コンビニなどでも見かける機会が増えた“低糖質”や“糖質カット”の文字。最近では自宅で食事の糖質カットができる調理家電も発売されています。なかでも筆者が気になるのは「糖質カット炊飯器」。

糖質の高いごはんがおうちで糖質カットできるのは嬉しいですが、気になるのはその味……「糖質カット」の食べ物って、ちょっと物足りないこともありますよね。果たして美味しいのでしょうか。今回、糖質カット炊飯器を2種類用意し、炊き上がったごはんを食べ比べてみました。

今回選んだのはこの2つ。AINX(アイネクス)「糖質カット炊飯器 Smart Rice Cooker(スマートライスクッカー)」と、LOCABO(ロカボ) 「糖質カット炊飯器 LOCABO」です。

  • 今回炊き比べをする糖質カット炊飯器2種。左はAINX「糖質カット炊飯器 Smart Rice Cooker」、右はLOCABO「糖質カット炊飯器 LOCABO」

いずれも購入すると2万円前後する糖質カット炊飯器。糖質カットは魅力的でも、買った後に味が好みでなかったりと後悔はしたくないもの。今回は家電お試しサービス「レンティオ」の協力を得て、2台で比較してみます。果たして味の違いは……?

AINX「糖質カット炊飯器 Smart Rice Cooker」

今回試す糖質カット炊飯器2種類はどちらもシンプルなデザイン。キッチンに置いても、インテリアにしっくり馴染んでくれそうです。また幅・奥行・高さいずれも26cm以下とコンパクトな設計なので、狭い場所にも収納可能です。

まずはAINXの「糖質カット炊飯器 Smart Rice Cooker」から炊いていきましょう。

  • AINX「糖質カット炊飯器 Smart Rice Cooker」

AINX「糖質カット炊飯器 Smart Rice Cooker」 製品スペック
メーカー希望価格:21,780円(レンティオレンタル料金 14泊15日3,980円)
本体サイズ:横220×奥行235×高さ225mm
本体重量:約2.15㎏(内釜含む)
保温時間:最大12時間
モード:白米、低糖質、玄米、おかゆ
予約:2時間~24時間で30分単位
炊飯容量:白米4合、低糖質2合、玄米1.5合、おかゆ0.5合
付属品:計量カップ、しゃもじ、糖質カットトレ-
糖質カット率:最大33%

いつものお米で糖質を最大33%カットしてくれる糖質カット炊飯器。炊飯の工程で、デンプン(糖質)が水に溶け出し、煮沸したものが炊飯器上部に設置した「糖質カットトレー」に溜まる仕組みになっているそう。

  • 糖質カットトレー

炊き方はとてもシンプル。まずは内釜、計量カップなどをきれいに洗い、付属の計量カップを使ってお米を正しく軽量し、内釜に入れて洗米。付属の計量カップすり切り1杯が1合になるので平らに整えて測りましょう。

  • 付属の計量カップすり切り1杯が1合

次に、洗米を素早く行い、内釜の水位目盛をみて水加減をします。

内釜の水気を拭いて炊飯器にセットし、糖質カットトレーを内釜の上に乗せたら炊飯器の蓋を閉めます。モード選択ボタンを押して“低糖質”に合わせたら炊飯開始!

いざスタートしてみると無音で本当に動いているのか不安になるほど。1合で炊いてみたところ、40分ほどで炊けました。

蓋を開けてみると、糖質カットトレーに乳白色の液体がたっぷりと溜まっています。

  • 炊き上がった後の糖質カットトレー。このたっぷり溜まったのが糖質…

見た目は多少水っぽい印象はありましたが、通常の炊飯と変わらないふっくらとしたごはんが完成しました。

LOCABO「糖質カット炊飯器 LOCABO」

次に試すのがLOCABO「糖質カット炊飯器 LOCABO」。こちらもスタイリッシュなデザインです。糖質をカットしながら、独自製法"LOCABO炊き"で お米本来の美味しさを実現するそう。

