大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)の第30回「全成の確率」が7日に放送され、新納慎也演じる阿野全成の最期が描かれた。妻・実衣役の宮澤エマがコメントを寄せた。

  • 阿野全成役の新納慎也と妻・実衣役の宮澤エマ

三谷幸喜氏が脚本を手掛ける本作は、源頼朝の右腕として活躍し、武士の世を盤石にした鎌倉幕府の2代目執権・北条義時(小栗旬)の物語。

今回、源頼家(金子大地)に対して呪詛を行った疑いにより、詮議を受けた阿野全成(新納慎也)。命は救われ流罪となるも、比企能員(佐藤二朗)にはめられて頼家の怒りを買い、殺されることに。ひたすら呪文を唱えながら最期を迎えた。

実衣役・宮澤エマのコメントは以下の通り。

――全成の最期を知って

台本を読んだ時点で号泣してしまって。こういう結末が待っているというのはもちろん、分かってはいたんですけど、そこをどう三谷さんが描かれるのかが分からなかったのと、実衣が全成の死にどう関わって、何を感じてどう反応するのかというのはまったく予測できていなかったので、全成さんの死を聞いたときの実衣のたたずまいや、彼女が義時に聞く質問というのが、実衣らしいなとすごく感じました。

――全成の好きなところ

いろいろあるんですけど、秘密にしておきたいところもあります。なんでかというと、二人にしか分からないことなんだと思うんですよね。周りから見ていると「なんであの二人がとか「あの人のどこが好きなんだろう」とか思うかもしれないけど、実衣と全成は似た者どうしというか、言い方は不思議ですけど“共犯者”のような感じなんです。それぞれ立派な一族の中でもふわっとした立ち位置で、ちょっと忘れられがちで、何をしているのかよく分からなくて、という、すごく共鳴する部分が二人にはあるんだと思うんです。実衣は全成さんが秘めている、中にあるパワーみたいなものを信じていて、そこが共鳴しあってひかれているのかなと思うので。実衣にとっては彼の魅力というのが、実衣にだけかかっている魔法じゃないですけど、誰にも分かってもらえなくてもいいし、たぶん、二人とも分かっているようで分かっていないのかも知れない。全成さんが最初のころ「生まれる前からほれていました」みたいなことを言っちゃうんですが、それを受けて実衣が「言っていることがよく分からないところにひかれました」と言えるって逆にすごいなと思って。ふつう、「この人の何が好きなの?」と聞かれたときに並べる形容詞って違う気がするんですけど、言葉では表現できないレベルでひかれ合っていたんだなというのを、占いの力も込みで感じました。

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