東京都交通局は、IoTやビッグデータなどのデジタル技術を活用して車両の状態をリアルタイムに可視化する「車両情報収集システム」を都営三田線の新型車両6500形に導入すると発表した。

  • 都営三田線の新型車両6500形

東京都交通局では、走行中の車両状態を指令所などで確認することにより、異常時対応の迅速化などを図るとともに、収集・蓄積するさまざまな機器のデータを活用した新たな保守にも取り組んでいる。都営三田線の新型車両6500形の導入に合わせ、車両情報収集システムを2022年度中に運用開始する予定となった。

車両情報収集システムは、車両のデータをリアルタイムに収集し、車両状態の可視化を実現。一例として、走行中の車両から各種データ(ブレーキ・速度・混雑状況など)を無線通信で送信することにより、指令所や車両基地などの離れた場所でもリアルタイムに車両状態を確認できる。車両異常時には、詳細な状況を指令員と保守作業員が迅速かつ正確に共有することで、復旧作業の円滑な実施が可能となる。

  • 車両情報収集システムのイメージ

収集した車両のデータを蓄積・分析し、予防保全などに活用することも可能。たとえばデータを自動的に蓄積することで、機器ごとの詳細な傾向分析が可能となるほか、分析結果を活用することで異常の早期発見や部品交換周期の最適化など、より効果的な予防保全をめざすことができる。