JR西日本は27日、兵庫県尼崎市のJR西日本テクシア第二開発テストセンターにて、「うめきた(大阪)地下駅」(2023年春開業予定)に導入する予定の「フルスクリーンホームドア」ならびに「デジタル可変案内サイン」の報道公開を実施した。

  • 「フルスクリーンホームドア」の3扉が開いた状態

JR西日本は、「うめきた(大阪)地下駅」を「技術ビジョン」を具体化する未来駅と位置づけ、さまざまな取組みを行っている。中でも「フルスクリーンホームドア」の導入は世界初とのこと。「うめきた(大阪)地下駅」では、将来的になにわ筋線が開業(2031年予定)し、南海電鉄の車両が乗り入れる予定であることから、あらゆる車種や編成の乗降口に対応できる「フルスクリーンホームドア」の開発が進められてきた。

「フルスクリーンホームドア」のデモ機は1台あたり全長20m。「うめきた(大阪)地下駅」では10台分(全長約200m)設置されるという。デジタルサイネージの部分も自由自在に動き、片側2ドアの特急列車、片側3ドアの近郊形電車などに対応する。駆込み乗車があった場合はセンサーで感知し、ブザーが鳴り、ドアが一時停止する。緊急時の場合は列車側から非常ボタンを押し、手動で開閉することも可能になる。

  • 「フルスクリーンホームドア」の2扉が開いた状態

  • 異常を察知した際はブザーが鳴り、一時停止する

  • 将来的に「フルスクリーンホームドア」の案内サインも充実させる

JR西日本によれば、「うめきた(大阪)地下駅」の開業に合わせ、このフルスクリーンタイプで自由自在にドア数を変えられるホームドアを1つの番線に導入し、利便性や摩耗性などを確認、評価するという。すべての番線への導入時期に関しては、現時点で具体的に決まっていないとのことだった。

一方、「デジタル可変案内サイン」は「One to One」タイプと「Mass」タイプを開発。「One to One」タイプは専用アプリを利用し、各人に応じた案内を提供する。専用アプリで目的地を入力すると、画面上に各人それぞれのマークが表示される。「One to One」タイプのデジタル可変案内サインには、画面上のマークとともに、目的地を指し示す矢印を表示するしくみに。これにより、スマホを見なくても迷うことなく目的地への最短ルートがわかる。

  • 専用アプリで目的地を検索すると、「One to One」タイプの可変案内サインに目的地への方向が表示されるしくみに

  • 「Mass」タイプの可変案内サインは、動きを交えながらさまざまな情報を表示する

「Mass」タイプの「デジタル可変案内サイン」は、従来通り大衆向けの案内サインだが、さまざまな情報を細分化し、動きを付けるなど、直感的に認知できるように工夫が施されている。

なお、JR西日本鉄道本部イノベーション本部担当課長の小森一氏は、一連の新技術を「うめきた(大阪)地下駅」以外の駅に導入することに関して、「他の駅に展開できる技術があれば展開していきたい」と話していた。