国土交通省は、鉄道車両へのバイオディーゼル燃料の導入に向けた技術開発について、鉄道技術開発・普及促進制度における技術開発課題に定めたと発表した。

  • JR東海の新型特急車両HC85系(試験走行車)。今年2月、次世代バイオディーゼル燃料の実用性検証試験が行われた

鉄道技術開発・普及促進制度は、鉄道分野における政策課題の解決を目的に、鉄道事業者のニーズはあるが民間主導では開発が進まない技術、社会的要請が高く鉄道業界に広く展開することが望まれる技術、経営の厳しい地方鉄道での導入が求められている技術など、国が主体的に関与すべきものについての技術開発と技術の普及を進める制度だという。

今回、「鉄道車両におけるバイオディーゼル燃料の導入に向けた技術開発」をテーマに公募を行い、外部有識者委員会における評価を踏まえ、「鉄道車両における次世代バイオディーゼル燃料の実証・評価」を技術開発課題に定めた。鉄道総合技術研究所とJR旅客6社、JR貨物の計8者が実施機関となる。

具体的には、次世代バイオディーゼル燃料を用いたディーゼルエンジンの性能試験と車両走行試験を実施して性能評価を行い、実用化と普及につなげることをめざす。これを通して、鉄道輸送における温室効果ガス削減、2050年のカーボンニュートラル実現に貢献するとしている。