居候カップルの2人の印象を聞くと、コウジさんについては、「本当に真面目というか、哲学的な方なんです。居候生活を“飼い主と猫みたいな。飼い主と犬じゃないんですよ。猫って自由な感じじゃないですか”と表現していたんですけど、物事をすごく深く考える性格だなと思いました」とのこと。
一方でユリさんについては、「ちょっとおてんばというか、コウジさんより直感的に行動に移すところがあるんです」といい、「そんな2人がちょうどパズルが合うように性格が合ったんじゃないでしょうか」と感じたという。
2人とも有名大学を卒業した高学歴で、一見、順風満帆な人生を送ってきたが、プレッシャーなどから家族との関係がうまくいかなくなってしまった。それが、愛さんとの出会いによって救われたのはなぜか。
「家族だと距離が近すぎて、何か問題があってもそれが当たり前のことだと思ってしまうかもしれないけど、居候という立ち位置であるからこそ、実際に住んでいる他の家族のパターンが見られるし、さらに言えば森川家には家族の問題を抱えたいろんな人が集まってくるので、“家族”というものに対して凝り固まった頭がほぐされていくような感じがあるような気がします」
その上で、「コウジさんとユリさんのように、家族に悩みや問題を抱えて生きづらさを感じている人は、あの世代は特に多いと思うんです。悩みがあったら、一番近くにいる家族が解決すべきかもしれないですが、家族自体に問題があったときに誰に相談したらいいのかと困ってしまう。だから個人的には、こういう新しい家族の関係も、これからはありなんじゃないかなと思いました。それが居候という形なのか、また別の形かもしれませんが、シェアハウスでもない、家族のようで家族ではないみたいな関係性によって救われる人がいればいいなと思います」と願った。
■“行間”を生むヒコロヒーのナレーション
今後も森川家を取材していく予定で、「森川家を巣立った元居候たちとどう接していくのか、また香港からやってきた少年との関係がどうなっていくのかという興味があります」と意欲を示す森山氏。
なお、今回のナレーションは、お笑い芸人のヒコロヒーが担当。オファーした理由は、「まず声質です。ちょっとハスキーで深みがある感じがするので、ヒコロヒーさんが読むことで“行間”が生まれるような気がしたんです」といい、実際に収録を終えて、「奥行きのあるナレーションをしてもらいました」と手応えを語っている。