幼いころあった、手に抱えきれないほどの夢の数々。それがアラサーにもなると、それらすべてかなえるのは難しいと気づく。しかし、そんな夢を実現させてくれる場所「Back to KidZania ~30歳以下限定!~」が日数限定で東京・甲子園に登場! 今回はそこで体験した胸高鳴る経験をお届けしよう。

  • 「キッザニア」は日本上陸15周年を記念し、「Back toKidZania ~30歳以下限定!~」を1月・2月に日数限定で開催

大人の職業体験「Back to KidZania ~30歳以下限定!~」

「キッザニア」を運営するKCJ GROUPは、キッザニアの日本上陸15周年を記念し、「Back toKidZania ~30歳以下限定!~」を1月・2月に日数限定で開催。(すでに予約申し込みは終了)

キッザニアといえば、3~15歳までの子ども限定で約100種類の仕事やサービスの中から"なりたい職業"を選び、体験できる施設。筆者が中学生時代に誕生したキッザニア。興味はあったものの、そのころは思春期とあって「自分より幼い子と一緒に職業体験なんかできるか」と恥ずかしさに負けて、行くのを諦めてしまった。

だが、本イベントは、16~30歳の学生や社会人を対象にしたスペシャルイベントで、普段の子どもたちと同様に仕事やサービスを体験できる。担当者の方いわく「幼いころ体験したものとは異なる視点で、新たな気づきを届けられたら」との願いを込めて実施するという。

そんなキッザニアに筆者も潜入してきたので、その様子を早速レポートしていこう。

一歩足を踏み入れると小さな街が出現

会場入り口からワクワクする仕掛けが満載の「キッザニア」。空港のような入場ゲートを通ると、眼前に広がるのはかわいらしくもリアルな街並みだ。

  • 空港と同じゲートをくぐって入場

警察署や裁判所、銀行など公的な機関はもちろんピザ屋や家電量販店、証券会社など私たちが日常で目にする光景がぎゅっと凝縮されている。

  • 消防車や救急車などもあるおとぎ話のような場所に潜入

来場者はその中から自分の好みのアクティビティを選んで体験が可能。まずは約100種類あるアクティビティの中から人気のものをいくつか紹介していこう。

キャビンアテンダント

本物の飛行機の機体が舞台となるキャビンアテンダントは、人気のアクティビティのひとつ。リボンやエプロンを身に着け、お客様役の人へ機内サービスやアナウンスなどを行う。

  • 実際の機体の中でリアルな体験が可能

  • 機内食のサービスやアナウンス体験ができる

消防士

実際に訓練を受け、消防車に乗り火災現場まで駆けつける。さらには、放水し、鎮火作業を行うというまさに消防士を体験できる。

  • 消防車に乗って街を移動

  • 水が出る放水装置を使って鎮火を試みる

ピザ職人

オリジナルのピザを作れるピザ職人。自身でピザ生地を伸ばし、ソースを塗ってトッピングをする。完成したピザはその場で食べられるのがうれしい。

  • ピザ生地を伸ばし、トッピングする

  • 出来立てピザは1時間以内に食べるのが必須!

リアルな"今"も体験できる場所

人気の職業に加え、「ゲームクリエイター」や5Gエリアを設計する「通信エリア設計士」など、時代をとらえた職業やアクティビティが用意されており、参加者はリアルな"今"を体感することができる。

  • 「ゲームクリエイター」として、コントローラーを開発する仕事が体験可能。なお、リニューアル工事に伴い、2022年2月1日 第1部~運営を休止する

  • エリア拡大のための基地局(アンテナ)の設置作業を行う。電波の強弱や高さなど仕組みを理解しながら設計する

さらには、SDGsを学べる体験・参加型のパビリオン「KidZania SDGs Center(キッザニアSDGsセンター)」が2021年12月に登場。食品ロスや服の大量廃棄など、地球が抱えるさまざまな課題に関するクイズが出題されるので、館内にある展示スポットを巡り、各クイズの答えと自分なりのアクションを考えるそうだ。

  • 「キッザニアSDGsセンター」パビリオンではSDGsの考え方について学ぶ

  • キッザニアの施設全体にクイズの回答と課題の解決例が書かれた展示物がある

「昔あったものがなくなって、過去にはなかったものが、できているんです(20代女性)」と、幼少時代に来場経験があるという参加者が教えてくれたように、時代の潮流を読み取り変化するキッザニアだからこそ、15年以上にわたり愛され続けてきたのだろう。

そんな子ども大人も楽しめる場所「キッザニア」で筆者も実際に職業体験をしてきたのでその様子をお届けしよう。

あこがれの医者になってみた

今回筆者は幼いころあこがれた「外科医」に扮し、がんの摘出手術を行った。

早速、舞台である病院を訪れると、そこには外科や眼科の手術室に加え、救命救急室や薬局など病院に必要な施設がずらり。

  • 手術室にはモニターや手術に必要な器具がそろっている

体験のスタートは英語のあいさつから。キッザニアでは、勉強ではなく自然と英語に触れてもらえるようにと、すべてのパビリオンで簡単な自己紹介を英語で行うそうだ。筆者も少し不慣れな英語であいさつを交わしたあとは、手洗い・着替えをして、手術前の準備を整える。

  • 普段目にする医者と同じ格好に

場所を手術室に移し、器具やオペ内容の説明を受け、いざ執刀へ。ミッションはモニターを見ながら、器具を使って"がん"を摘出するというもの。「挟んでとるだけでしょ」と余裕に思っていたが、実際やってみると意外に難しい。

モニターに映る情報と実際動かしている手もとが違うため、どう動かせばいいか混乱してしまうのだ。通常6~15歳が少し難しいと感じる難易度と言っていたが、アラサーにとっても難易度は高めだった。

だが、「練習を繰り返して、少しずつ上達していくんです。大丈夫ですよ」と、励ましの声をかけてもらいながら、なんとか手術を成功?させることができた。

  • うまくいかなくても、褒めてくれるのと丁寧にレクチャーしてくれるので諦めずに最後までやりきることができた

体験自体も面白いのだが、「がんの原因になるものは?」「医者はなぜ両手を前にそろえるポーズをするのか?」など、きちんと一つ一つの意味を教えてくれるのが印象的だった。体験だけでなく物事の背景も学ぶことができ、短時間にも関わらず非常に興味深い時間となった。

夢を見つける! かなえる場所

今回は16~30歳以下が対象だが、多くは過去にキッザニアを訪れたことがある18~22歳の大学生だという。

過去キッザニアを訪れ、現在は法律に携わる仕事を目指し勉強する女子学生は、「キッザニアが今の夢を持つきっかけになったんです」と話す。さらに「昔なりたかった別の夢(キャビンアテンダント)をこうして体験できるのもうれしい」とも答えてくれた。

彼女のように15年という歴史の中で、キッザニアは多くの人の人生や夢のきっかけを生み出しているのだと感じた。

アラサー筆者も、恥ずかしさに負けず過去に行っておけばよかったなと今更ながらに思った。だからこそ、いつか自分に子どもができたら連れて行くぞ! と、決意を胸に夢の舞台を後にした。

■Information
キッザニア東京
場所:東京都江東区豊洲2丁目4−9 アーバンドック ららぽーと豊洲1 ノースポート3階
※現在は予約制となっている