長崎ゆかりのアーティストが参加するイベント『稲佐山平和祈念音楽祭2022-長崎から世界へ-』が、6日・7日に長崎・稲佐山公園 野外ステージで開催された。

  • さだまさし

1日目は、オープニングアクトに多数の受賞経験がある地元・長崎県の活水中学・高校吹奏楽部による演奏、長崎県初のプロバスケットボールクラブ「長崎ヴェルカ」のチアリーダーが出演し、会場を盛り上げた。

トップバッターは、このイベントの総合プロデューサーである新羅慎二(若旦那)が務め、「平和とは愛だ。愛のあるライブにしましょう」と呼びかけると、会場からは大きな拍手が。その後、コロッケのものまねメドレーや五木ロボットで会場のボルテージが一気に上がり、長崎に在住経験のあるスガ シカオや、過去に稲佐山での音楽イベントに出演していたスターダスト☆レビュー、南こうせつなどゆかりのあるアーティストが稲佐山を熱気に包んだ。

1日目のトリを務めるさだまさしは、自身が20年以上続けてきた稲佐山でのコンサート『夏 長崎から』の思い出を語り、「精霊流し」や長崎と同じ被爆地の広島に向けて、「広島の空」などを熱唱。MCでは来場者に向けて「音楽はすべて反戦歌である。私は音楽家だから、音楽家の武器は音楽だけ。大切な人を守る方法はただ一つ、戦争をしないことだ」と語りかけ、陽が落ちた場内はしっとりとしたムードで平和への想いに馳せた。最後は出演者一人ひとりを紹介し、全員で「祈り」を歌い締めくくった。

2日目のトップバッターは、スターダストプロモーション所属で九州を中心に活動するアイドルグループ「ばってん少女隊」が務め、長崎をイメージした新曲「和・華・蘭」の初披露や「OiSa」など6曲を歌い上げ、激しいダンスパフォーマンスと和とダンスミュージックを融合した楽曲で会場を盛り上げる。続いて川崎鷹也が登場し、SNSを中心にヒットした「魔法の絨毯」を含む4曲を披露し、快晴の空に伸びやかな歌声が響きわたった。長崎市出身のホリエアツシや、今年デビュー25周年を迎えた坂本美雨が続き、8曲を歌い上げて会場をしっとりとした空気で包み込んだ。

その後はRIP SLYMEが登場し、「楽園ベイベー」を披露すると会場はオールスタンディングで一気にボルテージ上昇。新曲「サヨナラ Sunset」の披露にあわせ、サプライズでフレンズのおかもとえみが登場し、最後はサマーチューン「熱帯夜」で締めくくった。その熱量のままm-floが続き、「Summer Time Love」、「No Question Remix」、「come again」などクラブチューン14曲をノンストップで披露した。

陽が落ちて涼しくなった会場に、きゃりーぱみゅぱみゅが登場。平和をイメージした白いヴィンテージドレスに身を包み、「にんじゃりばんばん」、「ファッションモンスター」など、7曲を披露して会場を魅了。新型コロナ感染拡大防止のために観客は声を出せない状況だったが、身振り・手拍子で会場を大いに盛り上げた。

2日目のトリを務める湘南乃風は「平和とは愛だ。みんなでピースサインをしようと」と呼びかけ、新曲「夢物語」を含む6曲を披露。最後の「睡蓮花」では観客と一緒に恒例のタオル回しを行った。新羅が「来年も会いましょう」と呼びかけると、会場からは大きな拍手が沸き上がり、最後は鎮魂の意味もある花火を打ち上げ、2日間にわたるイベントが幕を下ろした。

このイベントは、さだまさしが長きにわたり稲佐山で開催してきたコンサート『夏 長崎から』を継承する形で、ジャパネットグループが新羅慎二と共に、2020年に初開催。新型コロナウイルスの影響で2020年は無観客、21年は中止となり、今回初めて有観客での実施となった。

利益はすべて「国境なき医師団」に寄付を行う平和チャリティーイベントで、被爆地・長崎から世界へ平和のメッセージを発信し、これからの世代へと語り継げる音楽祭と位置づけている。