スーパー戦隊シリーズ第46作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』が、2022年3月6日より放送スタートする。本作は、日本における冒険ファンタジー活劇の“原点”というべき昔話『桃太郎』をベースにした5人のヒーローが、人類を脅かす邪悪な敵を相手に戦う作品となる。
マイナビニュースでは『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』放送開始を記念し、キャスト陣の単独インタビューを敢行。今回は、ドンモモタロウ/桃井タロウを演じる樋口幸平に登場してもらった。タロウは生まれながらにして「嘘がつけない」性格で、宅配のアルバイトで生計を立てる21歳の青年。ありとあらゆる人の元へかけつけ、荷物と一緒に“幸せ”を運ぶという不思議なムードを持った男。放送第1回でどのような活躍をするのか、いやおうなしに期待がふくらむコメントの数々をお楽しみいただきたい。
――2月9日に行われたオンライン制作発表会見では、ドンブラザーズの5人と「脳人(ノート)」の3人、計8人でのダンスがすごくカッコよくて、評判になりましたね。最初に、あのダンスを生披露されたときのことについて、お話を聞かせてください。
あのダンスは『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のオープニングダンスなんですけれど、本番まで練習をめちゃくちゃやりました。僕はダンスの経験がなく、みんなの中でいちばんヘタだと思ったので、足を引っ張らないよう一生懸命練習したんです。みなさんから評判が良かったと聞くと、頑張った甲斐がありました。最初に「ダンスをやります」と知らされ、映像で資料が送られてきたときは、絶対無理! ダメだ!と恐れていたのですが、振付の彩木エリ先生に指導していただいて、なんとか乗り越えられました。
――映像ではかなり樋口さんがアップ抜かれていましたが、ダンス経験豊富なのかなと思うくらい自然な感じでしたよ。
そう見えていたらありがたいですね。僕はあのダンスしか踊れませんから(笑)。
――初めてドンブラザーズのみなさんが集まったとき、どのように打ち解けていったのでしょう。
僕は人と話すのが好きなので、どんどん自分から声をかけていったんです。ドンブラザーズのメンバーはみんな、最初からいい雰囲気だったこともあり、すぐに溶け込めました。みんなのムードメーカーは、ヒロさん(鈴木浩文)。人として器が大きいというか、ヒロさんの人柄のおかげでみんながまとまっている感じがします。僕とヒロさんは出身が同じ兵庫県なので仲よくさせてもらっていて、いつも話が盛り上がります。
――桃井タロウ役はオーディションでつかまれたそうですが、何度か審査を受けていくうち、これは合格するかも、という手ごたえを感じたりしたのでしょうか。
とにかく毎回のオーディションに必死で臨んでいましたが、まさか合格するとは……と結果を聞いたときは驚きました。ただ、1次の面接のときから赤いニットを着て参加していたんです。やはりスーパー戦隊といえばレッドですし、レッドになりたい!という熱意を伝えたくて。1次に通って、2次審査の際にも赤を着ていきました。そして3次では、あえて白い服にしたんです。こんどは「どんな色でも僕はやれますよ!」というアピールです(笑)。受けるからには合格したかったので、今の自分にできることは何か、真剣に考えていました。
――樋口さんは俳優をされる前、サッカー選手としてずっと活動してきたんですね。
もともとJリーグの育成選手として、兵庫から上京していました。しかし2020年の秋ごろ、プロになれないことがわかり、そのときはすごく落ち込みました。サッカーにすべてをかけていましたから。それで兵庫に帰ろうと思ったのですが、その前に今持っているお金をぜんぶ東京で使っちゃおう!と思って都心まで出てきたら、その日にスカウトされ、この仕事を始めることになりました。
――桃井タロウは劇中で「人と人との“縁”」を大事にしていますが、樋口さんが俳優の道に進まれたのもひとつの「縁」からなんですね。
まさに「縁」は大事だと思います。タロウ役に選んでいただいたのも縁。これから1年間、タロウを大切に演じていきたいです。
――樋口さんが演じる桃井タロウとは、どんなキャラクターなのでしょうか。
タロウはどんなことでも、なんでも出来てしまう、とても主人公らしい男。なんでも出来るがゆえに、人が離れてしまうことだってあります。出来すぎるのも決していいことじゃないんだよ、と知ることができて、僕自身タロウのことがすごく好きになりました。
一風変わった人間味を持つタロウは、とても魅力的なんです。そしてドンモモタロウに「アバターチェンジ」した後は、もとのタロウと性格が変わってしまうのも面白いところ。タロウのとき心の中で抑えているような感情やふるまいが、全部表に出てしまいます。「暴れてやるぞ! 祭だ! 勝負だ!」って感じで(笑)。変身前と変身後の「変化」をいかに表現するかが、この役を務めるときにいちばん考えることですね。
――チェンジ後のドンモモタロウを演じられるのはどなたですか。
浅井宏輔さんです。2人でひとつの役を演じるということで、コミュニケーションを積極的に取るよう心がけています。LINEを交換して、ひんぱんに連絡を取り合っているんです。浅井さんは本当にいい方で、どんな人に対しても礼儀正しく、腰が低い方。ですから僕はもっと腰を低くしないといけないなと思うので、腰が痛くなります(笑)。ドンモモタロウが派手に動き回りますので、引っ張られないようにしないといけません。浅井さんのお芝居に僕が合わせるというよりは、2人が息を合わせて面白いタロウ=ドンモモタロウを作ることができればいいなと思います。