連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか)で、黒島結菜演じるヒロイン比嘉暢子の幼馴染・青柳和彦役を演じている宮沢氷魚。アメリカ留学を経て新聞記者になった和彦役ということで、アメリカ生まれのバイリンガルである宮沢にはぴったりの役どころといえそうだし、自身も「運命的なもの」を感じたと言う。

  • 『ちむどんどん』青柳和彦役の宮沢氷魚

『ちむどんどん』は、本土復帰50年を迎えた沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかけるヒロイン・暢子ら4兄妹の奮闘を描く物語。和彦は中学時代の短期間に父親と沖縄に住み、暢子たち一家と交流したが、大人になってから、久しぶりに暢子と再会を果たした。

宮沢の朝ドラ出演は、『エール』(20)以来となった。「『エール』のときは最後のほうで登場するアキラ役で、1週間半のみの出番だったので、すごく伸び伸びとできたというか、ぐっと詰めて芝居ができました。今回の和彦は第1週から登場するので、そこに対しての喜びがありつつも、1年かけてどういう風に役を作っていくかという難しさがあるので、僕自身も和彦と一緒に成長していけたらいいなと思っています」

宮沢は、少年期を演じた田中奏生からバトンを受け取って登板。「暢子と再会するシーンは僕がクランクインして2~3日目に撮影しましたが、黒島さんや現場の雰囲気がすごく温かかったので、すぐにチームの一員になれたし、暢子とも気持ちよく再会できた気がします。明るくて楽しいシーンが序盤で撮れたことはすごく嬉しかったし、とてもいいものが撮れたと思います」と手応えを口にする。

黒島とは本作で初対面となったが「昔から黒島さんの作品はよく観ていたので、やっとご一緒できるという喜びがありました」と言う宮沢。

「実際にご一緒してみたら、芝居もそうですが、僕よりも年下なのに、すごく堂々とした佇まいの方で、まさに『ちむどんどん』の座長にふさわしい女優さんだなと思いました。自分の芝居だけではなく、作品全体に対しての思いがとても強い方で、集中力やみんなをまとめる力もある方なので、ヒロインが黒島さんで本当に良かったなと思います」

黒島自身、暢子と似た部分があると言っていたが、宮沢も「全部が全部、2人が一緒というわけではないけど、人としての強さや一生懸命何かに向かって走り続けている女性という人物像においてはすごく近いものを感じます」と同意する。

ちなみに、宮沢自身が黒島についてとりわけ「本当にすごい子だ」と驚いたのは、現場での“調整力”だという。「撮影日によっては一気に時間が飛びます。例えばいきなり5年後を撮影する際に、それまでの5年間の成長は描かれないのですが、黒島さんは5年後をすごくスムーズに演じられるんです。僕の場合は、相当集中して探り探りな感じで入っていきますが、黒島さんは自分のなかでしっかりとビジョンがあり、現場で調整できる。それってなかなかできることではないのですが、見事に自分の気持ちをコントロールされています」と黒島をリスペクトする。