今年、筆者は3㎏のダイエットに成功した。「たいしたことない」と思われるかもしれないが、この5年、様々なダイエットを試みてもせいぜい1㎏しか痩せなかったのに、半年で3㎏減量できたのは奇跡にも近い。結局、行き着いたダイエット法は、古式ゆかしいカロリー計算をベースにした、糖質を控え、タンパク質を強化する食事だった。

  • 高タンパク質、低糖質、低カロリーのヘルシーカップ麺を食べ比べ

鶏胸肉とプロテインの日々をストイックに続けていると、どうしてもジャンクなものを欲する。ふと、スーパーのカップ麺コーナーで目に入ったのが日清の「カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質」だった。調べてみれば、「ロカボ」「カロリーオフ」「低糖質」をうたったカップ麺が各メーカーから発売されていた。そこでダイエット中でも罪悪感なしに食べられる300kcal以下のカップ麺4種類を、栄養成分や味わい、原料などで比べてみた。

日清食品「カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質」

  • 日清食品「カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質」(購入時181円、メーカー希望小売価格222.4円)

食べ慣れたカップヌードルでタンパク質が15g摂れる! 筆者は年齢や身長・体重から割り出し、1日にタンパク質は80~90g摂るのが目標だ。ゆで卵ならおよそ10個分以上に匹敵する量でクリアするのに苦労している。それがカップヌードルで15g摂れるのは嬉しい。パッケージによると「ハイプロテイン謎肉」が入っており、これが従来のカップヌードルの肉に比べ、タンパク質量が1.8倍になっている。

糖質も従来製品の50%オフで15.3g。麺の食物繊維を練り込んだ三層麺製法に、油で揚げて乾燥させる工程を組み合わせて、おいしく糖質オフを実現したという。紙蓋をはがすと、従来製品と同じく肉、エビ、卵が表面を覆っている。熱湯を注いで3分蒸らすのも同じだ。まず肉を食べてみる。しっかり噛める肉の質感に驚き!謎肉はパッケージの説明通り、確かにいつもの謎肉より肉肉しくなっている。

心なしか、麺が従来品よりツルツルしていて、軽快にすすれた。エビの食感もしっかりあり、卵はいつもようにふわふわで大満足。スープを全部飲んでもカロリーは274calだが、 最近の食べ過ぎを反省し、スープは残したので236kcal。

<日清食品「カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質」のポイント>
・肉肉しい、プロテイン強化肉が秀逸
・従来商品の1.8倍のタンパク質が摂れる
・食べ慣れたカップヌードルの味とまったく同じ

エースコック「ロカボデリ リンガーハットの長崎ちゃんぽん 糖質オフ」 

  • エースコック 「ロカボデリ リンガーハットの長崎ちゃんぽん 糖質オフ」(購入時248円、メーカー希望小売価格248.4円)

エースコックがちゃんぽんの名店「リンガーハット」と共同開発したこのカップ麺は、独自の技術で作り上げた低糖質麺が特徴。一般的なノンフライカップ麺(同商品の麺、かやく、スープを含む総量と同じ85gと仮定)の糖質は50.4g程度だが、同商品は33.6g以下と、約30%少ない。タンパク質量は9.9gで、ゆで卵1個(7.74g)より多く、食物繊維も10.7g含まれている。カロリーは291kcalと少し高い。

湯の量は360mlと多めで、蒸らし時間も5分間とちょっと長い。だが、待ったかいがあった。ちゃんぽん麺らしい太くて、もっちりした麺は食べ応えがあるし、リンガーハットのこだわりだという国産100%のキャベツ、にんじん、コーンの食感もシャキッとしている。ちゃんぽんに欠かせないかまぼこも、ムチッとした歯触りが再現できている。

薄味なのだが、満足感の高いスープは、ポーク、魚介の旨みを重ねてあり、ニンニクの風味もある。味にパンチが感じられるのは、オニオンラー油のおかげだろう。ダイエット中はラーメンのスープを飲み干すのはタブーだが、このカロリーならいいだろうと最後まで飲んでしまった。お腹の中からあたたまり、すっかり満腹になった。

