川栄李奈の女優としての評価は年々うなぎのぼりだ。演技力が高く評価され、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(総合 毎週月~土曜8:00~ほか)では、3人目のヒロインを勝ち取ったが、天真爛漫な大月ひなた役は、まさに川栄にぴったりな役どころといえそう。10日の放送で初登場した川栄が、本作への思いや撮影秘話を語ってくれた。
「これまで何度もオーディションを受けてきて合格しなかったので、今回も実は受かると思っていなくて。決まったと聞いた時は、すごくびっくりしました」と出演が決定したときの心境を明かし、「オーディションがあることはネットで知ったのですが、その時点で3世代の物語ということを知って、すてきだなぁ、やりたいなぁと思っていました。オーディションでは、安子とひなたの役をやりましたが、すごく楽しくて。実際に演じることができて、本当に幸せです」と喜びを語る川栄。
朝ドラ出演は『とと姉ちゃん』以来2度目の出演となったが、今回は重責のヒロインを務めるということで、「現場で自分がヒロインだと感じる瞬間はありますか?」と尋ねると「あんまり感じてないかもしれないです」と意外な答えが返ってきた。ヒロインへのプレッシャーも「特になかった」と言う。
「朝ドラのヒロインは、とにかく大変というイメージがありますよね。通常、みなさんは10カ月間、1人で務められるので、本当にへとへとになると聞いていましたが、『カムカムエヴリバディ』は3人で1つの物語なので、すごく楽しいまま終われそうな気がします。もちろん大変なシーンもありますが、共演者のみなさんと絡みたいというワクワクした思いのほうが強いです」。
だが、「オンエアを観ていて、安子さんもるいさんも稔さん(松村北斗)、も、みなさんが『ひなたの道を歩いていきたい』と掲げ、『ひなた』というワードが何度も何度も出てくるので、自分がひなた役を演じるということでのプレッシャーはけっこう感じています」と告白。「でも、実際に演じてみて、お母さんお父さんが作ってくれる空気感というものがあってのことだとは思いますが、ひなたが自由に伸び伸びと生きている子なので、撮影していて楽しい気持ちの方が大きいです」と話した。
ひなたが登場する京都編では、最初に新津ちせが子役時代を演じ、その後、川栄にバトンタッチするという流れだった。川栄はひなた役について「10代のひなたはすごいやんちゃというか、アグレッシブな女の子です。衣装さんやメイクさんが、髪型やメイク、衣装を年代に合わせて作ってくださるので、すごく役に入りやすいです」とスタッフ陣に感謝する。
両親役の深津絵里とオダギリジョーの演技にも助けられているようで、「本当に穏やかです。お二人の空気感が優しくて温かいので、この2人のもとでのびのび育ったひなたという役を自然に演じることができて、とてもありがたく思っています」と語る。
「深津さんは、ポスター撮影の時に初めてお会いしました。小さい時からテレビで見ていた方なので、本当に感激して、ずっと見つめてしまいました。るい編も見ましたが、お芝居も本当にすてきでした。18歳から今のお母さんになるまで、いろいろなお芝居のアプローチをされていて、見習うところばかりだなと思いました」と尊敬し、「いざドラマの撮影が始まってみたら、深津さんはまるで本当のお母さんのように家族として現場にいてくださるので、とても助けられている感じがします」と感謝。「オダギリさんも同じようにやっぱり小さい時からテレビで見ている方なのでお会いできて感動、感動でした。でも本当にフランクで、気さくに話しかけてくださったり、そばにいてくださいます」と話した。