蔑視という言葉はビジネスシーンのみでなく日常会話でも使われます。また、ニュースなどでも目にする機会の多い言葉です。一方でなんとなく言葉のニュアンスはわかっても正しい意味を理解できていない方もいるようです。本記事では蔑視という言葉の意味や正しい使い方を例文付きでくわしくご紹介します。

  • 蔑視の意味とは

    蔑視は意味を正しく理解して使いこなすべき言葉です

蔑視の意味とは

本項では蔑視の正しい意味についてご紹介します。

蔑視の意味や読み方

蔑視は「べっし」と読みます。「人などをさげすんでみること」や、「軽んじてあなどること」といった意味を持つ言葉です。その他には「見下す」といったような意味で使われることがあります。

ニュアンスとしては、対象となる人やものごとをなんとなく低く見下すような意味あいでも使われる言葉です。

ネガティブな言葉なので使い方に注意

前述の通り、蔑視という言葉はネガティブな意味あいの強い言葉なので使い方には注意が必要です。人に対して使う場合、自分より低く見ているという風に受け取られる可能性もあります。

特にビジネスシーンなどで使用する場合には、失礼にあたる場合もあるため、蔑視を含めたネガティブな意味を持つ言葉を使用する際には注意が必要です。

蔑視と軽視の違い

蔑視と混同されがちな言葉として軽視があげられます。

蔑視の意味は前述の通り「見下すこと」ですが、軽視は相手やものごとに対して「軽く考えること」「軽く見ること」を意味する言葉です。

一見すると同じような意味あいに感じられるかもしれませんが、蔑視にはより相手をあなどる、見下す、もっといえば侮辱するといったニュアンスも含まれます。

それに対して軽視は単に対象を軽んじて、重要ではないと考えることを指します。

いずれもネガティブな表現ではありますが、含まれる意味あいが異なります。混同せず、シーンや意図にあわせて使いわけることが大切です。

  • 蔑視の類語・置き換え表現

    まずは蔑視の意味を正しく理解しましょう

蔑視の類語・置き換え表現

蔑視という言葉にはいくつかの類語や置き換え表現があります。言葉の意味を知るのみでなく、置き換えができる表現をいくつか頭に入れておくことによって、さらに表現の幅を広げることができるでしょう。

ここでは蔑視の類語や置き換え表現をピックアップしてご紹介します。

軽蔑

軽蔑は「けいべつ」と読み、「対象の人やものごとを価値がない、あるいは低いものとしてばかにすること」といった意味があります。蔑視と近いニュアンスを持つ言葉なので、そのまま置き換えできる言葉のひとつです。

ネガティブな意味あいの言葉ですが、日常会話などでも広く用いられています。

侮蔑

侮蔑は「ぶべつ」と読み、「見下してさげすむこと」という意味で、軽蔑よりもさらに対象をさげすむニュアンスが強い言葉です。文章語的な表現になります。

強く相手をさげすむ表現なので蔑視や軽蔑以上に使い方に注意が必要です。

軽侮

軽侮は「けいぶ」と読み、「軽んじてあなどること」という意味で、軽蔑よりやや軽い調子の言葉です。

文章語的な表現であり、ネガティブな意味あいを持つことに変わりはないので、慎重に扱うべきでしょう。

  • 蔑視の英語表現

    類語などを知ることでさらに表現の幅が広がります

蔑視の英語表現

蔑視の英語表現をいくつかピックアップしてご紹介します。

contempt

蔑視の英語表現として代表的なのが名詞の「contempt」です。蔑視するという動詞になると「contemn」になります。軽蔑などの英語表現としても使われる言葉です。

scorn

「scorn」とはより怒りがこもった激しい軽蔑やさげすみ、蔑視などを意味する言葉です。名詞でもあり、動詞にもなります。前述の「contemn」よりもさらにニュアンスの強い表現になるので、使用する際には注意が必要です。

disdain

「disdain」には潔しとしない、軽蔑するといった意味がある単語で、蔑視の英語表現として使われることもあります。名詞でもあり、動詞でもある単語です。恥とするといったニュアンスもあります。

上記の2つの表現と比較すると使用される頻度はやや少ない言葉と言えるでしょう。

  • 蔑視の使い方を例文でご紹介

    英語表現も同時に頭にいれておきましょう

蔑視の使い方と例文

これまでご紹介した通り、蔑視という言葉にはネガティブなニュアンスがあるため使い方には注意が必要です。蔑視の具体的な使い方について例文をあげてご紹介します。

ビジネスシーン

ビジネスシーンで蔑視という言葉を使う際の使い方を例文でご紹介します。

  • この広告上の表現は女性蔑視と受け取られる可能性があるため、再考する必要があります
  • そういった意図がないにしてもこの発言は外国人を蔑視するものと受け取られかねないため撤回すべきです
  • 特定の職業を蔑視することは決してあってはならないことです
  • 蔑視の意識はなくても誤解される可能性があるため、組織としての発表にはより慎重になるべきです
  • 相手を深く理解もせず蔑視するべきではありません

蔑視という言葉はネガティブな意味あいなので、ビジネスシーンでは直接的に何かを蔑視するといった表現は避けるべきです。

日常会話における蔑視の使い方

続いては日常会話における蔑視の使い方について例文をあげながらご紹介します。

  • 私は彼に蔑視されてもしかたないことをしてしまった
  • 人を簡単に蔑視するような人は信用することはできません
  • たとえ冗談であっても女性蔑視するような発言は許されるものではありません
  • 私は彼らのことを蔑視するつもりはありませんでしたが誤解を受けてしまいました
  • 私のとった行動により彼女に蔑視されることになった

このように、日常会話の中でも蔑視という言葉はネガティブな意味あいで使われるのが一般的です。

ニュースなどにおける蔑視の使い方

最後にニュースなどにおける蔑視の使い方について例文をあげながらご紹介します。

  • A社の広告は女性蔑視と受け取られる表現が見つかったことから掲載が中止されました。
  • 外国人を蔑視した表現に対して批判が殺到しています。
  • 職業によって蔑視する発言があったとして謝罪文書が公開されました。

近年では女性蔑視や外国人蔑視などの問題が多く取り上げられているため、ニュースなどでも目にする機会は多いでしょう。

  • 蔑視の意味を正しく理解して使いこなしましょう

    ネガティブな意味あいの言葉ほど使い方を知る事が大切です

蔑視の意味を正しく理解して使いこなしましょう

蔑視という言葉はネガティブな意味を持つため、広く使われている言葉ではありますが、使い方には注意が必要です。

今回は蔑視の意味や正しい使い方について例文をあげながらご紹介しました。同時に置き換え可能な類語なども頭に入れておくことでさまざまなシーンでのコミュニケーションに活かすことができるでしょう。