栄一役が吉沢に決定した経緯やタイトルに込めた思いも明かした。「どうしてこういう人物が出来上がったのか描きたいと思ったときに、大河ドラマにまだ出演されたことのない吉沢さんに託したいと思いました。吉沢さんに決まってから『青天を衝け』というタイトルもつけました。渋沢栄一さんは新一万円札の写真のように座っている印象がありますが、吉沢さんの栄一は走っていてほしい。人生を駆け抜けてほしいという気持ちがありました」と説明し、「走ってもらってばかりで大変だったと思いますが、とても好きでした」とうれしそうに話した。

「ぐるぐるする」「おかしれぇ」といった独特な口癖も話題となったが、これらの口癖はどのようにして生まれたのか。

大森氏は「ぐるぐるする」について、「栄一さんはどんどんワクワクするほうに動いていく人なんだろうなと思ったのですが、『ワクワク』という言葉は栄一が使うのには違和感があるかもしれないと。栄一が自分の体の中から生み出すとしたらどんな擬音になるか考えたときに『ぐるぐるする』と思うかなと思って生み出した言葉です」と説明。

「おかしれぇ」についても、「円四郎さん(堤真一)のキャラクターを考えていたときに、栄一さんの『ぐるぐるする』を円四郎さんだったらどんな風に言うかなって。円四郎さんが早く亡くなることもあって、何か円四郎さんから引き継いでほしいと。引き継ぐものの象徴となるような言葉を探していて、その中で見つけました。当時、粋な人が使っていた言葉です」と明かした。

物語を解説する役どころとして登場している北大路欣也演じる徳川家康も本作の人気キャラクターに。19日に放送された第40回では、「慶喜よ、よくぞ生き抜いてくれた」と77歳の天寿を全うした慶喜を労い、「栄一はまだまだ止まりませんよ。さあ、どうか最後まで、私とともに見守っていただきたい」と力強い眼差しで視聴者に呼びかけた。最終回はどのような登場となるのか注目されている。

大森氏は、北大路演じる家康について「私も好きです」とにっこり。「視聴者の皆さんから受け入れてもらえるか心配はありましたが、私としては最後まで家康さんに見守ってもらいたいと最初から思っていました。思っていた以上に愛され、北大路さんのおかげだなと、ありがたく思っています」と反響を喜び、「登場してうれしいと思ってもらえるタイミングで出てもらうというのを意識し、しゃべってもらいたいことを書きましたが、動きなどは演出の方たちの発想なので、私も毎回楽しみです」と語った。

いよいよ26日に物語が完結する。大森氏は「最終回までずっと栄一さんは駆け抜けていきます。ずっと日本のために頑張ってきて、そこから世界に目が向いている。休まず、足を止めずに最後まで生き抜く姿を見ていただけたらと思います」と最終回の見どころを伝えた。

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