テレビ朝日系ドラマ『相棒season20』(毎週水曜21:00~)に出演する水谷豊、反町隆史がこのほど、クランクアップを迎えた。きょう16日には、最終回スペシャル前編が放送される。

  • 左から水谷豊、反町隆史=テレビ朝日提供

2015年10月以来、7年にわたって杉下右京(水谷)とともに数々の事件に挑んできた、冠城亘(反町)。『season20』の最終回スペシャル前編「冠城亘最後の事件―仇敵」は彼のラストエピソードとなる。

最後に撮影されたのは、水谷、反町のほか、青木年男役・浅利陽介、角田六郎役・山西惇が、おなじみ特命係のセットで顔を突き合わせるシーン。「カットOK! これにてオールアップです!」というスタッフの声が響くと、スタジオは大きな拍手に包まれた。反町と水谷は互いに花束を贈り合って力強くハグを交わしたが、そこに乱入したのは、反町の“卒業”を見届けるべく、撮影がない小出茉梨役・森口瑤子、伊丹憲一役・川原和久、芹沢慶二役・山中崇史、出雲麗音役・篠原ゆき子、中園照生役・小野了らこっそりスタジオに駆けつけていたがレギュラーキャストたち。一同からサプライズで花束を渡された反町は、言葉にならないといった表情で深々と頭を下げた。

セレモニーでは、メイン脚本家・輿水泰弘氏をはじめとするスタッフ、キャストからのメッセージを受け、反町は「今日は“ついにこの日が来たな”という気持ちで朝を迎えました。最初の1年目は無我夢中でした。2年目も夢中でした。3年目、少し慣れてきました。そして4年目、5年目と続く中、みなさんと一緒に長くあり続ける冠城亘でいたいなと思うようになり、僕の中で“歴代最多出演の相棒”をひとつの目標としてやってきました」と目に光るものを浮かべながら、ひとつひとつ言葉をかみしめるように挨拶した。さらに「冠城亘として立っていることが精一杯だった日もありましたが、水谷さんとたくさんの犯人と向き合い、たくさんの過酷な撮影に取り組み、7年間、無事完走できたことを本当にうれしく思っています」と水谷に感謝し、「来シーズンから新しい相棒、そして新しい世界観が広がる作品を一視聴者として応援していきたいと思います」と、相棒チームに深く一礼した。

水谷は「『season20』は、なんともいえない感慨深いシーズンになりました。毎年7カ月間、日々撮影に向かうのはとても過酷。いろいろな気持ちを乗り越えて7年間、相棒として横にいてくれたソリに感謝しています」と吐露。途中、水谷が声を詰まらせる場面もあり、そんな姿を見た反町にもこみ上げるものが。また水谷は「人間は岐路に立たされることがあります。『相棒』に残るか、卒業するか……。僕はどちらの道を選んでも俳優として理解できるし、人としてその道を尊重できると思っていました。それはやはりこれだけ長く一緒にやって来たことへの信頼と友情があるからこそです。その思いをこめて、ソリ、本当にありがとう」と、反町の新たな旅立ちにエールを送った。最後に2人は再び握手を交わし、いつまでも名残惜しい様子を見せていた。

■反町隆史(冠城亘役)コメント

今日は「ついにこの日が来たな」という気持ちで朝を迎えました。水谷さん演じる杉下右京の相棒を7年間務めさせていただきましたが、最初の1年目は無我夢中でした。2年目も夢中でした。3年目、少し慣れてきました。そして4年目、5年目と続く中、みなさんと一緒に長くあり続ける冠城亘でいたいと思うようになり、僕の中で“歴代最多出演の相棒”をひとつの目標として歩んできました。

ひとつひとつが僕の思い出であり、水谷さんとたくさんの犯人と向き合い、たくさんの過酷な撮影に取り組み、7年間、無事完走できたことを本当にうれしく思っています。ただ……今日ほど水谷さんの顔を見られなかった日はありません。ここまで成長させてくれたスタッフの方々、キャストの方々に御礼申し上げたいと思います。来シーズンからまた新しい相棒とともに新しい世界観を見せてくれるであろう、この作品を一視聴者として応援していきたいと思います。ありがとうございました。

■水谷豊(杉下右京役)コメント

『season20』ということは、20年です。思えば生まれた子が成人式を迎える年ですから、節目のシリーズであったことは違いありません。その上、『season14』から冠城亘として相棒を務めてくれたソリの最後が重なり、なんともいえない感慨深いシーズンになりました。

7年間というのは長いようで短かったといえばそれですんでしまいますが、毎年7カ月間、日々撮影に向かうということ、これはある意味、楽しいことではあるものの、角度を変えると、とても過酷な7カ月間でもあります。でも、その大変さをみなさんと一緒に乗り切ったとき、ほかの仕事では味わえない、『相棒』だからこそ味わえる充実感が待っている……。だからこそ毎年、『相棒』に挑むことができたのだと思っています。いろいろな気持ちを乗り越えて7年間、相棒として横にいてくれたソリに大変感謝しています。

人間は岐路に立たされることがあります。俳優としてもそんな瞬間があります。『相棒』に残るか、卒業するか……。僕はどちらの道を選んでも俳優として理解できるし、人としてその道を尊重できると思っていました。それはやはりこれだけ長く一緒にやって来たソリへの“信頼と友情”があるからこそです。その思いをこめて、ソリ、本当にありがとう。

また、反町は最終回後編直前の22日に『徹子の部屋』に出演し、『相棒』での思い出や水谷への思いを語る。