東京都交通局は16日、都営三田線に導入する新型車両6500形の報道公開を行った。都営三田線の現行車両6300形は6両編成だが、新型車両6500形は8両編成。5月14日から運行開始し、2022年度末までに13編成を順次導入する。
都営三田線は東急目黒線と相互直通運転を実施。2023年3月に予定される相鉄・東急直通線の開業に合わせ、相鉄線から東急東横線・目黒線、東京メトロ副都心線・南北線、都営三田線、東武東上線などへの直通運転が計画されている。東京都交通局では、都営三田線の一部車両を6両編成から8両編成に変更し、輸送力を増強するとしており、新型車両6500形の試運転をはじめ、ホームドアの更新・増設など駅施設の改修も進められている。
新型車両6500形は、従来の6両編成から2両増やした8両編成とすることにより、定員が1編成あたり1,172人(6両編成の定員は1編成あたり862人)に増加。外観は直線的な形状となり、車体前面は黒を基調に、都営三田線の路線カラーであるブルーも取り入れたデザインに。車体側面も窓周りをブルーの配色としている。
車内はオールロングシート。快適な車内空間とするため、座席の幅を広くするとともに、大型化した見通しの良い仕切りを採用。乗降口脇のスペースを広く取り、ラッシュ時でもスムーズに乗降できるようにした。吊り手や手すりの数を充実させるとともに、低い吊り手や荷物棚も設置。車いす・ベビーカー利用者や大きな手荷物を持った利用者向けのフリースペースを全車両に設置している。
ドア上の液晶モニターは多言語対応とし、日常的に利用する人から訪日外国人まで充実した案内情報を提供。移動中、手持ちのモバイル端末で必要な情報を入手できるように、車内で無料Wi-Fiサービスを提供する。防犯カメラは全車両に設置し、車内でのいたずら・迷惑行為や犯罪行為の未然防止、テロ対策等に向けたさらなるセキュリティ強化を図った。車内照明にLEDを採用し、VVVF制御装置に低損失なSiC素子を一部採用するなど、省エネルギー化にも取り組む。感染症対策として抗ウイルスコーティングも施工した。
都営地下鉄の車両では初という「車両情報収集システム」も搭載。走行中の車両から無線通信で各種データ(ブレーキ、速度、混雑状況など)を送信することで、指令所・指令基地等の離れた場所でもリアルタイムに車両状態を確認でき、車両異常時の迅速な対応も可能となる。収集した車両データの蓄積・分析により、異常の早期発見や部品交換周期の最適化など、より効果的な予防保全にも活用できるとのこと。
新型車両6500形は昨年11月に第1編成を搬入。その後も順次搬入され、営業投入に向けた試験調整などが行われてきた。2022年度から営業投入し、都営三田線の現行車両6300形を順次置き換える予定としている。新型車両6500形の運行ダイヤは決まり次第、発表するとしている。