何かとお金のかかる子育て世帯。それでも将来に向けて貯蓄をするには、やはり節約が有効です。しかし、何もかも節約するのではなく、お金をかけるべきところはしっかり見極めたいですよね。貯蓄がうまくいっている人は、どこを「節約しないように」しているのでしょうか。

そこでマイナビニュースでは、高校生以下のお子さんをお持ちで貯蓄1,000万円以上の会員を対象に、「あえて実践していない節約術」をオンラインアンケートにて調査しました(2022年4月11日実施、98名が回答)。

その結果を見てみると、「食費」「子どもの教育費」の節約をしていないという回答が非常に多く、こちらがツートップに。また、趣味や旅行などの娯楽、思い出作りは節約しないという意見も多くありました。

ここからは、貯蓄1,000万円以上の人の「あえて実践していない節約術」を実際の回答とともにご紹介します。貯められる家庭を参考に、価値あるお金の使い方を見直してみましょう。

  • あえて実践していない節約術とは?

1.食費の節約は避ける

まず、教育費とともに多かったのが、「食費は節約しません」という意見です。具体的な回答例をみてみましょう。

・子どもの成長のために食費の節約はしていない

・食費の節約は健康に悪いので避けている

・調味料は節約せずに良いものを選ぶ(食は健康を作るから)

・野菜などの食費は節約していない

・お米の質については値段を気にせず買っている

・食べ物にはけちらない。お金をかける。美味しいもの、体にいいものを食べるようにしている

子どもの成長や家族の健康を考え、食費の節約は避ける、良い食材を購入すると心がけている世帯が多くありました。しっかり貯めている世帯では食費を節約するケースも多いですが、健康的な食生活が送れることを大前提とし、無駄使いをしないこと、外食を控えることなどを徹底しているようです。

また、「心の健康のために」食費は削らない、という声も挙がっていました。

・食費は、日々の楽しみとして好きなものを買うようにしている

・食費は貧しい気持ちになるので節約しない

大幅な食費の節約は不健康につながるだけでなく、まさに「貧しい気持ちになる」という、心への悪い作用ももたらします。食事が心身に与える影響を考え、食費はあえて削らないというポリシーを持つ方が多いようでした。

なお、「コロナ禍で外食や旅行する機会が減ったので、家での食事は節約せず楽しむようにしている」というコロナ禍ならではの回答もみられました。

2.子どもの教育費は削らない

「教育費や子どもにかけるお金は、節約の対象外」としている家庭も非常に多い印象でした。たくさんの回答がありましたが、そのうちの一部をご紹介します。

・子どもに対してかける費用には、節約しないで精いっぱいお金をかけてあげる

・子どもの教育には惜しみなく資金を注ぎ込む

・進研ゼミなど勉強の費用は削減していない

・子どもにかかる費用は投資と位置づけ、良いと思うことには惜しまない

・学費は節約せず習い事はなるべくやらせている

・子どもの可能性を引き出すために、興味を持ったことに対しての支出は惜しみなく出すようにしています

このように学習や興味のあることなど、子どもの可能性を伸ばすためのお金は惜しまない姿勢がうかがえました。子どもの頃に受けた教育はその後の人生に大きな影響を与えますので、まさに「将来への投資」と言えるでしょう。

3.趣味や旅行、映画、書籍代はお金をかける

食費や教育費の次に多かったのが、「趣味や旅行などにはお金をかける」という回答です。

・旅行代。贅沢に使って楽しい思い出を作ろうとしている

・ディズニーランドでは節約しない

・映画を観に行く

・週末に自分へのご褒美に使うお金はケチっていない

・自分の趣味には結構お金を使っている

・旦那さんの書籍

・交際費など

旅行やディズニーランドなどの楽しい思い出は、子どもにとって宝物となるでしょう。「楽しい経験という価値あるものにはお金を使う」という各家庭のスタンスが伝わってくるようでした。

また、「自分自身に使うお金もおろそかにしない」という意見も少なくありません。子育てにお金がかかる中、上手にやりくりし、趣味や自己投資にもしっかり使っているようです。

4.その他:パソコン、洋服などは節約しない

最後に、これまで挙げた以外の回答をいくつかご紹介します。

・PCのスペックは最低でもミドルクラス以上のものを買っている

・洋服は節約していない

・保険の大幅な見直し

・時間がかかる節約

パソコンや洋服などは節約しない、という方が少数ながらいらっしゃいました。また、保険の大幅な見直しはしないという意見も。たとえ保険料が安くなっても、必要な保障を確保していなければ、万が一の時には困る事態となります。保険は定期的に見直すべきですが、必要な保障を手放したり削り過ぎたりしないという心がけは大切ですね。

また、「時間がかかる節約を避ける」という回答もありました。スーパーのはしごや過度なポイ活など、かけた労力や時間に見合わない節約も、一度立ち止まって考え直したいものです。

なお、時間をかけずに節約するなら、プランの変更や解約だけで節約できる「固定費」から見直すのがおすすめです。

メリハリのきいた家計を目指そう

しっかり貯めている家庭では、節約に励む一方、出すべきところにはお金を出していることがわかりました。お金をかける項目があるからこそ、優先度の低い項目ではしっかり省き、メリハリのきいた家計になっているのでしょう。

貯蓄1,000万円以上の家庭を参考に、家計を俯瞰し、「節約すべきところ・すべきではないところ」を明確にしてみましょう。