JR西日本は15日、うめきた(大阪)地下駅の開業まで1年を切ったことを受け、同駅に導入するめどがたった技術・サービスとして、「デジタル可変案内サイン」と「フルスクリーンホームドア」の詳細を発表した。

  • うめきた(大阪)地下駅に導入予定の「フルスクリーンホームドア」

うめきた(大阪)駅は2023年春に開業する予定。JR西日本は同駅をイノベーションの実験場「JR WEST LABO」の中心と位置づけ、新たな価値創造を推進し、経営課題や社会課題の解決に向け取り組むとしている。

「デジタル可変案内サイン」は、駅における情報提供手段のひとつである「駅サイン(案内板)」を利用者の動きとニーズに合わせ、可変的に案内することで、駅にまつわるさまざまな移動をサポートし、目的地に向けたスムーズな移動を実現する。

  • 「デジタル可変案内サイン(One to One)」

  • 「デジタル可変案内サイン(Mass)」

「デジタル可変案内サイン(One to One)」では、利用者が自身のスマホ等で事前に目的地を登録すると、専用のマークを目印に「自分専用の行き先案内」を「One to One」で連続的に提供。「デジタル可変案内サイン(Mass)」では、利用者の移動シーンや場所に応じた案内をタイムリーかつ可変的に提供する。ホーム階にて運行情報等のシステムと連携させることで、さまざまな種類の列車に合わせた案内をホームドアのサイネージに知らせるなど、利便性の向上が図られる。

「フルスクリーンホームドア」は、車種に応じて自在に開口を構成できる世界初というホームドア。うめきた(大阪)地下駅では、2031年開業予定のなにわ筋線まで見据えた場合、入線車種が多様となることが想定され、現在のJR西日本で展開しているホーム柵や、各メーカーで開発中の新型ホームドアでも対応が困難であることから、「フルスクリーンホームドア」が開発された。

  • 「フルスクリーンホームドア」安全面への配慮(ホーム側)

  • 「フルスクリーンホームドア」安全面への配慮(列車側)

外観デザインや付帯設備としては、配線・駆動部などの設備を上部に配置し、扉部のスリム化することでホーム空間を創出し、サイネージによるインタラクティブな案内情報を提供する。安全面への配慮として、モータの負荷検知機能や2Dセンサー・3Dセンサーにより、ホームドアと利用者との接触や挟まれるケース、列車とホームドアの間に利用者が残留してしまうケースなどを検知し、安全性を確保する。