<エースコック 「ロカボデリ リンガーハットの長崎ちゃんぽん 糖質オフ」のポイント>
・食べ応えのあるもっちり太麺
・国産野菜で食物繊維も豊富に摂れる
・ダイエット中でも有名店のちゃんぽんが味わえる

明星食品「ロカボNOODLES 野菜たっぷり 醤油」

  • 明星食品「ロカボNOODLES 野菜たっぷり 醤油」(購入時193円、メーカー希望小売価格208.4円)

2015年から低糖質カップ麺を発売してきた明星食品が、低糖質麺にたっぷり野菜を加えたのが「ロカボNOODLES 野菜たっぷり」シリーズだ。今回試した「醤油」のほかに、「タンメン」と「ソース焼きそば」があり、こちらもおいしそうだ。食物繊維を配合することで糖質を抑えたノンフライ麺は共通。「醤油」にはメンマ、ニンジン、ネギ、ニラのかやくと、鶏がらベースの醤油スープを合わせている。 

ノンフライ麺にはレタス約5個分の食物繊維(レタス可食部300gを1個分として換算し、レタス100g中の食物繊維を1.1gとして計算)が含まれており、これは成人が1日に目標とする摂取量の2/3を占めるという。カロリーは152kcalとかなり低い!糖質は15.9gと一般的なカップ麺1食(同じ重量で換算)の約半分だ。タンパク質も7.6g摂れる。

お湯を注いで4分蒸らす。緑色のネギが表面を覆い、商品名の“野菜たっぷり”感は十分だ。まずは別添の液体スープなしにひとすすり。塩味だけのスープだ。すぐに液体スープを加えると、あっという間に焦がしネギのような香ばしい香りと、香辛料で本格的な醤油味スープになった。ネギもたっぷりで嬉しいが、メンマのコリッとした食感が気に入った。あっさりしているので、おいしい醤油味スープは飲み干してしまった。

<明星食品「ロカボNOODLES 野菜たっぷり 醤油」のポイント>
・ネギがたっぷり入っている
・糖質とカロリーはオフで、食物繊維は1日に摂るべき2/3量をまかなえる
・パンチの利いた醤油味

ローソン「淡麗コクしおラーメン」

  • ローソン「淡麗コクしおラーメン」(購入時150円、ローソン標準価格150円)

「淡麗」という言葉にも惹かれたのがローソンのPBカップ麺だ。カップに「全粒粉入りノンフライ麺」とあり、ノンフライ麺は珍しくないが、“全粒粉入り”はダイエッターとして大いに気になった。全粒粉は小麦の外皮も一緒に挽いた栄養満点の小麦粉で、白い小麦粉より血糖値が上がりにくいとされている。ただ、そのぶん食感があまりよくないのではないかと懸念。特にヘルシーをうたっている商品ではないが、カロリーは232kcalと低く、タンパク質量は6g、糖質は37.9g。

湯はこのサイズのカップ麺にしては多めの340mlだ。そして蒸らし時間も5分と長い。全粒粉入りの麺だからだろうか。香味油を入れずにまずひと口スープを飲んでみた。野菜だしだというスープは塩味がまろやかで、コク深い。麺はツルシコとでも言おうか、しなやかだが食感もある。具はキャベツ、ニンジン、ネギ、卵、味付き鶏肉。

別添の香味油を入れると、ニンニクや胡椒が入っているのか、途端に味にエッジが利いた。パンチのある味がまろやかなスープをキリッと引き締める。個人的には、香味油を入れないほうがホッと休まる味だった。

<ローソン「淡麗コクしおラーメン」のポイント>
・全粒粉入りの麺がツルツルと食感がいい
・添付の香味油のある、なしで2Wayの味わいが楽しめる
・150円とお値打ち価格

コロナ禍で巣ごもり生活が続き、「ダイエットしなきゃ」という人も多いことだろう。カップ麺はダイエット中に諦めなければならない食べ物の筆頭にあったが、カロリー控えめなだけでなく、タンパク質を強化した商品も登場し、無理のない減量をサポートしてくれそうだ。