シンガーソングライターの優河が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、29日(通常と異なり13:40～ ※関東ローカル)に放送される『27歳 流しの歌姫 ～夢のステージに立ちたくて～』。日本武道館でのワンマンライブに向けて奔走する流しの歌手・あい(27)に密着した作品だ。
今回、ドキュメンタリー番組のナレーションに初めて挑み、同じ歌い手として、自身の経験と重ねたという優河。あいのバイタリティあふれる行動力に“無敵な気持ち”を感じたと語る――。
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『ザ・ノンフィクション』の密着を受ける流しの歌手・あい(左) (C)フジテレビ
■目の前の客の奥に見える大きな世界
夢のステージへの準備金を集めるため、日本中のスナックやクラブなどの飲食店に飛び込み、客のリクエストに合わせて歌声を披露し、居合わせた客からチップをもらうという生活を7年も続けてきた、あい。最初は半信半疑だった人々も、夢を実現するために歌い続ける姿にひかれていき、酒場で出会った人々や企業の社長たちが、支援を約束してくれるようになった。
そんな姿に、「私も20代前半のときに、40以上の都道府県のライブハウスを回っていたので、その時のことをすごく思い出しますし、あいさんの気持ちがめちゃくちゃ分かりました」と共感する優河。さらに、「ああいうときって、動いていればいるほど、確実に前に進んでいる感じがして、本当に無敵な気持ちになれるんです。だからすごくガムシャラに見えるけど、1つの目標があるということで原動力になってると思うし、そこに向かっている姿を見て、背筋が伸びる思いがしました」と、気が引き締まったそうだ。
流しの歌手として、飛び込みで夜のお店を回り続ける“鉄のハート”を持つあいを見て、「あれは武器ですよね。続けることで身になることがほとんどだと思いますし、自分にはないものなので、欲しいです(笑)。私だったら1軒目で帰っちゃうと思います」と感心。
あいのメンタルが“鉄”であるのに対して、自身は「“こんにゃく”くらいだと思います(笑)」と謙そんしつつ、「全国をライブで回ってたときのほうが、やっぱり(メンタルは)強かったかもしれないです。人に会って何か反応をもらえると、その人の奥にすごく大きな世界があると思えるので、目の前の人が喜んでくれたら、世界の人もきっと喜んでくれるんじゃないかと思いますし、そう思わないとライブもできないんですよね」と、改めて“無敵な気持ち”だった当時を振り返った。
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飛び込みで入った店で歌うあい(右) (C)フジテレビ
■誰かが開けてくれた先にある光で世界が広がる
あいが武道館のワンマンライブという大きな夢に向かって行く一方、優河は「いつか『紅白(歌合戦)』という気持ちはあります」と前を見据える。だが、「私は夢を持つことが得意ではなくて、近い目標しか立てられないんです」とも打ち明ける。
「もちろん、大きな目標を持ってそこに向かって行ったほうがいいと思うんですけど、ずっと1人でやっているとそれができなくて。いつライブして、いつ曲書いて、どうやって生きていくかという状態で、1つずつトンネルを掘っていくというか、土を切り崩していく感じでした」
そこから、事務所に所属して活動する現在に至るが、あいが支援者に応援される姿を見て、周囲のサポートの大きさを改めて実感。
「自分を認めてあげるのは、最初は自分しかいないけど、それってすごく怖いことじゃないですか。だから、自分の価値を認めてくれる人を1人でも多く見つけられたら心強いし、心がちょっと迷ったときに光が見えると思うんです。自分で部屋の電気を消しちゃうと本当に何も見えなくなっちゃうけど、誰かがガチャっとドアを開けてくれた先にある光で、世界が広がるという感じですよね」
