は人間の近くで暮らしてきた生き物だけあって、人間性のみでなく人間関係を表すことわざにも登場します。ここからは人間関係を表す犬に関することわざをピックアップしてご紹介。人間関係に関することわざはビジネスシーンなどでも使いやすいので、意味と一緒にしっかりと頭にいれておくことで表現の幅を広げられるでしょう。

犬猿の仲

犬と猿は仲が悪いとされることから、お互いに嫌い合っていたり、仲が悪かったりする関係を表す言葉です。

人間関係に関することわざのなかでも広く知られており、日常会話などでも使いやすいものの一つです。「○○さんと彼女は犬猿の仲だから~」といった形で使われるケースが一般的です。

夫婦喧嘩は犬も食わぬ

犬はあらゆるものに興味を持つ生き物であるにも関わらず、夫婦喧嘩には興味を持たないという意味のことわざです。じきに仲直りするため夫婦喧嘩に他人が口出ししたり、仲裁したりするのはムダなことである、愚かなことであるという教訓として使われます。

夫婦の関係はとても深く、その喧嘩はとても複雑なものであるため他人には理解できないといった意味合いで使われることもあります。

犬兎の争い

このことわざは、犬が兎を追いかけて走り回っているうちに疲れ果ててしまい、どちらも倒れてしまったところに人がやってきて自分のものにしたという寓話から生まれたものです。二者が争いに夢中になっているうちに、第三者から利益を奪われてしまうことのたとえとして使われます。

言葉の意味そのままでは通じにくいことわざの一つなので、もとになった寓話をセットで頭に入れておくのがおすすめです。

孫飼わんより犬の子飼え

孫をかわいがるより、犬を飼ってかわいがった方がいいという意味のことわざです。孫はかわいがっても恩を返してくれることは少なく、それよりも情の深い犬を飼ってかわいがった方がマシであるといった意味で使われます。

皮肉的な意味合いで使われることわざなので、普段の会話などで使用する際には注意が必要です。

犬も朋輩鷹も朋輩

同じ主人に仕える狩猟用の犬と鷹は同僚である、仲間であるという意味のことわざです。上下関係や立場、役割などは異なっていても同じ組織などに所属している以上は同僚であり、仲間であるという意味で使われます。

犬に関することわざ【教訓になる言葉】

  • 教訓になる犬に関することわざ

    教訓になることわざはとても多いものです

ことわざといえば教訓になるものをイメージする方もいるのではないでしょうか。犬に関することわざのなかにも、教訓になるものがいくつもあります。ここでは、教訓になる犬に関することわざをピックアップしてくわしくご紹介します。

尾を振る犬は叩かれず

尻尾を振っている従順な犬は人に叩かれたり、攻撃されたりすることはないという意味のことわざです。犬が尻尾を振るのは、嬉しいときや相手に対して親愛の情を示しているときであるといわれています。人間も同じように、こちらから親愛の気持ちを表していると相手から攻撃されることはないという意味で使われます。

先ほどご紹介した「吠ゆる犬は叩かるる」と逆の意味をもつことわざなので、セットで頭に入れておくと使いやすいでしょう。

飢えた犬は棒を恐れず

飢えて追い詰められた状態の犬は棒で打たれることも恐れないという意味のことわざです。生活に困っている人や、精神的に追い詰められた人は危険なことや悪いことなども行う場合があることのたとえとして使われます。

犬も歩けば棒に当たる

犬に関することわざのなかで、有名で日常会話などでも使われることが多いのが「犬も歩けば棒に当たる」です。

このことわざには2つの意味があります。ひとつは何か行動を起こしていれば思わぬ幸運が訪れることがあるというもの。もうひとつは、何かの行動を起こすと思わぬ災難に遭遇することがあるという意味です。

会話などで使われる場合、前後の文脈からどちらの意味なのかを考えて解釈する必要があります。使われることが多いことわざだけに、しっかりと意味を読み取ることが大切です。

門の前に痩犬

門のある立派な家の前に痩せた犬がいるという意味のことわざです。弱者であっても、強い後援、強者の後ろ盾があれば力を持つことができるという意味合いで使われます。

煩悩(ぼんのう)の犬は追えども去らず

煩悩、心を悩ませるさまざまな欲望や欲求などはどれだけ追い払っても、まるで犬のようにやってくる、離れることはないという意味のことわざです。人の煩悩は本能的なものであり、簡単にはなくせないことを表します。

犬に論語

犬に論語などの道理を説いたとしても、複雑な言葉や論理を理解できず無意味なことであることから、ムダであり、益のないことのたとえとして使われます。

ほぼ同じ意味で「犬に念仏猫に経」ということわざもあります。セットで頭にいれておくと表現の幅を広げることができます。

能なし犬は昼吠える

あまり頭の良くない犬は昼間から吠えているという意味のことわざです。才能や能力がない人ほど、自分の器以上の大きな話をしたり、騒ぎ立てたりすることのたとえとして使われます。

ネガティブな意味合いの強い言葉なのでビジネスシーンなどで使用する際には注意が必要です。

犬一代に狸一匹

犬は常に獲物を探し回りながら生涯を過ごすにも関わらず、狸のような大きな獲物を手にできることはほとんどないという意味のことわざです。人生のなかで大きな幸運に巡り会える機会は少ないことのたとえとして使われます。

犬になるなら大家の犬になれ

たとえ犬になるとしても、裕福な家で飼われている犬になるべきという意味のことわざです。主人を選ぶのであれば、できる限り大物を選ぶべきであることのたとえとして使われます。

犬骨折って鷹の餌食

狩りなどの場面で犬が苦労したとしても鷹に横取りされることがあるという意味のことわざです。苦労して何かを手に入れようとしても、他の人に横取りされる場合があることのたとえです。

犬に関することわざの意味を知って使いこなそう

  • 犬に関することわざの意味を知って使いこなそう

    犬に関することわざはさまざまなシーンで使えます

犬は古くから人間と一緒に暮らしてきた動物だけあって、さまざまなことわざやたとえ話に使われています。ここではそのなかから代表的なものをピックアップしてご紹介しました。

犬に関することわざは人間性や人間関係などを表すものも多く、日常会話やビジネスシーンなどでも使いやすいでしょう。コミュニケーションで使える言葉の幅を広げるために意味も一緒に覚えておくことをおすすめします。