女優の朝夏まなとが、故・神田沙也加さんとWキャストで主演を務めていたミュージカル『マイ・フェア・レディ』の地方公演の全公演に出演することが、21日に東宝演劇部によって明らかになった。

朝夏まなと

朝夏まなと

神田さんが18日に急死したことを受け、札幌公演を中止していた同作。12月25日から2022年1月28日にかけての山形・静岡・愛知・大阪・福岡公演については、東宝演劇部と各主催者が協議のうえ、全公演、イライザ役・ヒギンズ役・フレディ役の3役を朝夏まなと・別所哲也・寺西拓人の「チームA」にて上演することが決定した。

同作はこれまでの公演も朝夏・別所・寺西の「チームA」、神田さん・寺脇康文・前山剛久の「チームK」に分かれて上演を行っていた。東宝演劇部は「広く日本のエンタテインメント界に多大な功績を残された神田沙也加さんに敬意を表し、心からの哀悼の意を捧げます」と追悼の言葉を寄せている。

オードリー・ヘップバーン主演の映画版でも広く親しまれている同ミュージカルは、ロンドンの下町の花売り娘が、言語学者のレッスンで、見違えるように麗しい貴婦人に変貌するという物語。神田さんはイライザ役を務めていた。

朝夏まなと メッセージ

いつもインタビューで一番好きなミュージカルは『マイ・フェア・レディ』と言っていたさぁちゃん。(神田沙也加さんをこう呼んでおりました)私の宝塚退団後の初ミュージカルが本作品で、さぁちゃんからたくさんのことを教えてもらったり、他愛もない話をしたり、すぐに打ち解けて仲良くなりました。生き生きとイライザを演じるさぁちゃんが眩しくて、歌声も大好きでした。今、思い浮かぶのはさぁちゃんの笑顔です。日本で初めて上演された歴史あるミュージカル『マイ・フェア・レディ』。上演か中止か、どちらの決断が下されてもきっと様々な方々のお気持ちが複雑に交錯することもあるかと思います。けれどこの作品を愛する皆さまの気持ちも一緒にすべてのカンパニーキャスト、スタッフが一丸となり『マイ・フェア・レディ』を続けていくこと、この作品を全国の皆さまにお届けしたい……それがみんなの願いです。カンパニーを代表しまして、心よりご来場をお待ち申し上げます。

寺脇康文 メッセージ

この度、『マイ・フェア・レディ』の残りの公演の出演を、キャンセルさせていただくことに致しました。舞台人として、どうあるべきか、本当に悩みました。プロ意識に欠けるのかもしれません。それでも、イライザとヒギンズの二人三脚で作ってきたこの作品をこのまま続けることは今の僕には難しく、東宝さんをはじめとするカンパニーの皆さんもそのわがままを受け入れてくれました。
楽しみにしてくださったお客様には大変申し訳ありません。自分にとっても本当に大切なこの作品は、朝夏まなとさん、別所哲也さんコンビが引き受けてくれます。最大の感謝とともに、千穐楽までの完走を祈ります。

写真提供/東宝演劇部

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