日産自動車の「スカイライン」といえば大人気「ハコスカGT-R」の価格が高騰しているが、ハコスカの次に出た「ケンメリ」も相当な人気で、状態のいいものには驚くようなプライスタグが付いている。先日の「Nostalgic 2days」では、2,000万円超の個体に遭遇した。
シリーズ最多販売のケンメリも今やプレミア価格
日産「スカイライン」といえば「ハコスカ」か「ケンメリ」。そのトップモデルである高性能版「GT-R」の人気は相変わらず高く、特に「ハコスカ」と呼ばれた3代目スカイラインの2ドアハードトップモデル「2000GT-R」(KPGC10)は、実際のレースで活躍(1971年の日本GPでは高橋国光、長谷見昌弘の両ドライバーが1-2フィニッシュ)していたこともあり1番人気となっている。
「ケンメリ」の愛称がついた4代目スカイラインのGT-Rは、おりからのオイルショックや排出ガス規制によってレース活動ができなかったためもあり、わずか197台しか生産されなかった。そうした希少性もあって、こちらの価格も高騰している。
そんな中、「Nostalgic 2days」で見つけたのが、4代目最終型スカイライン(1976年製)のハードトップ2000GT(C-GC111)だ。件のCMで「ケンメリ スカG」と呼ばれたモデルそのものである。搭載していたのは2.0L直列6気筒SOHCの「L20型」エンジン。GT-Rの「S20」のような高性能エンジンではないものの、その扱いやすさやカッコよさ、手に入れやすさからスカイラインシリーズで最多の67万台以上が売れた。
展示されていた個体は1976年の最終型ということで、テールの「NAPS」バッジが示すように昭和51年の排出ガス規制適合車となり、最高出力は115PSと控えめ。それを気にしてNAPSバッジを取り外すユーザーがいたというから、これがそのままついているだけでも希少だ。当時のカタログや説明書、ケンメリのステッカーなどが良好な状態で保存されているのも嬉しいところ。「人気車種スカイラインからの提言」として、「美しい自然を守るために、高原や浜辺でのゴミはまず私たちが率先して持ち帰ることを約束しませんか。BEAUTIFUL NATURE―――“美しい自然”」に触れているのも、時代を超えていてなかなかだ。
ホワイトのボディやエンジンルーム内のパーツなどは限りなく純正に近い雰囲気。ダッシュボードや木目のパネルには割れがなく、純正のウッドステアリング、7連メーター、ラジオ、日立製オートリバースカセットデッキ、5速のウッドシフトノブなどはとてもいい状態。ブラックのビニールレザーシートの艶感も健在だ。
シートベルトには1976年製の文字が英文で刻まれ、NISSANのOKステッカーやPRINCE TOKYOのシールもしっかりと残っている。このモデルから始まってこれ以降のスカイラインの象徴となった丸型4灯のテールライトやリアホイール周りのサーフィンラインが美しいこのクルマのメーター走行距離は5万2,121km。ヤフオクとBH AUCTIONで販売されるというその価格は、スタート価格がなんと2,000万円超えの2,176万円(!)というからちょっとびっくり。GT-Rでなくても、今やこんな値段になっていたのだ。