LOCABO「糖質カット炊飯器 LOCABO」 製品スペック
直販価格: 24,000円(レンティオレンタル料金 14泊15日4,980円)
本体サイズ:横255×奥行220×高さ220mm
本体重量:約2.3㎏
保温時間:最大24時間
モード:白米(ふつう・やわらかめ)、糖質カット炊飯(ふつう・やわらかめ)、玄米、炊き込み、スチーム(蒸し料理用)、再加熱
予約:1時間~24時間で30分単位
炊飯容量:白米5合、糖質カット炊飯2合、玄米5合、炊き込み4合
付属品:計量カップ、しゃもじ、内釜
糖質カット率:最大45%
カロリーカット率:最大44%

最大で糖質を45%、カロリーを44%もカットするという「LOCABO」。炊飯時に発生したデンプン(糖質)がお米に付着しないよう、蒸し器のような構造になっています。炊飯だけでなくスチーム機能で蒸し料理も作ることが可能なのだそうです。

こちらの使い方もとても簡単。まずは内釜、外釜、計量カップなどをきれいに洗い、付属の計量カップを使ってお米を正しく軽量し、洗米。付属の計量カップすり切り1杯が1合になるので平らに整えて測りましょう。

洗米したお米を内釜に平らになるように入れます。

外釜に水を入れます。

外釜・内釜を本体にセットして、メニューを押し「糖質カットモード」で好きな硬さを選びスタートを長押し。

音は動いているのが微かにわかるくらいの静かさ。45分ほどで1合のごはんがふっくらと炊き上がりました。

内釜を外すと、外釜にはほんのりと濁った水が……。

どちらの糖質カット炊飯器も、ほぼ変わりなくいつものお米を炊く工程で炊き上がりました。なお低糖質で炊いたごはんは保温すると味が落ちるので、なるべくすぐに食べ切ることがオススメなのだそうです。

実食! 食べ比べた結果は?

見た目や味はどのように変化するのか、いつも家で使っている通常の炊飯器で炊いたごはんをベースに比べてみました。筆者は美味しいもの好きではありますが、そこまでの変化には敏感でないと思うので、料理人の夫にも参戦してもらうことに。

  • 左:「Smart Rice Cooker」で炊いたごはん、右:「LOCABO」で炊いたごはん

「糖質カット炊飯器 Smart Rice Cooker」のごはん

  • かたち:ややねっとり感はあるが粒ははっきり
  • 匂い:デンプンのような強めなお米の香り
  • 甘さ:あっさりとしているが甘味が引き立っている
  • 硬さ:もっちりとしたほんのりと柔らかめ
  • 後味:ごはんの甘さが残る

「糖質カット炊飯器 LOCABO」のごはん

  • かたち:粒ははっきり、ツヤっとしている
  • 匂い:ほぼ無し
  • 甘さ:とてもさっぱりとしていてほぼ甘さを感じない
  • 硬さ:粒感を感じるやや硬め
  • 後味:ほぼない

普段食べているごはんと比べると、「Smart Rice Cooker」は水分量が多い印象でした。糖質カットのはずなのに、甘さは普通のものよりも感じられ、後味もお米らしい甘さを楽しむことができます。

一方で、「LOCABO」はごはんの粒感をはっきりと感じられるすっきりとした味わいに。甘さや後味はほぼありませんが、食感があるので満足感を味わえます。

どちらの糖質カットごはんも、通常のごはんと比べると、味や食感は若干の違いはあるものの、何も言われずに出されたら気づかないほどのクオリティでした。糖質を抑えながら罪悪感なく食べられるのは得した気分になれます。

ごはんのお供があれば通常のごはんと比べた時の違和感がほぼなくなりましたが、大のお米好きの人からすると糖質カット炊飯器で作ったごはんを白飯で食べると、何か物足りない印象はあるかもしれません。

健康志向が高まり、以前よりも糖質を気にする機会も増えている昨今。主食から糖質コントロールをしたい方は、好みの一台を見つけてみてはいかがでしょうか。