NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で、3代目ヒロイン・ひなた役を演じる川栄李奈と、相手役・五十嵐文四郎役を演じる本郷奏多にインタビュー。朝ドラの出演は、川栄が『とと姉ちゃん』(16)以来2度目、本郷は初出演となる。2人に、現場での撮影秘話や共演の感想を尋ねると、和気あいあいとした掛け合いを見せてくれた。

  • 『カムカムエヴリバディ』で3代目ヒロイン・ひなたを演じる川栄李奈(右)と、五十嵐文四郎役を演じる本郷奏多

初代ヒロイン・安子(上白石萌音)の孫で、2代目ヒロイン(深津絵里)の娘であるひなたの物語は、昭和40年代の京都からスタート。ひなたが、若き大部屋俳優五十嵐文四郎(本郷奏多)と出会うが、元気いっぱいのひなたと一癖ありの五十嵐が、どんな恋模様を繰り広げていくのかが気になるところだ。

――朝ドラの現場に入ってみていかがですか?

川栄:シンプルに出番が多いなと思いますが、私はそこがとてもうれしいです。朝ドラで、ヒロインがいろんな人と関わっていくのを見て、すごくいいなあと思っていたので、今、自分がそれをできていることを、本当にありがたく思っています。

――ヒロインへのプレッシャーはなかったですか?

川栄:特になかったです。でも、オンエアを観ていて、安子さんもるいさんも稔さん(松村北斗)、も、みなさんが「ひなたの道を歩いていきたい」と掲げるので、自分がひなた役を演じるということでのプレッシャーは感じていました。

本郷:僕は初めての朝ドラ出演で驚いたのは、1週間で撮る分量の多さです。だから、川栄さんはすごい。香盤表を見ても出番がびっしりありますが、あれだけの台詞量をしっかり入れてきて、現場では眠そうにもしてないから。最近は英語の台詞もめちゃくちゃありますし、頑張っているなと感心します。

川栄:英語の台詞が始まったので、もうパニックです(笑)。本郷さんはいつも空気で察してくださるというか、お芝居でも私がちょっと間を間違えちゃったりすると、それに合わせてくださるし、ドライ(リハーサル)をやってからテストに行くまでに、本郷さんが無言で合わせてくださるので助かります。

――お二人が演じる役柄に共感する点や共通点も教えてください。

川栄:ひなたは見ていて応援したくなるような子。一生懸命頑張ってもなかなか上手くいかないけど、背中を押してあげたくなるようなヒロインになると思います。きっと回が進んでいくごとに、その魅力は増していくんじゃないかと。役との共通点は、何をやっても長続きしないところで、まさに自分を見ているかのようです。

本郷:五十嵐はすごく不器用に生きながらも、スターを夢見て、日々頑張っている時代劇俳優だから、これまた応援したくなる男の子かなと。ひなたを含め、たぶん好きな子に意地悪しちゃうタイプで、ひなた目線からすると「うわ! なんだ、こいつ」という感じの出会いから始まります。でも、徐々に五十嵐には彼なりの信念があることがわかっていき、きっと女子も応援してくれるようなキャラクターになるんじゃないかなと。役との共通点は、仕事に対する考え方や、根が真面目な部分かなと思います。でも、僕は五十嵐と違って、わりと器用に人生を渡り歩いてきたタイプだから、そこは違うのかなと思います(笑)。

――ひなたと五十嵐の2人は、安子やるいたちとは違って、すぐに恋愛フラグが立ちませんね。

川栄:そうなんです。安子さんとるいさんのパートでは、私も見ていてキュンキュンするシーンがたくさんありましたが、ひなたと五十嵐は、淡い恋というよりも、わりと現代の恋に近いのかなと。でも、キュンキュンするシーンもありますし、安子さん、るいさんの時もあった夏まつりのシーンがひなた編でも出てくるので、そこは三世代のつながりを感じられると思います。

本郷:安子さんは古き良きおしとやかな日本人女性でしたが、ひなたは前へ前へと出てくる女の子です。また、五十嵐も、今までの稔さんみたいな好青年や、ジョーさん(オダギリジョー)みたいな不思議な魅力がある男性とは違い、不器用で一番子どもっぽい男の子です。それぞれのヒロインだけではなく、相手役のキャラクターも全然違うから、そこも楽しんでもらえたら。

――現場の雰囲気はいかがですか?

川栄:現場は本当に穏やかで、すごく温かい空気感が流れています。私はすごく緊張するタイプで、頭の中がパニックになることもありますが、そこを深津さんが和らげてくれます。私がちょっとお芝居でやりづらそうにしていると、深津さんが「今のはやりづらかったよね」と、こちらが動きやすいようにしてくださるし、すごく気を気遣ってくださいます。オダギリさんも、本当にあの「お父ちゃん」のまんまで、とても優しい方です。

本郷:僕は、時代劇サイドで松重豊さんとご一緒させていただくシーンが多いです。松重さんは役の虚無蔵さんと同じく、こちらがちょっとビビってしまうような雰囲気がありますが、実際に話してみるとすごく柔らかくて優しい方です。大部屋俳優は、いろんな切られ役のアクションがあるので、松重さんと共に、ヒーヒー言いながら毎日殺陣や立ち回りを練習していました。