俳優の成田凌が主演する日本テレビ系ドラマ『逃亡医F』(毎週土曜22:00~)が、15日にスタートした。

※以下にネタバレがあります。

  • 成田凌(左)と松岡昌宏=日本テレビ提供

天才的なオペ技術を持つ帝都医大の脳外科医・藤木圭介(成田)。前途洋々な未来が待っていたはずの藤木はその日、同僚で恋人の研究医・八神妙子(桜庭ななみ)を病院の屋上から突き落として殺害したという“無実の罪(冤罪)”を着せられ、天才医師から一転、警察に追われる殺人犯へと転落する。

2週間後、妙子の殺害事件の捜査本部に1人の男が乗り込む。妙子の兄で元自衛官の八神拓郎(松岡昌宏)だ。刑事の筋川二平(和田聰宏)たちの制止を振り切り、ホワイトボードに容疑者として貼られた藤木の写真を見つけた拓郎は、妹の恋人だった藤木が犯人であることを確信。藤木への異常なまでの復讐に燃える。

そんな中、逃亡を続ける藤木は、「鳴海健介」と名乗り、ある人物に会いに行くため、海洋観測船・第一海風丸にアルバイトとして搭乗しようとしていた。先輩観測員・沢井美香子(森七菜)は、初めての後輩である藤木の指導に張り切る中、その手がツルツルであることに気づき、どんな仕事をしてきたのかと興味を持つが…。

その頃、拓郎は、ある策略を巡らして筋川の弱みを握ると、藤木を追うための捜査情報を自分に横流しするよう迫っていた。

一方、船上では、指名手配犯のポスターを目にした美香子が、「鳴海健介」の正体が恋人殺しの容疑者・藤木圭介であることに気づく。

着々と藤木に近づく捜査網。そんな中、船上でまさかの大事故が発生し、美香子が利き腕を失うかもしれない大ケガを負う。逃げるのか、助けるのか――追っ手が迫る中、藤木は手術道具の少ない過酷な状況下で、自分にしか助けられない患者を前に、医師としての選択を迫られる。

さらに、藤木の無実を信じる後輩医師・長谷川輝彦(桐山照史)、不審な行動を取る妙子の親友・烏丸京子(前田敦子)、そして、バイオベンチャー企業の天才研究者・佐々木世志郎(安田顕)と、事件を巡って藤木の周囲の人間関係が不穏な渦を巻き始める…。

観測機器の下敷きになった美香子の腕は、ほぼ切断状態になっていた。藤木は、重傷人を前になすすべもない船医・佐渡(阪田マサノブ)に代わり、素早く止血処置を施す。美香子は痛みに耐えながらも、藤木に「逃げてください」と告げる。

亡くなった父に憧れ、漁師になることを夢見ていた美香子は、自分が腕を失ってしまうことにせめて“なにか意味を持たせたい”と、混乱の中藤木に逃亡を促す。実は、藤木のツルツルの手は、美香子の記憶の中の父親の手に似ていた。父と同じ“光る手”をした藤木が殺人犯ではないと美香子は信じたかったのだ。藤木は逃亡を続けるため、救命ボートへ向かう。

その頃、医務室では、佐渡が美香子の腕を切断するしかないと診断する。同僚たちが猛反対する中、現れたのは、なんと斧を持って戻って来た藤木。藤木は、美香子の切れかかった腕に斧を振り下ろす。それは自分を信じてくれた美香子の腕を「結紮縫合(けっさつほうごう)」するための処置だった。医療器具の不足する過酷な状況で、藤木は、氷を利用して拡大鏡を作り出すと、オペの時間配分をつかむため、携帯しているカセットプレイヤーで昭和歌謡(南沙織)の曲を再生。美香子の腕の接合手術に挑む。

そんな中、亡くなった妙子の自宅で遺品整理をする“フリ”をしていた烏丸は、花瓶の中に隠してあった「F」と書かれたカセットテープを見つけ、意味深につぶやく。「ごめんね、妙子」

船上での手術が無事終了し、船は寄港する沼津港に到着しようとしていた。港に集まるパトカーを見て、救命ボートでの逃亡を図ろうとする藤木だが、その行動を先読みしていた拓郎が、行く手を阻む。殴りかかる拓郎に、藤木は妙子の死には「何か大きな力が関わっている」と訴えるが、拓郎は容赦しない。首を締め上げる拓郎の足に麻酔を注射した藤木は、真犯人は必ず自分が見つけ出すと言い残し、逃亡するのだった。

一方、バイオベンチャー企業・バイオネオのオフィスでは、天才研究者・佐々木の元に、藤木が船から逃亡したという情報が入っていた。怪しげな反応をする佐々木。その真意とは…。

数日後、藤木はある人物に会うべく、吹雪の志賀高原の山中にいた。しかし、襲ってくる疲労と戦いながら前に進もうとしたその時、山から滑落してしまい…。

次回の第2話では、ある人物を追って雪山で滑落した藤木を助けた地元の少年・健太(白髭善)と、喫茶店店主・香川(升毅)とのエピソードが描かれる。無実を信じ、後を追ってきた美香子と共に、香川の営む喫茶店の2階に居候することになった藤木は、ひょんなことから、探し求めていた「事件の鍵を握る人物」、亡き恋人・妙子の共同研究者・都波(酒匂芳)が店の近くにいることを知る。

そんな中、喫茶店の取材に訪れた地元テレビ局のアナウンサー・島崎と、同僚で健太の父・松田に、藤木は正体を気づかれてしまう。逃亡を決意する藤木だが、その目の前に自分を救ってくれた少年・健太が患者として運び込まれる……。