WOWOWは16日、ベストセラー作家・池井戸潤の『シャイロックの子供たち』をドラマ化すると発表した。

『シャイロックの子供たち』池井戸潤(文春文庫刊)

池井戸が「ぼくの小説の書き方を決定づけた記念碑的な一冊」と明言し、作家人生の転機として位置づけてきた本作。タイトルの「シャイロック」とは、シェイクスピアの戯曲『ヴェニスの商人』に登場する強欲な金貸しの名前。銀行という組織を通し、普通に働き、普通に暮らすことの幸福と困難さを鮮烈に描いた群像劇である。

物語の舞台となる東京第一銀行長原支店は、中小零細企業が主な取引先の小さな店舗。出世街道を外れた課長代理・西木雅博をはじめ、家族を支える真面目な女性行員、エリートで策略家の支店長、業績のためにはパワハラも辞さない副支店長、業務課のエースなど、個性豊かでひと癖ある行員たちがそれぞれの事情や葛藤を抱えながら働いていた。

そんなある日、100万円の現金紛失事件が発生。女性行員が犯人として疑われるが、事件を追っていたはずの西木が突然、失踪してしまう。現金紛失事件と西木の失踪、2つの謎と長原支店の行員たちの物語が交錯していく中で、現金紛失事件の裏に隠された「不正」 と失踪の「真相」が明らかにされていく。監督は鈴木浩介、脚本は前川洋一。主人公の西木をはじめとする登場人物のキャストは今後、随時発表される。