日本テレビ系ドラマ『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル』(毎週土曜22:00~)の羽住英一郎監督が、12日に放送された同局のトーク番組『イントロ』(毎週日曜25:55~ ※関東ローカル)に出演した。

  • 羽住英一郎監督=日本テレビ提供

最先端科学によって生み出される怪事件を解決するため、ディーン・フジオカ演じる主人公・小比類巻祐一が創設した「科学犯罪対策室」を舞台に繰り広げられる同ドラマ。このスタジオセットについて、羽住監督は「できたばかりの部署なので、そのために作られた部屋というよりは過去に別のものとして使っていた場所、倉庫としてあったような場所にいろいろ持ち込んで…という形。だから物置っぽくなっているのと、半地下の設定なので、窓から車の光が入ったりする」と明かした。

第4話で描かれた、小比類巻がVR空間で亡き妻・亜美(本仮屋ユイカ)のアバターを作成する際に使用したスマホ動画の一部は、実はディーン自らカメラを回していたのだそう。「コッヒーが(亜美の姿を)撮影している設定だったので、“ちょっと撮ってみて”と、現場のノリでそうなったんです」といい、監督も「そのまま一発OKでした」と絶賛するカメラワークだった。

最先端科学だけでなく人間ドラマも見どころの同作。「最先端科学の話だけでは遠い世界の話になっちゃって、見ている人が感情移入できない。難しいウイルスとかいろんなものが出てきますけど、科学と関係ない部分でもちゃんと話が通るようにしたい」と、視聴者が登場人物を自分に置き換えて見ることができるように、人間ドラマも丁寧に描きたいという。

「警察官だから事件を解決しなきゃいけないとか、犯人を捕まえなきゃいけないのが通常の警察ドラマだと思うんですけど、そうじゃないところがこのドラマの面白さ。主人公は、不思議な事件が起こるたびに、冷凍保存している奥さんがよみがえるかもしれない…と、ひもづけていくわけです。それがずっと続いていく。時には科学の限界を知ることもあったり、悪用されることも目にしなきゃいけなくなるんですけど、彼自身のキャラとしてはブレずに、ずっとそこを求めて走り続けていく」

そんな小比類巻とタッグを組む最上博士(岸井ゆきの)は、天才科学者ながらどこか親近感のあるキャラクター。「コッヒーが犬だとしたら、ユッキー(最上)は猫。どこにいるか分からない、好きなところに気分で現れたりするキャラがいい。科学犯罪対策室に階段を作ったのも、階段の途中にポンと座ったりする感じにしたいと思ったから」と語る。

そして、ユースケ・サンタマリア演じる“ハセドン”こと長谷部刑事については、「理系の小比類巻と最上博士が科学のことを話し始めちゃうと専門用語の応酬になって、見ている人もついていけなくなっちゃう。視聴者が感じることをちゃんと代弁してくれる人でもあるし、警察官としての正義感と、人間性という意味でも長谷部さんはまともな人」と位置づけた。