• 樹乃香さん(左)と大地さん (C)フジテレビ

昨年夏から今年4月上旬の“卒業”まで密着する中で、大地さんに変化を感じたのは、共同生活を送る仲間・樹乃香さん(27)と交際を始めた時期。「付き合ったあたりから、性格がめちゃくちゃ柔らかくなっていったんです。角が取れていった感じで、樹乃香ちゃんの柔らかい部分がふわっと乗り移ったのかなと感じました」と語る。

そんな樹乃香さんについては、「本当に周囲と調和がとれて、社交的で、僕に対してもそうなんですけど、何をお願いしても笑って『いいですよ』と言ってくれるんです。ただ、深く入っていったら、芯を持った強い子だというのも同時にすごく感じました」という印象。「大地くんはもともと甲子園を目指していたような夢追い人なので、“夢のためにみんなと仲良くしなくてもいい”という感じだから、樹乃香さんとは本当に正反対なんですよね」というが、だからこそ互いが持っていないものに惹かれ合ったのかもしれない。

しかし、山を買って開拓したい大地さんと、地元に戻ってカフェを作りたい樹乃香さん。別々の夢を追い求める中で、「非電化工房」卒業後の2人の暮らし方について、大地さんがなかなか話を切り出すことができない姿が、後編で描かれる。

「彼はギリギリになって決めるところがあるんです。でも最後にはちゃんと言うので、僕はそこが大好きなんですけど、そこまでの間、揺れに揺れるんですよ。本当は自分の好きなことをやって生きていきたいと言ってるんですけど、恋をしてしまったので、一緒に食べていかないといけない。そこの葛藤ですよね」

  • (C)フジテレビ

■周囲に壁を作ってしまう原因は…

今回の番組のテーマの1つは、この“思いを伝えることの大切さ”。「大地くんが周囲に壁を作ってしまう原因は、やはりいろいろ思い込んでしまう部分があったと思うんです。だけど、だんだん仲間たちにも気持ちを伝えるようになって変わっていく姿が見られたので、やっぱり自分の思っていることは相手にちゃんと伝えたほうがいいんだということを、皆さんに感じていただけたらうれしいです。僕もこの取材を通して、めちゃくちゃ成長させてもらいました」と力説する。

その上で、「前編で大地さんの人となりが分かっていただけたと思うのですが、後編は2人が付き合ってからどのように揺れ動いていくのかというのが見どころになってきます。そして、『~27歳の決断~』というサブタイトルを付けたのですが、お互いにはっきり言えないタイプの2人が、非電化工房の卒業後にどう進んでいくのか決断を迫られます。彼らと同年代の人たちもそうですが、見守る親の目線でも共感していただけると思うので、そこも見てもらえればと思います」と予告。

今後も、「企画になるかどうかは置いておいて、個人的には2人をずっと応援したいと思うので、引き続き追っていきたいと思います。2人ともすごく良い人なので、将来は山を開拓してほしいですし、カフェも開いてほしいですし…。2人の夢がうまく合わさってくれればと思いますね」と願った。

  • 蜂谷時紀ディレクター

●蜂谷時紀
1987年生まれ、兵庫県出身。立命館大学卒業後、広告代理店を経て、14年にテレビマンユニオンへ参加。『遠くへ行きたい』(読売テレビ)、『グッと!スポーツ』(NHK)、『Humanウォッチャー武尊編』(テレビ東京)などを担当し、今回の『ザ・ノンフィクション「都会を捨てた若者たち」』(フジテレビ)で長編ドキュメンタリー初ディレクターを務める。