落語家の立川志らくがこのほど、脳梗塞でリバビリ中の三遊亭円楽の代演として、日本テレビ系演芸番組『笑点』(毎週日曜17:30~)の収録(15日・22日放送分)に参加。終了後、メンバーとともに取材に応じた。

  • 立川志らく

これまで著書やYouTubeなどで『笑点』に対して批判的なコメントをし、「生涯『笑点』に出ない」宣言をするなど因縁ある志らく。放送では、今回の出演を決心する背景にあった、三遊亭円楽とのエピソードをVTRで明かす。

収録後の会見では「子供の頃からずっと見ていた『笑点』に、自分が本で批判した笑点に出るなんてことは夢にも思っていなかった。こうやって出ることができたっていうのは『笑点』をつくってきた皆さんのおかげ、それから円楽師匠の一言、さらに巡り合わせ。(師匠の)談志が『そろそろお前出ろよ』と『俺がつくったんだからお前が出て一応談志がつくったってことをもう一回みんなに知らせてやれよ』と言っているようなそんな気がします」と語った。

放送では、番組が満56年を迎えることにちなんだお題のほか、志らくの師匠で『笑点』初代司会者の立川談志さんや円楽とのエピソードに絡めたお題などが登場。昔から親交の深い春風亭昇太をはじめ、レギュラーメンバーとの掛け合いに注目だ。

収録後の会見のやり取りは、以下の通り。

――笑点初出演の感想は

志らく:珍しく緊張しまくりましたね(笑) 昇太兄さんだけが救いのような感じで、ずっと目を見ながら、司会をイジりながら遊ばせてもらいました。昇太さんとは若い修業時代からずっと2人で落語会やコントの会をやったりで、一番気心が知れていて、楽屋でもよく2人で、ずっとぶらぶらボクシングし続けるというようなくだらないことをずっとやってきたので、昇太兄さんなら助けてくれるだろうと。

――自己採点するなら何点?

志らく:いやぁ~どうですかね、30点ぐらいじゃないですか。溶け込んでいるようで全然溶け込んでないなって(笑)

――笑点メンバーの皆さんの志らくさんと共演した感想

昇太:本当に志らくさんとは若い頃からずっとよく仕事をしていたんですけど、ここ何十年かなかなか一緒に仕事することがなくて、志らくさんが笑点に来てくれるという話を聞いて、すごい楽しみにしていました。今回もし30点というのであれば、ぜひまた機会があったら来てもらいたいなって思います。

小遊三:自分で謙遜しているだけで30点ってことはないでしょうし。馴染(なじ)んでないこともないでしょうし、緊張してることもないと思います(笑)

――小遊三さんから志らくさんへ言いたいことは?

小遊三:言いたいことなんかないですよ(笑)言いたいことといったら、いくらか金貸してくれって(笑)そんな程度で。

たい平:外からいつも笑点を見てくださっている志らく兄さんが、笑点に来てどんな大喜利をしてくださるのかというのはすごい勉強になりました。他には特に勉強するところはありませんでした(笑)

木久扇:志らく師匠は、朝の番組をやっていて、私も朝レポーターを10年やっていたもんですから、ハラハラしながらその番組を見ておりました。朝しゃべるのってとっても難しいんですけど、うまい具合に言葉をくぐり抜けて達者にやっていらっしゃったんでね、ああこういう才能あるのかなと思ってビックリいたしました。きょうは大喜利でご一緒しましたら、爆笑っていうか笑いをとらない人じゃないかと思っておりましたら、どんどん惹きつけてね、視聴者の方に笑っていただくように演出していらっしゃって、ビックリいたしました。やっぱり、談志師匠のお弟子さんで天才なんですね。

好楽:さすがですね。談志師匠が戻ってきたような雰囲気ありましたもん。やっぱり演出もちゃんとできているし。なにあがったあがったなんてとんでもないよ、あがったのは俺のほうだよ!(一同爆笑) 昇太:何年やってるんですか(笑) 好楽:何年やってんだって年中あがってんだ。しょうがない(笑)。でも見事な答えでしたもんね、さすがだなと思いました

宮治:志らく師匠からずっと「笑顔が怖い、笑顔が怖い」、「あいつ(宮治)は悪いやつだ」と言われたんですけど、私は笑顔は本当に心の底から出していますし、とてもいい人です。よろしくお願いします。

山田:きょう志らく師匠に座布団を運んで差し上げたときに、わざわざ「ありがとうございます」って言って頭下げてくれたんです。礼儀正しい人だなと思って、初めてわかりました。この方、いい方だなと(笑)

志らく:笑いをとらない、いつも怒っている、お礼すら言わない 最低です(笑)

――出演してどんな思いですか

志らく:笑点批判をしたっていうのは本当にかれこれ20年から30年近く前の話。それ以降はいろんな自分のメディアで「笑点には本当に感謝している」「日本の宝だ」ってことは言い続けていて、つい昨日までずっと批判していたわけではないので、そこばっかクローズアップされると、もう本当に針のむしろのような状況になるんで…

子供の頃からずっと見ていた笑点に、それから自分が本で批判した笑点に出るんなんてことは夢にも思っていなかった。もれ聞いたところによるとスタッフが「志らくだけは絶対に出さねえ」って言ってるのが私の耳に飛び込んできたことがあったので、それが出られたっていうことは、感謝以外の何物でもないです。もちろん円楽師匠のおかげ、そして皆さん人間が大きいので、たぶん歌丸師匠なんか「小僧が何言ってんだ」程度のことでほとんど相手にしてないし怒りすらたぶん持っていなかったと思うんです。私が勝手におびえていただけだったので。でもそれがこうやって出ることができたっていうのは笑点をつくってきた皆さんのおかげ、それから円楽師匠の一言、さらに巡り合わせですね。

談志が「そろそろお前出ろよ」と「俺がつくったんだからお前が出て一応談志がつくったってことをもう一回みんなに知らせてやれよ」と言っているようなそんな気がしますね。