俳優の滝藤賢一と女優の前田亜季が28日、都内で行われたBS松竹東急のドラマ『家電侍』(4月2日スタート、毎週土曜23:00~)の会見に出席し、過酷な撮影を明かした。

  • 前田亜季(左)と滝藤賢一

滝藤演じる江戸時代の長屋に暮らす貧乏浪人・兼梨四十郎の元に、ひょんなことから現代の最新家電が届くようになり、それが原因で様々な事件が巻き起こる時代劇コメディの同ドラマ。前田は、四十郎を陰になり日向になり支える献身的な妻・静江を演じる。

8年前に濱谷晃一プロデューサーからストーリーのアイデアを聞いた滝藤は「正気かと思いました」と思ったことを回想。それでも、撮影を重ねて出来上がった映像を見て、「とっても素敵な作品だなと思うんです」と手応えを感じたが、「プロデューサーの皆さんなどがおっしゃることが不思議で、『まさかの毎回泣けます』『すっかり面白くなっちゃって』とか、どういうつもりでみんなこの作品を捉えていたんだろう(笑)」と、反響の内容に首を傾げた。

撮影は、全13話を21日間で撮るという驚異的に短いスケジュールで、滝藤いわく「衝撃だと思うんです。普通はできないと思います」。スタッフも少人数で、極寒の中での撮影だったため、「食べられるだけありがたいですけど、おにぎりとか凍ってましたから!」という過酷な撮影だった。

さらに、出番も多く、口癖のように「撮っても撮っても終わらない…」と愚痴をこぼしてたそう。そんな中、「前田さんは本当にネガティブなことを一言も言わないんですよ。こんな女神みたいな人いるんだ!と思って。『大変ですね』『こういうことあるんですね』って言って、いつも穏やかに受け止めてくれてたから、僕最後までやれました」と救われたことを明かし、「(撮影中に)1日か2日東京に帰れたんですけど、戻るのやめようと思うくらいキツかったんですよ。でもみんなの顔思い出して、『俺らより絶対スタッフさんのほうがキツいはずだ」と思って」と、気力を振り絞って再び現場に向かっていった。

撮影中は、湯たんぽをや毛布が用意される休憩部屋に癒やされていたそう。前田は「湯たんぽがあんなに活躍するとは思わなかったですね。家電のお話なのにアレなんですけど(笑)」と、原始的なアイテムに助けられていたことに驚いていた。

こうした苦労を重ねて完成した作品だけに、滝藤は「今日皆さんに(試写で)見ていただけて、報われたなと思います。本当にキツかったです」と、しみじみ。「とっても素敵な作品になったと自分では思うのですが、プロモーションの日が今日しかありません! 多くの方に見ていただきたいです!」と切実に訴えた。

  • 2人がほしい夢の家電