舞台『夏の夜の夢』の制作発表記者会見が8日に都内で行われ、井上尊晶(演出)、松任谷正隆(音楽)、中村芝翫、南果歩、高地優吾(SixTONES ※高ははしごだか)、生駒里奈、宇梶剛士、山根成之(松竹 専務取締役)が登場した。

  • 左から松任谷正隆、生駒里奈、高地優吾、中村芝翫、南果歩、宇梶剛士、井上尊晶

    左から松任谷正隆、生駒里奈、高地優吾、中村芝翫、南果歩、宇梶剛士、井上尊晶

同作はシェイクスピアの傑作喜劇。原作の役名や台詞はそのままに、世界観を日本に移した新演出で上演される。主演の歌舞伎俳優中村芝翫はオーベロンとテーセウスの一人二役を勤め、妻のティターニア/ヒポリュテに南果歩、職人のニッ ク・ボトムに宇梶剛士。青年ライサンダーに髙地優吾(SixTONES)、ライサンダーの恋人ハーミアに生駒里奈、ハーミアに恋す るディミートリアスに元木聖也、彼に片想いをするヘレナに堺小春と、個性豊かな実力派キャストが集結した。

ペストが流行した時代に人々を元気づけるために書かれた喜劇ということで、今の時代ともつながるという同作。芝翫は「これまでいろんな形の芝居で拝見しまして、実は歌舞伎のファン感謝デーみたいなのでもやったことがございます。そんな中で今回映画を見、改めて台本を読んでいるとちんぷんかんぷんでまったくわけがわからなくて」と苦笑しつつ、「8月2日から立ち稽古に入ってるんですけど、なかなか思うように作品がいまだに掴めず、でも1カ月という長い稽古期間がありますし、初めて共演する方が多いものですから」と期待する。南については「うちの長男の橋之助がオイディプスでご一緒させていただいて、橋之助が『とにかく果歩さんが優しくていい人だから頼って大丈夫だよ』と言っていたので、頼りながら教わろうとしています」と語った。

共演については、南側からも「芝翫さんもおっしゃったんですけれども、橋之助さんと2018年に『オイディプスREXXX』という作品でご一緒して、今回はお父様の芝翫さんとまたご一緒できるという本当になり、成駒屋さんとは切っても切れない縁だと思っております」と言及。

また、稽古が始まっているということで、宇梶は「僕だけロバの被り物して、自分で自分に違和感がある。みなさんはもっとかもしれません」と笑わせ、生駒は「芸歴10年を迎えて11年目を歩んでいくという今年、私は舞台が大好きで、久しぶりの舞台稽古も毎日毎日高い壁がやってきて、越えられない状態んなんですけど、いつか乗り越えたら自分はもっともっと成長していい俳優になれるんじゃないかな」と意気込んだ。

日本を舞台にしたシェイクスピア劇ということについて聞かれると、井上は「あんまりしゃべりたくないなあ、自分が芝居を見に来て演出家のコメントがあってかっこいいなと思って芝居をみるとあれ? というのがあったりするから」と言いつつ、「東北とか、神話とか遠野物語とかのイメージは持っています」と明かす。「(原作は)イギリスが舞台ですし、イギリスも日本と似てるところがあって、あえていうなら暖かくなってやっと春が目覚めて開放的になるのがつながるんじゃないかな」と共通点を見出していた。上演は日生劇場にて9月6日~28日。