記事広告とは、通常の記事のような形式の文章で新聞・雑誌・WEBなどのメディアに掲載する広告のことです。他のネット広告と違って広告・宣伝色があまりないのが特徴ですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。今回は記事広告の主な特徴、使うのに向いているパターンなどについて解説します。
記事広告とは有名メディアに記事として掲載する広告のこと
記事広告とは、他社の有名なメディアに自社商品・サービスの紹介記事を掲載する形式の広告のことです。第三者目線で紹介してもらうことにより記事内容の客観性を高め、説得力を増すことができます。
広告・宣伝色が薄いのが特徴であり、一見すると広告だと分からないものも多く見られます。そのため、通常の記事と識別できるように「Sponsored」「PR」「広告」などの表記が付けられます。こちらのマイナビニュースでも、記事広告が配信されています。
皆様も、最初は普通の記事だと思って読み進めていき、最後に広告だと分かったという経験があるのではないでしょうか。優れた記事広告は、広告だと分かってもユーザーがネガティブな印象を感じることはほとんどありません。なぜなら読み物として優れており、新たな情報を提供してくれて説得力もあるからです。
ちなみに記事広告の費用は、1本あたり数十万円~200万円ほどとされています。WEB広告としては高めですが、記事広告は数日ですぐにできるものではなく、制作にはある程度の時間・コストがかかるためです。
記事広告の主な6つの形式
記事広告を分類すると、以下の6種類があります。
・通常記事
・インタビュー
・体験レポート
・ユーザーの声
・テスト・クイズ
・SEO
上記のうち、インタビュー形式の記事広告に見覚えがある方もいるのではないでしょうか。たとえば新たに公開される映画について、主演俳優へのインタビュー形式で制作される記事広告は多く見られます。また新商品について開発者にインタビューをして、開発に至った経緯や苦労した体験などをまとめているものもよく見かけます。
記事広告を利用するメリット
記事広告には、下記のような独特のメリットがあります。
深い理解を伴う認知につながる
記事広告は他の広告と比べて、使える文字数が圧倒的に多いため、商品・サービスに関する情報を詳しく伝えることができます。読み物としてじっくり読んでもらうことで、単なる認知向上だけでなく、読者に深く理解してもらうことが可能です。
商品・サービスのベネフィットをしっかり把握してもらうことにより、成約率の向上も期待できます。
客観性や第三者の視点により説得力が増す
掲載されるメディアの権威性・客観性を得られるのも、記事広告のメリットです。「この有名なメディアに掲載された記事なのだから、ある程度は信頼できるだろう」と考える読者は多いため、商品・サービスの説明内容も一定程度は信頼してもらえる可能性が高いです。
また記事広告は広告主自らではなく、通常は掲載するメディアが制作します。第三者の視点による解説が加わるためさらに説得力が増します。
安定した流入が期待できる
記事広告を掲載するメディアは非常にドメインパワーが高く、サイトとしてのGoogleからの評価も高い傾向にあります。またSEOを施し、掲載期間も設定なしにすれば、外部から長期的に安定的な流入が期待できます。
記事広告の利用に相応しいシチュエーション
記事広告は、下記のような場合に利用するのがおすすめです。
既存にはない新しいベネフィットを提示したい
これまでになかったような価値やベネフィットを提案する場合、ユーザーに理解して受け入れてもらうには時間がかかります。WEB広告もマス広告も、バナーや記事下などの広告枠内で短い表現を利用することになり、断片的な情報になってしまうことも。新しい価値や魅力は、限られたスペース・短い時間ではターゲットに十分に伝えられないかもしれません。
記事広告ならWebの1ページを丸ごと使い、丁寧に説明をしていくことができます。最初は疑問に思っていたユーザーも、記事広告を読む進めるうちに説得され、斬新なベネフィットに魅力を感じてもらえる可能性があります。
新たな層のユーザーを開拓したい
記事広告はテレビCMなどと違い、リーチできる範囲はそれほど広くありません。その代わりに、訪れたユーザーに対して深く細かい説明ができるのがメリットです。
この特性を考慮すると、これまでとは異なる層のユーザーを獲得するのに向いていると言えます。ユーザー像やペルソナを明確に定め、ターゲット層が多く集まっているメディアで記事広告を利用することで、効率的にアピールできます。
競合他社との差別化がしづらい
商品やサービスについて、競合他社のものと明確な違いがなく差別化がしづらい場合も、記事広告を利用するのに向いているケースです。差別化が難しい場合は、ユーザーの体験談によって購入を後押しできることもあります。
第三者からの多角的な視点の情報を届けることで説得力が増し、好印象を与えることが可能です。
記事広告の注意点
メリットの多い記事広告ですが、下記の点には注意が必要です。
メディア側の審査が行われる
雑誌なども同様ですが、掲載するメディアに相応しいと判断される記事でないと最終的なOKが出ません。記事広告はメディア側が制作するので、当然審査を前提とした内容となります。場合によっては、広告主が希望する内容のうち一部は反映されないこともあります。
ちなみにWEB広告は従来審査が簡単とされてきましたが、健康食品やダイエット商品など問題のある広告の事例も相次いでいることから、審査はやや厳しくなりつつある傾向です。
出稿費用は高額
WEB広告の中でも記事広告の出稿費用の相場は高めになっています。影響力のある、有名なメディアほど費用はさらに高くなる傾向で、1本あたり100万円以上することもあります。
媒体の特性に沿った広告でないと効果が出ない
各媒体はそれぞれ特定のユーザー層に強みを持っています。よって商品・サービスはもちろん、記事広告内容についても各媒体のユーザー層にマッチしていないと効果が出ません。
たとえば第一線で働く女性に向けた記事広告なら、30代~40代女性の多い媒体を選ぶ必要があります。
記事広告の事例
マイナビニュースに掲載されている記事広告の事例を紹介します。
VISAデビットのポテンシャル
マイナビニュースとVISAのコラボにより、デビットカードについてイラストも交えながら解説するPR記事です。若年層にとってあまりなじみのないデビットカードについて、仕組みや利用するシーン、メリットを解説しています。
1つ1つの記事はキャラクターによる会話形式で、スマホで簡単に読み進められるスタイルになっています。また記事の途中には動画へのリンクもあり、さらに詳しい情報を入手することも可能です。
記事内容はデビットカードを使ったキャッシュレス決済の便利さから始まり、VISAデビットの優れた点をアピールし、VISAデビットの公式サイトに誘導してコンバージョンに結び付ける流れです。
このようなメディアとのタイアップによる記事広告は、コンテンツとして優れているため、ユーザーを惹きつけながら広告主の情報提供をすることができます。また、広告・宣伝色があまりないようにみえて、新規ユーザー層を開拓したりアクションのきっかけを与えたりとユーザー心理に効果的に働きかけてくれます。