フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)では、がんと闘い続ける夫婦漫才コンビ、宮川大助・花子に密着した『花子と大助 ~余命宣告とセンターマイク 夫婦の1400日~』を、きょう17日に放送する。

取材したのは、10年以上にわたって大助・花子ファミリーの一員として“記録係”を担ってきた神林紀行ディレクター(クラフトマンシップ)。泣きながら撮影したシーンもあったというが、それは闘病の姿を記録しなければならないつらさではなく、“うれし涙”があふれ出たものだった――。

  • 宮川大助・花子夫妻=22年4月(提供写真)

    宮川大助・花子夫妻=22年4月(提供写真)

■闘病生活の公開で全国から応援メッセージ

神林Dが、夫婦漫才師の宮川大助・花子と出会ったのは、2010年。今回の番組のプロデューサーで、制作会社・クラフトマンシップの齋藤拓也代表取締役が、大助・花子の舞台や演劇を映像で記録していたのを手伝ったことがきっかけだ。

11年に東日本大震災が発生すると、大助・花子は頻繁に東北各地へ足を運び、復興支援で漫才や舞台を披露したり、イベントに出演したりするようになり、神林Dにその記録係の役目が回ってきた。

『ザ・ノンフィクション』では、神林Dが大助・花子夫妻に密着した『花子と大助 ~余命宣告から夫婦の700日~』を、2020年2月23日・3月1日に放送。これは、「症候性多発性骨髄腫」で余命半年の宣告を受けた花子と、彼女を支える大助の闘病記だったが、その放送を見た本人たちは、「そうそう、このときはそうやったなあ」「ようウチら乗り越えたなあ」と振り返りながら、思いにふけていたという。

また、隠していた病を公表し、番組で闘病生活を公開することによって、全国から応援のメッセージが届けられ、「花子師匠に“スイッチ”が入ったと思います」(神林D、以下同)という効果も。続編となる今回は、そんな応援へのお礼や感謝の思い、そして奇跡的な回復を見せ、「なんばグランド花月(NGK)のセンターマイクの前に立つ」という目標に向かっていく姿を描いており、放送後の反響で「“また頑張らなあかん!”とスイッチが入ることを期待しています」と語る。

今回はコロナ禍のため、夫婦の様子を直接カメラで記録することがなかなかできなかった。そんな中、花子は毎日のようにメッセージとともに、リハビリの様子を写真や動画で神林Dに送ってくれたそうで、その素材が番組でも多く使用されている。

一方で、人に会えない寂しさから、撮影した写真・動画をSNSで発信し、コミュニケーションを取ることを楽しみにしているが、それを実現してくれるタブレット端末を「お友達や」と呼んでかわいがっていたそうだ。

■「舞台に出る前から泣いてしまいました」

コロナが一旦落ち着いた昨年12月、神林Dは大助・花子夫妻と、実に2年ぶりの再会を果たした。大みそかに訪ねた際には、「(奈良・生駒の自宅から)新大阪までお出迎えに来てくれるっておっしゃるんですよ。花子師匠はよっぽどうれしかったんだなあと思いました(笑)」と、会えなかった分の思いを感じたという。

「対面で回復ぶりを見せる機会がなかったためか、『見て見て!』と言われ、立ち上がったり、階段を上ったりするところをたくさん見せてくれました。今回の番組は、そんなところが映像に詰まっています」と言うように、様々な葛藤もありながら、希望に満ちた姿が収められている。

  • 新大阪まで神林Dを迎えに行く大助・花子 (提供写真)

  • 花子が貸してくれた私物の部屋着を着る神林D(左) (提供写真)

前回の番組は闘病のつらい場面が多く、泣きながら撮っていたというが、今回も生駒の市民ホールで2年半ぶりの舞台に立った際は、「もう舞台に出る前から泣いてしまいました」と明かす。

ただ大きく異なるのは、それが“うれし涙”だということ。「僕もそうですし、大花師匠にお世話になった全国のファミリーの皆さんも、きっと涙で喜ばれたんじゃないかなと思います」と感慨深く語った。